リー・マン（李曼）は中国遼寧省鞍山市出身の女優。中央戯劇学院演技科を卒業し、2006年に張芸謀監督の映画『満城尽帯黄金甲』でデビュー。「謀女郎」として注目を集め、金鶏百花映画祭最優秀新人賞にノミネート。主にテレビドラマで活躍し、『天乩之白蛇伝説』や『盗墓筆記II』などに出演。低調で誠実な姿勢が評価されている。
プロフィール
- 名前：リー・マン（李曼）
- ローマ字表記：Li Man
- 生年月日：1988年6月4日（37歳）
- 出生地：中国遼寧省鞍山市
- 国籍：中華人民共和国
- 民族：漢族
- 職業：女優
- 学歴：中央戯劇学院演技科（専門課程）
- デビュー年：2006年
- デビュー作品：『満城尽帯黄金甲』
- 所属事務所：李曼映画スタジオ（海潤映画グループ）
- 公式サイト：李曼官网李曼影视工作室
生い立ち・教育
リー・マン（李曼）は1988年6月4日、中国遼寧省鞍山市に生まれました。鞍山は「共和国の鋼都」として知られる工業都市であり、歴史的にも文化的背景が豊かな地域です。彼女の両親はともにエンジニアで、裕福で安定した家庭環境の中で育ちました。幼少期から家族に愛され、特に両親や祖父母から大切に育てられたことが、彼女の温厚で穏やかな性格形成に影響を与えたと言われています。
6歳の時にダンスを始め、芸術への関心を早くから示しました。11歳で故郷を離れ、瀋陽音楽学院の中等舞踊学校に進学し、6年間にわたり中国舞踊を専攻しました。この時期の厳しい訓練は、彼女の強い意志と努力家の一面を育み、後の演技における身体表現力の基礎となりました。2005年、中等舞踊学校を卒業後、17歳で単身北京へ向かい、芸術系の高等教育を目指しました。中央戯劇学院、北京電影学院、中国伝媒大学の入試に合格する優秀な成績を収めましたが、彼女は中央戯劇学院の演技科（大専）に進学することを選択しました。しかし、文化試験の点数が本科の基準にわずかに届かず、大専課程に入学。父親の「専門学校でも十分」という助言に支えられ、彼女は演技の道を歩み始めました。2008年には中央戯曲学院の本科課程に進み、演技の理論と実践をさらに深めました。この教育背景が、彼女の多様な役柄への適応力とプロ意識を支える基盤となっています。
経歴
リー・マンの女優としてのキャリアは、2006年に張芸謀監督の映画『満城尽帯黄金甲』でのデビューによって始まりました。この作品で彼女は蒋婵役を演じ、周潤発、鞏俐、周杰倫といった大物俳優と共演。まだ17歳の新人ながら、張芸謀に見出され「謀女郎」として一躍注目を集めました。この映画は中国国内で約3億元の興行収入を記録し、世界的にも高い評価を受けた大作です。リー・マンは本作で第17回金鶏百花映画祭の最優秀新人賞にノミネートされ、2006年真維斯エンターテインメント大典の最優秀新人賞、2008年賀歳十年歓楽盛典の最人気映画助演女優賞を受賞。彼女の自然体で魅力的な演技は、観客や批評家から高く評価されました。しかし、蒋婵は脇役であったため、彼女は一気にトップスターにはならず、以降は主にテレビドラマを中心に活動を展開しました。
2007年には初のテレビドラマ『夢幻天堂』で主演を務め、温婉で気品ある孔令儀役を演じました。2008年には『少林僧兵』で日本人女性の一本秀子役を演じるため、体重を7kg減量するなど、役作りへの真剣な姿勢を見せました。同年、『美しい南方』や『江城令』など複数のドラマに出演し、清純で活発な役柄で視聴者の心を掴みました。2010年には映画『人在囧途』で純情な「小三」マン妮役を演じ、喜劇に初挑戦。徐崢や王宝強との共演で新たな演技の幅を示しました。2011年の『黒狐』では冷静で勇敢な女スパイ俞梅役を演じ、彼女の落ち着いた演技が話題に。2012年には『宮鎖珠簾』でゲスト出演し、歴史劇での存在感を発揮しました。
2013年以降、リー・マンはさらに多様なジャンルの作品に挑戦しました。古装劇『唐朝浪漫英雄』では花魁の温恬児役、現代劇『等待綻放』では拜金女の秦冰役を演じ、役柄の幅を広げました。2014年の『新京華煙雲』では悪役の牛素雲を演じ、視聴者から「最も印象的な役」と絶賛されるなど、演技力が高く評価されました。2018年の『天乩之白蛇伝説』では小青役で古装神話劇に挑み、放送開始22時間で再生回数1億回を突破する人気を博しました。2019年の『盗墓筆記II：怒海潜沙&秦嶺神樹』では冷艶な阿寧役でアクションシーンにも挑戦。2020年の『秋蝉』ではスパイの何桜役を演じ、任嘉倫との共演で話題に。
2022年には映画『紅紙鶴』で主演を務め、社会問題をテーマにした作品で深い演技を見せました。2023年には『星漢燦爛』や『愛你七次』など話題作に出演し、安定したキャリアを築いています。
彼女は「謀女郎」の光環を背負いつつも、炒作やスキャンダルを避け、地道に演技を磨く姿勢を貫いています。張芸謀は彼女を「努力家で潜在力のある俳優」と評し、業界内でもそのプロ意識が高く評価されています。2020年には32歳でキャリアの節目を迎え、さらなる飛躍が期待されています。
