1991年に製作された映画『ウルガ』は、ニキータ・ミハルコフ監督によるフランス・ソ連合作ドラマ。内モンゴルの広大な草原を舞台に、モンゴル人羊飼いのゴンボとロシア人トラック運転手のセルゲイの出会いと友情を描きます。
異文化の交流を通じて、伝統的な生活と現代の影響を詩的に表現します。モンゴル語、ロシア語、中国語が用いられ、美しい風景が印象的です。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。上映時間は119分です。
基本情報
- 邦題:ウルガ
- 原題:URGA
- 英題:Close to EDEN
- 公開年:1991年
- 製作国・地域:フランス
- 上映時間:119分
女優の活躍
本作『ウルガ』の主な女優は、バデマが演じるパグマです。パグマはゴンボの妻として、家族の中心的な役割を果たします。バデマはモンゴル出身の女優で、この映画が国際的なデビュー作となりました。彼女の演技は、自然で力強く、遊牧民の日常をリアルに体現します。特に、家族の絆や伝統的な価値観を守る姿勢が、観客に強い印象を与えます。
バデマの活躍は、異文化の対立と調和を象徴するシーンで際立ちます。例えば、セルゲイが訪れた際のもてなしや、市街地での出来事を通じて、彼女の内面的な葛藤を繊細に表現します。この役柄により、バデマは国際映画祭で注目を集め、以後のキャリアに繋がりました。彼女の演技は、言葉を超えた表情と仕草で物語を豊かにします。
また、ボウルマ役のバオ・ヨンヤンも、ゴンボの娘として活躍します。彼女はアコーディオンを演奏するシーンで、家族の温かさを象徴します。子供らしい無邪気さと、伝統音楽を通じた文化の継承を自然に演じ、物語に活気を与えます。これらの女優たちは、非職業俳優が多い中、プロフェッショナルなパフォーマンスを発揮します。
全体として、女優たちの活躍は、モンゴルの女性の強さと優しさを描き出し、映画のテーマを深めます。バデマの存在感は特に大きく、批評家から高い評価を受けました。彼女の演技は、静かな力強さで観客を引き込みます。
女優の衣装・化粧・髪型
バデマ演じるパグマの衣装は、伝統的なモンゴルのデルと呼ばれるローブが中心です。この衣装は、鮮やかな色合いと刺繍が施され、遊牧生活に適した機能性を備えています。草原での日常シーンでは、動きやすいデザインが強調され、家族の労働を象徴します。
化粧は最小限で、自然な肌の質感を活かします。日焼けした肌や、風にさらされた表情がリアルに描かれ、人工的なメイクは避けられています。これにより、パグマの素朴さと強さが際立ちます。髪型は長髪を三つ編みにまとめ、頭巾や帽子を組み合わせます。このスタイルは、モンゴル女性の伝統を反映し、風や作業に耐える実用性を考慮しています。
ボウルマの衣装も同様に、子供用のデルを着用します。化粧はほとんどなく、無垢な少女らしさを保ちます。髪型はシンプルなポニーテールや編み込みで、遊び心を感じさせます。これらの要素は、映画のドキュメンタリー的なリアリズムを高めます。
全体の女優のスタイリングは、モンゴルの文化を尊重し、現代的な影響を最小限に抑えています。これにより、観客は本物の遊牧生活を体感します。
あらすじ
内モンゴルの広大な草原で、羊飼いのゴンボは妻のパグマ、3人の子供たち、そして母親と共にユルタで暮らしています。中国の家族計画政策により、4人目の子供を避けるため、ゴンボは避妊具を買うために市街地へ向かいます。しかし、道中でロシア人トラック運転手のセルゲイと出会います。セルゲイのトラックが川に落ち、ゴンボが彼を助けます。
セルゲイはゴンボの家族に迎え入れられ、羊の屠殺と食事のシーンで文化の違いに驚きます。家族はセルゲイをもてなし、ゴンボの娘ボウルマがアコーディオンを演奏します。セルゲイはかつての軍楽隊員として、戦争の記憶を語ります。一方、ゴンボの酔った親戚が現れ、シルベスター・スタローンのポスターを渡します。
