エルザ・マルティネリ(Elsa Martinelli)はイタリアの女優、ファッションモデル。モデルとしてデビューし、1955年に『赤い砦』でハリウッド進出を果たしました。1962年の『ハタリ!』でジョン・ウェインと共演し、国際的に人気を集めました。1956年に『ドナテッラ』でベルリン国際映画祭女優賞を受賞。洗練された美貌とエレガントなスタイルで知られ、ファッションアイコンとしても活躍しました。2017年7月8日、ローマで82歳で亡くなりました。
プロフィール
- 名前:エルザ・マルティネリ(Elsa Martinelli)
- 本名:Elisa Tia
- 生年月日:1935年1月30日
- 出生地:イタリア共和国トスカーナ州グロッセート
- 没年月日:2017年7月8日(享年82歳)
- 表記ゆれ:エルザ・マルティネッリ
生い立ち・教育
エルザ・マルティネリ(Elsa Martinelli)は、1935年1月30日にイタリア共和国トスカーナ州のグロッセートでエリザ・ティアとして生まれました。鉄道駅で働く父アルフレードと、8人の子供を育てる母サンティーナのもと、貧しい家庭環境で育ちました。12歳頃には食料品の配達を手伝うなど、早い時期から家計を支える仕事を経験しています。
16歳頃にローマに移り、バーやキャッシャーとして働いていたところをファッションデザイナーのロベルト・カプッチに見出され、モデルとして活動を始めました。正式な演劇教育や高等教育を受けたという記録はほとんどなく、モデル業を通じて自然に女優への道が開かれました。貧困な幼少期の経験が、彼女のしなやかで現実的な性格を形成したと言われています。
経歴
エルザ・マルティネリは1953年頃に映画界に足を踏み入れ、1954年に『赤と黒』(クレジットなし)や『百万当たったら』(短編)でデビューしました。1955年にカーク・ダグラス主演の『赤い砦』でオナヒ役を演じ、ハリウッドデビューを果たします。この作品で彼女のエキゾチックな美貌が注目を集めました。
1956年の『ドナテッラ』で主演を務め、ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞。この成功によりイタリア国内外で活躍の場を広げ、1957年の『船の女』、1960年の『血とバラ』や『ローマの恋』などに出演しました。1962年にはハワード・ホークス監督の『ハタリ!』でジョン・ウェインと共演し、アンナ・マリア“ダラス”ダレッサンドロ役を好演。オーソン・ウェルズの『審判』やシャルルトン・ヘストン共演の『ローマを占領した鳩』にも出演しています。
1960年代はハリウッドとヨーロッパの国際共同製作を中心に活躍し、『華麗なる殺人』『キャンディ』など多様なジャンルで存在感を示しました。1970年代以降はイタリアのTV番組や映画にシフトし、2004年から2005年のシリーズ『オルゴリオ』でドゥケッサ・ディ・モンテフォルテ役を演じたのが最後の出演となりました。キャリアを通じて50本以上の映画に出演し、型にはまらない役柄選択で知られています。
服飾・美容
エルザ・マルティネリはファッションモデルとしてキャリアをスタートさせ、ニューヨークのフォード・エージェンシーやパリで活躍しました。ヴォーグ誌などのカバーを飾り、洗練されたエレガンスと独特のスタイルで注目を集めました。イタリアのファッション界では「スタイルとエレガンスのアイコン」と評され、ヴィットーリオ・デ・シカから「世界で最もスタイライズされた女性」と称賛されています。
彼女の美容の特徴は、自然な魅力と洗練されたメイク、シンプルながら上品なファッションセンスにありました。1960年代の映画では、冒険ものからホラー、コミカルな役まで幅広くこなし、衣装やヘアスタイルが話題になることも多かったです。後年は女優業を縮小した後、インテリアデザインやファッション関連の仕事にも携わり、美的センスを活かした活動を続けました。その優雅なイメージは今も多くのファッション愛好家に影響を与えています。
私生活
エルザ・マルティネリは1957年にイタリア貴族のフランコ・マンシネリ・スコッティ・ディ・サン・ヴィート伯爵と結婚しました。1958年に娘クリスティアナ・マンシネリをもうけましたが、1960年に別居し、後に婚姻は無効となりました。娘のクリスティアナも女優として活躍しています。
1968年には写真家でデザイナーのウィリー・リッツォと再婚しましたが、1978年に離婚しています。私生活ではハリウッドやイタリアのセレブリティとの交流が豊富で、アリストテレス・オナシスやマリア・カラスとも親交がありました。晩年はローマで家族とともに穏やかに暮らし、2017年7月8日に癌のため82歳で亡くなりました。死去後もその優雅なイメージは多くの人々に記憶されています。
