ストリップ捜査電話詐欺

原作・実話

ストリップ捜査電話詐欺は、1994年から少なくとも10年以上にわたって、おもに米国の地方で発生した一連の事件。この事件で、男はレストランや食料品店に電話をかけ、警察官を名乗って、従業員(少なくとも2件知られているケースでは客)のストリップ捜査を行ない、「警察」に代わってその他の奇妙で屈辱的な行為を行なうようマネージャーを説得するというものでした。電話は小さな町のファストフード店に多くかけられました。

2004年にケンタッキー州マウント・ワシントンで発生した事件により、フロリダ州在住のデビッド・リチャード・スチュワートが逮捕されました。スチュワートはマウント・ワシントン事件では無罪となりました。スチュワートは他にも同様の詐欺電話をかけていた疑いがもたれていましたが、起訴されることはありませんでした。警察は、スチュワートの逮捕後に詐欺電話はなくなったと報告しています。

事件の特徴

  •  警察官を装い店舗に電話をかける。
  •  盗難容疑がかかっている従業員がいると告げ、身体検査をするよう要求する。
  •  店長に、従業員を個室へ連れて行き、衣服を脱がせて身体検査をするよう指示する。
  • 従業員の身体の特徴を細かく指示して店長を混乱させる。

被害

  • 従業員が精神的なショックを受ける。
  • 店舗の信用が失墜する。
  • 社員の士気が低下する。

次項で紹介するマウント・ワシントン事件を実話ベースにした映画に『コンプライアンス 服従の心理』があります。

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マウント・ワシントン事件

2004年4月9日、ケンタッキー州マウント・ワシントンのマクドナルド・レストランに一本の電話が入りました。

ルイーズ・オグボーンは金曜日のレストランの夕方ラッシュ時に働くことを申し出ました。「私はただ食事をして、他の誰かが来るまで手伝うつもりでした」と彼女は言いました。

しかしルイーズは、この気高いジェスチャーによって、彼女の残りの人生を悩ませる恐ろしい試練になるとは知る由もありませんでした。

アシスタント・マネージャーのドナ・サマーズによると、電話主は警察官の「スコット巡査」と名乗りました。電話主はサマーズに、黒髪のやや小柄な若い白人女性で、窃盗の疑いがあるという漠然とした人相を伝えました。サマーズは、その人相が現在レストランに勤務している18歳のルイーズ・オグボーンのものだと考えました。

ルイーズはドナ・サマーズから狭いオフィスへ呼ばれ、サマーズが警察官と電話中であることを告げられました。サマーズは警察官に対し言いました、「あなたが言っていた女子です」、と。そして、ルイーズはサマーズから、ドアを閉めるように言われました。

サマーズはルイーズに、別の電話の相手が店長で、店長はルイーズが客の財布を盗んだことを非難していると言いました。

「ドナ、私は何も悪いことはしていない。私にはそんなことはできない」。

しかし、今や「取調室」と化した奥のオフィスでルイーズの抗議は耳に入りませんでした。

サマーズは言いました、「マクドナルドの制服を着たあなたに似た少女だった」と。

警官を名乗る男はルイーズにたいし、捜索に応じるか警察署に連行されるかの選択を迫りました。ルイーズはポケットの中身を出し、車のキーと携帯電話を差し出すように言われ、それを実行。すると電話主は、ルイーズに服を脱がせるように要求。下着さえも脱がせ、裸を隠すのは小汚いエプロンだけにさせました。

ルイーズは、相手が警察官だと固く信じていたので、自分が何を要求されたのか、決して二の足を踏まなかったと言います。また、ルイーズは、正しいことをするマネージャーを信じていたといいます。

金曜日の夜は忙しかったので、サマーズはレストランをチェックするためにオフィスを出なければなりませんでした。電話の男は、警察が到着するまで他の従業員にルイーズの監視を任せるよう指示し、サマーズは27歳のジェイソン・ブラッドリーを選びました。

「彼(ブラッドリー)は電話を取り、私にあることをさせ、エプロンを下ろせと言うのです」。

ブラッドリーはうんざりして出て行きました。そして電話主はサマーズに対し、婚約者ニックスへ電話し、ルイーズを見てもらうようにという奇妙な要求をしました。

サマーズから呼び出されたニックスはルイーズを監視し、電話主の指示どおりに濃厚な性的行為をルイーズに行ないました。事件の一部始終はオフィスの監視カメラに録画されていました。サマーズはその夜のうちにそのテープを見て、弁護士によると、ニックスとの婚約を解消しました。

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終わりに

ストリップ捜査電話詐欺は、1994年から少なくとも10年以上にわたって、おもに米国の地方で発生した一連の事件です。発信者番号を表示しない固定電話にありがちな事件でした。スチュワートの逮捕にあいまって、携帯電話やスマートフォンの普及によってこのような事件は急減または消滅したと言われています。

この事件が教えてくれたことは、権威を盲信せず、冷静に状況を判断することの大切さ。そして、社会全体で防犯意識を高めることが重要です。

この記事を書いた人
なむ

洋画が好きです(字幕派)。だいたいU-NEXTで観ています(^^) 詳細は名前をクリックしてください。

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