市街地に着いたゴンボは、避妊具を買うはずが街の喧騒に迷います。セルゲイは恋人と再会し、ナイトクラブで歌を披露しますが、逮捕されてしまいます。ゴンボの叔父が保釈し、ゴンボは自転車とテレビを買って帰ります。夢の中で、親戚がチンギス・ハーンとして現れ、伝統を思い起こします。
家に戻ったゴンボは、家族と新しい物を楽しみます。しかし、パグマは避妊具がないことに悲しみます。彼女は草原へ行き、ウルガの棒を立ててゴンボを誘います。二人は結ばれ、4人目の息子が誕生します。物語は、息子のナレーションで終わり、ウルガの棒が煙突に変わる象徴的なシーンで締めくくります。
解説
『ウルガ』は、異文化の出会いをテーマに、伝統と現代の対比を描いた作品です。監督のニキータ・ミハルコフは、モンゴルの美しい風景を活かし、詩的な映像で観客を魅了します。ゴンボの家族の生活は、遊牧民の純粋さと自然との調和を象徴します。一方、セルゲイの存在は、都市化と西洋文化の影響を表します。
映画はドキュメンタリー的な要素を交え、非職業俳優の使用でリアリズムを高めます。特に、言語の多様性(モンゴル語、ロシア語、中国語)が、文化の多層性を強調します。ウルガの棒は、領土や愛の象徴として繰り返し登場し、物語の核心を成します。
受賞歴として、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、ヨーロッパ映画賞作品賞を受賞しました。アカデミー賞とゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされ、批評家から高い評価を得ました。Rotten Tomatoesでは100%の支持率です。この成功は、ミハルコフの国際的な地位を確立しました。
テーマ的には、グローバル化による伝統の喪失を警告します。テレビの登場や、夢のチンギス・ハーンは、過去の栄光と現在の変化を対比します。ユーモアと感動が融合し、普遍的な人間性を描きます。環境問題や家族の絆も、現代的な視点から考察されます。
映像美は、撮影監督ヴィレン・カルタの功績です。広大な草原の長回しが、自由と孤独を表現します。音楽のエドゥアルド・アルテミエフは、民族的なメロディーで情感を深めます。全体として、平和で瞑想的なトーンが特徴です。
https://www.imdb.com/title/tt0103176/
キャスト
- パグマ(ゴンボの妻)・チンギス・ハーンの妻:バデマ
- ゴンボ:バヤルト
- セルゲイ(ロシア人トラック運転手):ウラジミール・ゴストゥーヒン
- バイヤルトゥ(地元の変わり者)・チンギス・ハーン:バオインヘシゲ
- ボウルマ(ゴンボの娘):バオ・ヨンヤン
- ブーイン(ゴンボの息子):ウリニレ
- バブーシュカ(ゴンボの母親):バブーシュカ
- ワン・ビャオ(ピアニスト):ワン・ビャオ
- バオ・ジンシェン:バオ・ジンシェン
- ニコライ(セルゲイの友人):ニコライ・ヴァシチリン
- マリナ(セルゲイの妻):ラリサ・クズネツォワ
- スタニスラス:ジョン・ボチンスキー
- 自転車乗り:ニキータ・ミハルコフ
スタッフ
- 監督:ニキータ・ミハルコフ
- 脚本:ルスタム・イブラギムベコフ、ニキータ・ミハルコフ
- 原案:ルスタム・イブラギムベコフ、ニキータ・ミハルコフ
- 製作:ミシェル・セイドゥー
- 製作総指揮:ジャン=ルイ・ピエール
- 音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
- 撮影:ヴィレン・カルタ
- 編集:ジョエル・アッシュ
- 配給:ミラマックス(北米)、シネセゾン(日本)
- 製作国・地域:フランス・ソ連




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