私生活
リー・マンの私生活は比較的低調で、メディアの注目を避ける傾向があります。彼女はインタビューで「撮影がない時は静かに家族や友人と過ごすのが好き」と述べており、プライベートを大切にする姿勢が伺えます。2007年、彼女がBMWを所有していたことが話題になり、彼女は「両親が購入してくれたもの」と説明し、誤解を解きました。このエピソードからも、彼女が裕福な家庭の支援を受けつつも、自らの努力でキャリアを築いてきたことがわかります。
恋愛面では、2012年に俳優の洪天照（洪金宝の息子）との交際を公表しました。二人は2008年の『少林僧兵』での共演をきっかけに知り合い、撮影中にリー・マンが水泳が苦手で怖がっていた際、洪天照が支えてくれたことが交際のきっかけとなりました。彼の内気な性格とリー・マンの外向的で独立した性格が互いを補い合い、互いに尊敬し合う関係だったとされています。しかし、後に二人は破局し、詳細な理由は公表されていません。また、一部メディアでは彼女と俳優の羅晋との過去の交際が噂されましたが、リー・マン自身はこれについて多くを語らず、プライバシーを守る姿勢を貫いています。彼女は感情を公に利用せず、話題作りを避けることで知られ、こうした姿勢が「芸能界の異端児」とも称される理由です。
趣味としては、音楽鑑賞、読書、乗馬、旅行、ダンス、ピアノ演奏を挙げており、特に乗馬は『満城尽帯黄金甲』のオーディションで彼女が選ばれた要因の一つとも言われています。2012年には個人スタジオ「李曼影視工作室」を設立し、自身のキャリアを主体的に管理する姿勢を示しました。2010年には撮影中の事故で頭部に3cmの傷を負いましたが、縫合を拒否して撮影を続けたエピソードは、彼女のプロ意識とタフさを物語っています。
出演作品
映画
- 2006年『王妃の紋章』（蒋婵役）
- 2007年『看電影』（村姑役）
- 2010年『人在囧途』（曼妮役）
- 2011年『鬼臉児杜興』（雷三娘役）
- 2011年『新少林寺/SHAOLIN』（役柄不明）
- 2012年『女人如花』（徐喬役、別名：絶恋）
- 2016年『情況不妙』（役名不明）
- 2016年『白蛇伝説 ホワイト・スネーク』（狐役）
- 2017年『驚天大翻盤』（師蓉役、ネットワーク映画）
- 2022年『紅紙鶴』（張彤役、ネットワーク映画）
TV
- 2007年『夢幻天堂』（孔令儀役）
- 2008年『少林僧兵』（一本秀子役）
- 2008年『美しい南方』（林暁霞役）
- 2008年『江城令』（何麗役）
- 2009年『孽縁』（玉梅役）
- 2010年『十二生肖伝奇』（雪怜役）
- 2011年『黒狐』（俞梅役）
- 2012年『宮 パレス2 恋におちた女官』（李金桂役、ゲスト出演）
- 2012年『血色桜花』（沈如画役、別名：乱世情縁）
- 2012年『博弈』（畢家琪役）
- 2013年『唐朝浪漫英雄』（温恬児役）
- 2013年『等待綻放』（秦冰役）
- 2014年『血色迷情』（金子役）
- 2014年『新京華煙雲』（牛素雲役）
- 2014年『漢陽造』（江雪役）
- 2014年『怒放』（羅麦役）
- 2016年『致単身男女』（馬春芳役）
- 2016年『大世界』（黄鶯音役）
- 2016年『老媽的桃花運』（施如役）
- 2016年『鉄血軍魂』（淑娟役）
- 2018年『天命 白蛇の伝説』（小青役）
- 2019年『盗墓筆記II：怒海潜沙&秦嶺神樹』（阿寧役）
- 2020年『秋蝉』（何桜役、2017年撮影）
- 2021年『青山遮不住』（路小青役）
- 2021年『御賜小仵作』（許氏役）
- 2021年『中流撃水』（李祗欣役）
- 2021年『光栄与夢想』（役名不明）
- 2021年『春来枕星河』（役名不明）
- 2022年『拆案2』（朱穎役）
- 2023年『星漢燦爛』（役名不明）
- 2023年『愛你七次』（脩華役）
- 2023年『驚天岳雷』（夏雲飛役）
未放送
- 『大唐文宗』（段竺役、2011年撮影）
- 『中国式不婚』（役名不明、2016年撮影）
- 『封神之天啓』（霊尭役、2017年撮影）
- 『一江水』（役名不明、2019年撮影）
結論
リー・マンは、張芸謀監督に見出された「謀女郎」として華々しくデビューし、その後も多様なジャンルの作品で安定したキャリアを築いてきました。ダンスで培った身体表現力と中央戯劇学院での学びを活かし、映画やテレビドラマで幅広い役柄を演じ分けています。プライベートでは低調で誠実な姿勢を貫き、芸能界の喧騒から距離を置く生き方が彼女の魅力の一つです。今後も彼女の新たな挑戦と成長が期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い