『ブラック・スコルピオン』は、1995年にアメリカで製作されたスーパーヒーローコメディ映画。ジョーン・セヴェランス演じる刑事ダーシー・ウォーカーは、父の殺害をきっかけに停職となり、秘密のアイデンティティとしてブラック・スコルピオンに変身します。
彼女は技術者のアーガイルの助けを借り、特殊な車やガジェットを使って犯罪者と戦います。主な敵は喘息の狂気の科学者ブレスティカーで、市街を毒ガスで汚染しようと企てます。キャンピーなスタイルで描かれ、コミックブックのようなユーモアが特徴です。
基本情報
- 邦題：ブラック・スコルピオン
- 原題：BLACK SCORPION
- 公開年：1995年
- 製作国・地域：アメリカ
- 上映時間：92分
- ジャンル：アクション
女優の活躍
本作『ブラック・スコルピオン』の主演女優であるジョーン・セヴェランスは、ダーシー・ウォーカーおよびブラック・スコルピオンを演じています。彼女の活躍は、映画の中心をなすものであり、刑事としての捜査活動からスーパーヒロインとしてのアクションシーンまで多岐にわたります。ダーシーは父の死に直面し、警察から追放された後、復讐と正義のために変身します。セヴェランスは武術や敏捷性を活かした戦闘シーンで活躍し、犯罪者を蹴散らしたり、殴り倒したりする姿が印象的です。
特に、ブラック・スコルピオンとして登場する場面では、特殊なリングから得る電気的な力で強化され、悪役のブレスティカーと対決します。彼女の演技は、木訥とした台詞回しながらも、魅力的なボディラインと力強いアクションで観客を引きつけます。映画のキャンピーな雰囲気にマッチし、セクシーで強い女性像を体現しています。レビューでは、彼女の存在が映画の魅力の大部分を占めると評価されており、B級映画らしい楽しさを提供します。
また、売春婦に変装するシーンや、恋人との関係を描く場面でも、ダーシーの内面的な葛藤を表現しています。セヴェランスの身体能力が活かされ、ハイヒールのブーツを履きながらの格闘シーンは現実離れしたコミカルさを生み出しています。
全体として、彼女の活躍はスーパーヒーロー映画の定番を女性視点で再解釈したものと言えます。低予算ながらも、彼女の魅力が映画を支えています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジョーン・セヴェランス演じるブラック・スコルピオンは、非常にセクシーで露出度の高い衣装が特徴です。黒いバスティエを基調とし、スパイクヒールの太もも丈のブーツ、フィッシュネットのストッキング、長めの黒い肘丈のPVCグローブ、光沢のあるPVC素材の胸元が目立ちます。マスクはキャットウーマン風のスタイルで、顔を部分的に隠し、神秘性を高めています。この衣装はソフトコアなS&M要素を思わせ、最小限の布地でデザインされており、彼女の美しいボディラインを強調します。
化粧については、ダーシーとして刑事の時はナチュラルメイクが中心ですが、ブラック・スコルピオン時にはダークでシャープなアイメイクとリップが施され、強い印象を与えます。
髪型はロングヘアをストレートに下ろすことが多く、アクションシーンでは風になびく様子がダイナミックです。売春婦に変装するシーンでは、より派手なメイクとウィッグ風のスタイリングが見られます。この衣装とメイクは、映画のキャンピーなユーモアを増幅し、ヒロインのセクシーさを最大限に引き出しています。
レビューでは、この衣装が現実的でないながらも魅力的だと指摘され、彼女の足元がハイヒールで戦う姿がコミカルに描かれています。他の女性キャラクター、例えば売春婦のテンダー・ラヴィンも、派手な衣装とメイクで登場しますが、主役のセヴェランスのものが最も注目を集めます。
あらすじ
