『LOGAN/ローガン』(2017年3月3日公開)はヒュー・ジャックマン主演のアクション映画。ミュータントがほぼ絶滅した近未来、老いたローガンが少女を護る壮絶な旅を描く。ダフネ・キーンが演じる少女ラウラ(X-23)が物語の中心を担う女優として際立つ活躍を見せる。
基本情報
- 邦題:LOGAN ローガン
- 原題:Logan
- 公開年:2017年
- 製作国:米国
- 上映時間:138分
- ジャンル:アクション、SF
- 配給:20世紀フォックス映画
女優の活躍
本作では、ダフネ・キーンが演じる少女ラウラ(X-23)が物語の中心を担う女優として際立つ活躍を見せます。キーンは当時11歳という若さながら、感情の機微と激しいアクションを両立させ、ローガンとの絆を力強く表現しました。彼女の演技は、言葉少なめながら目や仕草で深い感情を伝えるもので、特に戦闘シーンでは驚異的な身体能力を発揮。無垢さと野性味を併せ持つラウラのキャラクターを鮮やかに体現し、観客に強い印象を与えました。その他、ガブリエラ役のエリザベス・ロドリゲスも短い出演ながら、物語の重要な鍵を握る役柄で情感豊かな演技を見せ、作品に深みを加えています。両女優の存在感は、男性中心の物語に新たな光を当て、作品のテーマである家族や希望を強調する役割を果たしました。
女優の衣装・化粧・髪型
ダフネ・キーンのラウラは、過酷な環境を反映したシンプルで実用的な衣装が特徴です。主に着古したジーンズ、Tシャツ、フード付きのジャケットを着用し、動きやすさを優先したスタイルが目立ちます。衣装は汚れやほつれが目立ち、逃亡生活の厳しさを表現。色調はグレーやダークカラーで統一され、彼女の孤立感や闘争心を象徴しています。化粧はほぼ施さず、自然な顔立ちを活かし、少女らしい無垢さと戦士の強さを両立させています。髪型は肩までのボブカットで、乱れたままの無造作なスタイルがラウラの野性味を強調。戦闘シーンでは髪が顔にかかることで、彼女の感情の激しさが視覚的に表現されています。エリザベス・ロドリゲスのガブリエラは、看護師としての過去を反映した簡素なシャツとズボンの組み合わせで登場。化粧は控えめで、疲労と緊張感を漂わせるナチュラルなメイクが施され、髪はまとめ髪で実用性を重視。両者の衣装と外見は、作品の荒涼とした世界観と調和し、キャラクターの背景を補強しています。
あらすじ
2029年、ミュータントがほぼ絶滅した世界。ローガン(ヒュー・ジャックマン)は、老いと傷ついた体を抱え、メキシコ国境近くでリムジン運転手として生計を立てながら、衰弱したチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)を密かに匿っています。ある日、謎の女性から少女ラウラ(ダフネ・キーン)を託され、彼女を安全な場所へ送り届けるよう依頼されます。ラウラはローガンの遺伝子から作られたクローンで、アダマンチウムの爪を持つ戦士「X-23」です。しかし、彼女を追う冷酷な組織「リーパーズ」が迫り、ローガンとチャールズはラウラを連れて危険な逃避行に身を投じます。道中、ローガンは自らの過去と向き合い、家族とは何か、希望とは何かを再発見していく。壮絶な戦いと犠牲を経て、彼らはカナダ国境を目指し、ミュータントの未来を懸けた最後の戦いに挑みます。過酷な旅路は、ローガンの人生とヒーローとしての遺産を問い直す物語です。
解説
『LOGAN/ローガン』は、X-MENシリーズの集大成として、従来のスーパーヒーロー映画の枠を超えた作品です。監督ジェームズ・マンゴールドは、西部劇やロードムービーの要素を取り入れ、ヒーロー像を人間臭く、かつ哀愁漂う形で再構築しました。本作は、暴力描写の激しさからR指定を受け、従来のシリーズよりもリアルで容赦ない戦闘シーンが特徴。ローガンの老いやチャールズの衰弱は、ヒーローの脆弱さと人間性を強調し、観客に深い共感を呼び起こします。物語の中心にあるのは、家族と贖罪のテーマ。ラウラとの関係を通じて、ローガンは自身の過去の罪と向き合い、父親としての役割を見出します。ダフネ・キーンの鮮烈な演技は、新世代のミュータントの希望を象徴し、シリーズの未来を暗示します。映像美も際立ち、荒涼とした風景と血生臭いアクションが、物語の重厚さを引き立てます。音楽はマルコ・ベルトラミによるもので、哀愁漂うメロディが作品のトーンを補強。興行的にも成功し、批評家からは「ヒーロー映画の新たな金字塔」と高く評価されました。本作は、ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン役の最終章として、感動的かつ壮絶な締めくくりを提供しています。
キャスト
- ヒュー・ジャックマン:ローガン(ウルヴァリン)。老いたミュータントの戦士で、肉体的・精神的に疲弊している。
- パトリック・スチュワート:チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)。衰弱したテレパシー能力者で、ローガンの保護者。
- ダフネ・キーン:ラウラ(X-23)。ローガンのクローンである少女で、強力な戦闘能力を持つ。
- ボイド・ホルブルック:ピアース。ラウラを追う組織「リーパーズ」のリーダー。
- スティーヴン・マーチャント:キャリバン。ローガンを支えるミュータントで、陽光に弱い。
- エリザベス・ロドリゲス:ガブリエラ。ラウラを保護する看護師で、物語のきっかけを作る。
- リチャード・E・グラント:ゼンダー・ライス。ラウラの創造に関わる冷酷な科学者。
スタッフ
- 監督:ジェームズ・マンゴールド『アイデンティティー』
- 脚本:ジェームズ・マンゴールド、スコット・フランク、マイケル・グリーン
- 製作:ヒュー・ジャックマン、サイモン・キンバーグ、ローレン・シュラー・ドナー
- 撮影:ジョン・マシソン
- 編集:マイケル・マッカスカー、ダーク・ウェスターヴェルト
- 音楽:マルコ・ベルトラミ
- 製作会社:20世紀フォックス、マーベル・エンターテインメント
レビュー 作品の感想や女優への思い