アメリカのファストフード店で起きた実話ベースの心理サスペンス。
『コンプライアンス 服従の心理』は、クレイグ・ゾベルが脚本・監督し、アン・ダウド、ドレアマ・ウォーカー、パット・ヒーリー、ビル・キャンプが出演した2012年米国のスリラー映画。
映画のあらすじは、実在の人物の名前は変更されているものの、2004年にケンタッキー州マウント・ワシントンで実際に起こったストリップ捜査電話詐欺事件を忠実に再現しています。映画でも実際の事件でも、警察官を装った電話をかけてきた人物が、レストランのマネージャーらに無実の従業員に対する不法な立ち入り検査を実行するよう説得しました。
『コンプライアンス』は2012年1月21日にサンダンス映画祭でワールドプレミア上映され、マグノリア・ピクチャーズの配給で2012年8月17日に一般公開されました。マネージャーのサンドラを演じたダウドの演技は、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の助演女優賞を受賞した。
この映画の予算は 27万ドル(推定)で、興行収入は米国・カナダで計319,285ドル、オープニング週末(2012年8月19日)の米国・カナダで計16,427ドル、全世界興収は592,116ドル。
コンプライアンス 服従の心理
- 原題:COMPLIANCE
- 公開年:2012年
- 上映時間:90分
- 製作国:米国
- ジャンル:サスペンス、ドラマ
- キーワード:実話ベース、ファストフード店、イタズラ電話、警察官、電話調査
予告編はこちら。
あらすじ
週末のファストフード店に、警察官を名乗る男から電話がかかってきました。男は電話越しに、店で働く店員に窃盗の疑いがある事を示唆。バイト店員のベッキーが呼び出され、彼女は電話の男から「調査」と称して、次々と異常な要求を強いられます。
見どころ
とあるイタズラ電話をきっかけに、女性バイト店員が巻き込まれた災難の顛末を、緊迫感をもたせて描写。低予算ながら各地の映画祭で大きな話題となりました。
ファム・ファタル
主役のベッキーを演じたドリーマ・ウォーカーがか細くて可愛い。目と口が大きめで派手な顔面。映画では、イタズラ電話の進行につれて徐々に脱がされていって、寒そうな感じでした。
この映画『コンプライアンス 服従の心理』はドリーマ・ウォーカーの初ヌード作品となり、また、2023年8月現在、彼女の唯一のキャリア・ヌードとなっています。最初にストリップ・ダウンするとき、彼女の髪はショットとショットの間でアップダウンしています。
映画60分、サンドラが部屋に入ってきたとき、視聴者はベッキーが(立ったまま)薄いビキニを着ているのを見ることができます。
感想
視聴者はワクワクする展開になっていますが、アルバイト店員のベッキーさん大災難。その割に、店長の反省には違和感…。
イタズラ電話でもオレオレ詐欺でも、電話で話す内容って本当だと思ってしまうのは、声の威力でしょうか…。「読書する女」を思い出しました。この映画『コンプライアンス 服従の心理』が見づらいことに異論はありませんが、重要かつ現実的な点を指摘しています。私たちの多くは、権威者と思われる人物の発言を聞くと、間違っているとわかっていても実行・実践してしまうということ。
「こんなに愚かな人間はいない」と願いたいところですが、この種の事件(この映画で描かれているよりもさらに卑劣な暴行行為を含むと言われている)が米国で繰り返し起こっている(エンディング・クレジットによれば70件以上)という事実は、その願いが真実でないことを示しています。日本のオレオレ詐欺も根本は似ている気がします。多くの若者や高齢者がこの映画を観て、法律や良識の範囲を超えたような要求をする権力者に対し断る勇気をもつことを願っています。そして、弁護士が同席しない限り、警察官と詳しく話をしないことです。
解説
『コンプライアンス 服従の心理』が依拠する実話(ストリップ捜査電話詐欺)では、警察は38歳の刑務官デビッド・スチュワートと特定。スチュワートは米国31州にある70以上のファストフード店のマネージャーに対して、ストリップ検査、屈辱的な行為、客・店員への性的虐待を行ないました。
ただし、様相は二転三転。実際の事件で服役したのは、レストラン支配人ドナ・サマーズのボーイフレンド、ウォルター・ニックス・ジュニアだけ。通報者のデビッド・スチュワートは証拠不十分で無罪。サマーズには執行猶予。
2007年10月、ケンタッキー州の陪審はマクドナルドに対し、この映画の元となった2004年の事件でマクドナルドの従業員だったルイーズ・オグボーンに対して、マクドナルドが懲罰的損害賠償として500万ドル、補償的損害賠償と経費として110万ドルを支払うよう命令。控訴の後、2010年3月、マクドナルドとオグボーンは懲罰的損害賠償金なしの総額110万ドルで和解しました。
なお、この映画の舞台は架空のファストフードのチェーン店ですが、ウェンディーズなどの実在のチェーン店も台詞に出てきます。
ロビン・ウィリアムズが出演した「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」の第17話(通算200話)「権力と羊」(2008年4月29日に初放送)も同じ実話にもとづいています。
キャスト
登場人物 | 出演者 |
サンドラ | アン・ダウド |
サプライヤー | マット・セルヴィット |
ベッキー | ドリーマ・ウォーカー |
ダニエルズ | パット・ヒーリー |
ケビン | フィリップ・エッティンガー |
マルティ | アシュリー・アトキンソン |
コニー | ニキヤ・マティス |
フリオ | ラルフ・ロドリゲス |
ハロルド | スティーブン・ペイン |
ヴァン | ビル・キャンプ |
ブリー | アメリア・ファウラー |
お客様 | ジョン・メローラ |
ニールズ刑事 | ジェームズ・マカフリー |
モリス巡査 | デスミン・ボルジェス |
ロバート・ギルモア | マット・スキビアク |
娘 | マレン・マッキー |
ポートランド刑事 | レイモンド・マクアナリー |
コンビニ店員 | ジョージ・アサトリアン |
弁護士 | レベッカ・ヘンダーソン |
テレビ・ジャーナリスト | ジェフリー・グローバー |
ジミー・パーマー巡査 | マイケル・アボット・ジュニア |
父親と子供 | サミュエル・カルアナ |
客 | リアム・オコナー |
ファーストフードの客 | ドミニク・サバティーノ |
スタッフ
監督 | クレイグ・ゾベル |
脚本 | クレイグ・ゾベル |
衣装デザイン | カレン・マレッキ |
衣装デザイン(助手、協力、監督) | レイニー・アンダーソン |
衣装助手 | マッケンジー・アリアーノ |
衣装助手 | カーラ・アルパート |
ヘアスタイル、メイクアップ部門責任者 | ロンディ・スコット |
ヘアスタイル、メイクアップ助手 | ジェシー・ガンバルデラ |
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