物語は、ロサンゼルスを舞台に展開します。刑事のダーシー・ウォーカーは、父親がバーでの銃撃事件で殺害された後、犯人を追う中で停職処分を受けます。彼女は父から受け継いだサソリのリングの力で強化され、ブラック・スコルピオンとして夜の街をパトロールします。パートナーのマイケル・ルッソには秘密にしつつ、元窃盗犯のアーガイルの助けを借り、形を変える特殊車「スコーピオン・モービル」を駆使します。主な敵は喘息持ちの狂気の科学者ドクター・ゴダード、通称ブレスティカーです。彼は市の空気を毒ガスで汚染する計画を立て、弟子たちと共に犯罪を繰り返します。
ダーシーは売春婦に変装して潜入捜査を行い、ブレスティカーのアジトを探ります。途中で、警察のキャプテン・ストリックランドから追われながらも、ブレスティカーの陰謀を阻止しようとします。アーガイルの技術ガジェットが活躍し、コミックブック風のナレーションが物語を彩ります。
クライマックスでは、毒ガス爆弾の爆発を防ぐために激しい戦闘が繰り広げられます。ダーシーは自身の過去と向き合い、正義を貫きます。映画はユーモラスに終わり、続編を示唆します。
このあらすじは、低予算のB級映画らしい荒唐無稽な要素が満載です。
解説
『ブラック・スコルピオン』は、ロジャー・コーマン製作のテレビ映画として、ショータイムで放送されました。1960年代のバットマンTVシリーズを思わせるキャンピーなスタイルが特徴で、スーパーヒーロー映画のパロディ要素が強いです。低予算ながら、コミックブックのような過剰なキャラクターとイベントで楽しませます。
監督のジョナサン・ウィンフリーは、B級映画らしいテンポの良い演出を施し、脚本のクレイグ・J・ネヴィウスは女性版スーパーマンやスパイダーマン、バットマンを目指しました。音楽のケヴィン・キナーは、美しく印象的なテーマ曲を提供しています。批評では、台詞の陳腐さやセヴェランスの演技の硬さを指摘する声がありますが、彼女の魅力と衣装のセクシーさが映画の救いとなっています。DVDトークのレビューでは、馬鹿馬鹿しい楽しさを評価し、TVガイドは雰囲気の揺らぎを批判しつつ、テーマ曲を称賛します。シネマ・オン・ザ・ロックスは脚本の鋭さとペーシングを褒め、全体としてB級映画のファン向けの作品です。リセプションは賛否両論ですが、チーズィーで満足感のあるエンターテイメントとして位置づけられます。
この映画は、女性ヒロインのエンパワーメントをテーマにしつつ、ソフトコア的な要素を加味したユニークな存在です。続編やTVシリーズも製作され、カルト的な人気を博しています。
キャスト
- ジョーン・セヴェランス – ダーシー・ウォーカー / ブラック・スコルピオン
- ブルース・アボット – マイケル・ルッソ（ダーシーのパートナー）
- ガレット・モリス – アーガイル（技術者、元窃盗犯）
- ケイシー・シーマシュコ – ドクター・ゴダード / ブレスティカー（悪役の科学者）
- リック・ロソヴィッチ – ウォーカー（ダーシーの父）
- スティーブン・リー – キャプテン・ストリックランド（警察署長）
- テリ・J・ヴォーン – テンダー・ラヴィン（売春婦の友人）
- アシュリー・ペルドン – リトル・ダーシー（幼少期のダーシー）
- ロザンナ・ミシェルズ – ベイブス・イン・トイランド（レスラー）
- キム・デラニー – ベイブス・イン・トイランド（レスラー）
スタッフ
- 監督 – ジョナサン・ウィンフリー
- 脚本 – クレイグ・J・ネヴィウス
- 製作総指揮 – ロジャー・コーマン
- 製作 – マイク・エリオット
- 音楽 – ケヴィン・キナー
- 撮影 – ジェフ・ジョージ
- 編集 – トム・ピーターセン、グウィネス・ギビー
- 特殊衣装デザイン – マイケル・バーネット
- 衣装アシスタント – リナ・ムーア、タミ・モア
レビュー 作品の感想や女優への思い