出演作品
日本語以外の題名表記は原題または英題です。
| 公開年 | 題名 | 配役 |
|---|---|---|
| 1954 | 赤と黒 | uncredited |
| 1954 | If You Won a Hundred Million | Anna |
| 1955 | 赤い砦 | Onahti |
| 1956 | 水田地帯 | Elena Nardi |
| 1956 | Donatella | Donatella Guiscardi |
| 1957 | Four Girls in Town | Maria Antonelli |
| 1957 | 船の女 | Manuela Hunt |
| 1958 | La mina [it] | Lucia |
| 1959 | Prisoner of the Volga | Mascha |
| 1959 | Ciao, ciao bambina! | Diana |
| 1959 | Tunis Top Secret | Kathy Sands |
| 1959 | 青い海岸 | Doriana |
| 1959 | Bad Girls Don’t Cry | Anna |
| 1960 | 危険なデイト | Marisa |
| 1960 | 血とバラ | Georgia Monteverdi |
| 1960 | Il carro armato dell’8 settembre | Mirella |
| 1960 | 快傑キャピタン | Gisèle d’Angoulême |
| 1960 | ローマの恋 | Fulvia |
| 1961 | The Menace | Lucile |
| 1962 | ハタリ! | Anna Maria ‘Dallas’ D’Allesandro |
| 1962 | ローマを占領した鳩 | Antonella Massimo |
| 1962 | Pelle viva | Rosaria |
| 1962 | 審判 | Hilda |
| 1963 | 予期せぬ出来事 | Gloria Gritti |
| 1963 | ランページ | Anna |
| 1964 | All About Loving | Mathilde |
| 1965 | マルコ・ポーロ 大冒険 | The Woman with the Whip |
| 1965 | 二人の殺し屋 | Sylvia |
| 1965 | 盗みのテクニック | Juliette |
| 1965 | L’or du duc [it] | Sonia |
| 1965 | 華麗なる殺人 | Olga |
| 1966 | イタリア式愛のテクニック | Monica the rallye driver |
| 1967 | Maroc 7 | Claudia |
| 1967 | 愛すべき女・女たち | Domitilla |
| 1967 | 女と女と女たち | Pretty woman |
| 1967 | Every Man Is My Enemy [it] | Laureen |
| 1968 | 恋のマノン | Annie |
| 1968 | The Belle Starr Story | Belle Starr |
| 1968 | ダスティン・ホフマンの100万$大捜査線 | Vic Shaw |
| 1968 | キャンディ | Livia |
| 1969 | 火曜日ならベルギーよ | Maria, Woman on Venetian bridge |
| 1969 | Maldonne [fr] | Gilberte de Baer |
| 1969 | 女の秘めごと | Jane Bleeker |
| 1969 | カトマンズの恋人 | Martine |
| 1969 | L’amica | Carla Nervi |
| 1970 | OSS 117 Takes a Vacation | Elsa |
| 1971 | La araucana [fr] | Inés de Suárez |
| 1971 | The Lion’s Share | Annie |
| 1976 | Il garofano rosso [it] | Zobeida |
| 1985 | I Am an ESP | Carla Razzi |
| 1988 | Pigmalione 88 [it] | |
| 1992 | モンテカルロ殺人事件 | as Carla the Agent |




コメント 雑学・感想など