1992年のイタリア映画「エッチなだけじゃダメかしら?」(原題:Ostinato Destino)は、裕福な母親の遺産を巡る子供たちのドタバタを描いたドラマです。
双子の姉妹を演じるモニカ・ベルッチの魅力が光り、陰謀と恋愛が交錯します。遺産条件の結婚と出産をめぐるブラックユーモア満載の作品で、90分の上映時間にエロティックな要素も加わっています。
基本情報
- 邦題:エッチなだけじゃダメかしら?/モニカ・ベルッチの エッチなだけじゃダメかしら?
- 原題:OSTINATO DESTINO
- 公開年:1992年
- 製作国・地域:イタリア
- 上映時間:90分
- ジャンル:ドラマ
女優の活躍
映画『エッチなだけじゃダメかしら?』では、モニカ・ベルッチが双子の姉妹マリーナとアンジェラを演じ、主役として大活躍しています。彼女はキャリア初期の作品で、悪女と善女の二役を巧みに演じ分け、観客を魅了します。マリーナ役では金目当ての冷徹な女性を体現し、殺人未遂や欺瞞を繰り返す姿が印象的です。一方、アンジェラ役では純粋で優しい性格を表現し、主人公マルチェッロとの本物の恋愛を展開します。
ベルッチの演技は、単なる美貌頼みではなく、表情や仕草で二人の違いを明確に描き出しています。特に、双子を入れ替わるシーンでは、微妙なニュアンスの変化が見どころです。彼女の存在感が映画全体を支え、イタリア映画界での地位を確立するきっかけとなりました。他の女優として、アンジェラ・フィノッキアーロがボス気質の姉ルクレツィアを演じ、家族の対立を強調します。ラウレッタ・マシエロは母親カロリーナ役で、厳格な遺言を残す人物として存在感を発揮します。
クリスティーナ・エンジェルハートはレジーナ役で物語の脇を固め、家族の陰謀に絡みます。ベアトリス・クルーガーはアンナ役として、補助的な活躍を見せます。
これらの女優たちは、ベルッチの双子役を引き立てる形で、コミカルなドラマを盛り上げています。全体として、女優陣の多様な演技が、遺産争いのカオスを生き生きと描いています。
女優の衣装・化粧・髪型
モニカ・ベルッチの衣装は、多彩で魅力的です。マリーナ役では、セクシーなドレスやタイトなスカートを着用し、金目当ての誘惑的なイメージを強調します。アンジェラ役では、シンプルなブラウスやスカートが多く、純粋さを表しています。特に、スノーホワイトのコスチュームを着たシーンは、幻想的で印象的です。異なるスタイルの衣装が、双子の区別を視覚的に助けています。
化粧については、自然で洗練されたものが中心です。マリーナは赤いリップや強調されたアイメイクで妖艶さを出し、アンジェラはナチュラルメイクで優しさを演出します。髪型はロングヘアが基本で、マリーナはウェーブをかけたセクシーなスタイル、アンジェラはストレートやポニーテールで清純さを表現します。これらの要素が、彼女の美貌を最大限に引き立てています。
他の女優の衣装は、ルクレツィア役のアンジェラ・フィノッキアーロがビジネスライクなスーツを着用し、ボスらしい雰囲気を醸し出します。母親カロリーナ役のラウレッタ・マシエロは、クラシックなドレスで威厳を保っています。全体的に、1990年代イタリア風のファッションが、物語のコミカルさを高めています。
あらすじ
裕福なカロリーナ・ランバルディは、3人の子供たちに不満を抱いています。長男マルチェッロは怠け者、次女ルクレツィアは高飛車でテレビ番組のプロデューサー、長男チェザーレは同性愛者で悪辣な社会学者です。カロリーナは遺言で、1年半以内に結婚して子供をもうけた者に全財産を譲ると宣言し、死去します。これにより、子供たちは遺産争いに奔走します。
マルチェッロは、橋から飛び降りようとする美しい女性マリーナと出会います。彼女を救おうとして自分も落ち、軽い脳震盪を起こしますが、マリーナに魅了されます。マリーナは金目当ての詐欺師で、マルチェッロの遺産を知り、結婚を承諾します。結婚後、彼女は夫を殺そうと何度も試みますが失敗します。妊娠が必要と知り、情熱的に迫りますが、流産してしまいます。
マリーナの双子の妹アンジェラが、ドイツのクリニックで胚移植を提案します。マリーナはアンジェラに入れ替わらせ、自分は密かに手術を受けます。アンジェラはマリーナのふりをしますが、マルチェッロの恐怖や兄弟たちの陰謀を知りません。マルチェッロは「新しいマリーナ」(アンジェラ)に本物の愛を感じ、互いに惹かれ合います。マリーナが戻り、複雑な状況になります。
物語は爆破事件や胚の入った球体が階段を転がる奇抜な展開で終わり、ベルッチ演じるキャラクターがスノーホワイトの衣装で追われるシーンがコミカルです。遺産争いのドタバタが、ブラックユーモアで描かれます。
解説
映画『エッチなだけじゃダメかしら?』は、1992年のイタリア製ドラマで、ジャンルはコメディ寄りの作品です。遺産を巡る家族の陰謀を軸に、双子の入れ替わりという古典的なモチーフを活用しています。エロティックなシーンが多く、モニカ・ベルッチの美貌が物語の中心です。イタリア映画らしい軽快さと風刺が特徴で、裕福な家族の醜態をユーモラスに描いています。
監督のアンドレア・フラッツィとアントニオ・フラッツィ兄弟は、テレビ映画を中心に活躍し、本作でコミカルな人間ドラマを展開します。脚本は家族の欲望と欺瞞を強調し、現代の金銭問題を風刺しています。ベルッチの双子役は、善悪の対比が明確で、演技の幅を示しています。公開当時は、ベルッチのデビュー間もない時期で、彼女のスター性を予感させる作品です。
視覚的には、1990年代のイタリアファッションやセットが魅力です。エロティック要素が強いため、成人向けですが、ユーモアが軽減しています。テーマは運命の頑なさ(原題の意味)で、偶然と陰謀が交錯します。全体として、娯楽性が高く、ベルッチファン必見の映画です。
文化的には、イタリアの家族観や遺産相続を風刺し、国際的にカルト的な人気があります。90分の短さでテンポ良く進み、意外な結末が楽しめます。
キャスト
- モニカ・ベルッチ:マリーナ / アンジェラ
- アレッサンドロ・ガスマン:マルチェッロ・ランバルディ
- アンジェラ・フィノッキアーロ:ルクレツィア・ランバルディ
- マリーノ・マセ:チェザーレ・ランバルディ
- ラウレッタ・マシエロ:カロリーナ・ランバルディ
- グスタヴォ・フリジェリオ:不明
- アルマンド・フランシオリ:不明
- クリスティーナ・エンジェルハート:レジーナ
- ベアトリス・クルーガー:アンナ
スタッフ
- 監督:アンドレア・フラッツィ
- 監督:アントニオ・フラッツィ
- 脚本:グロリア・マラテスタ
- 脚本:フランコ・マルコッタ
- 製作:不明
- 音楽:不明
- 撮影:不明
- 編集:不明



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