1991年公開の伊仏白合作映画『夜ごとの夢/イタリア幻想譚』は、トニーノ・グエッラの短編小説を基にしたオムニバス作品。イタリア北部の田舎を舞台に、奇妙な出会いや家族の秘密、愛の揺らぎを描きます。ジュゼッペ・トルナトーレら3人の監督が各話を担当し、エンニオ・モリコーネの美しい音楽が幻想的な雰囲気を高めています。上映時間89分の日本版では3話構成。日常のささやかな出来事に潜む人間ドラマが魅力的な作品です。
基本情報
女優の活躍
『夜ごとの夢/イタリア幻想譚』で活躍する女優陣は、それぞれのエピソードで独特の存在感を示しています。
オルネラ・ムーティは「特別な日曜日」で、若く魅力的な女性アンナを演じ、偶然出会った男性との微妙な感情の揺らぎを繊細に表現します。彼女の演技は、静かな魅力と内面的な葛藤を自然に伝え、観客を引き込みます。
ニコレッタ・ブラスキも同エピソードで重要な役を務め、カップルの一員として複雑な関係性を体現します。彼女の控えめながらも存在感のある演技が、物語の緊張感を増幅させています。
キアラ・カセッリは「炎の中の雪」で新婚の嫁を演じ、姑の視線にさらされる微妙な心理を丁寧に描き出します。マッダレーナ・フェリーニは姑役で、孤独と好奇心の入り混じった複雑な感情を深く表現し、情感豊かな演技を見せています。
これらの女優たちは、短いエピソードの中でそれぞれのキャラクターの内面を豊かに掘り下げ、作品全体の人間ドラマを支えています。イタリア映画らしい情熱と繊細さが融合した演技が印象的です。
女優の衣装・化粧・髪型
女優たちの衣装は、イタリアの田舎らしい素朴でエレガントなものが中心です。オルネラ・ムーティは軽やかなワンピースやシンプルなブラウスを着用し、動きやすい日常着が彼女の自然な美しさを引き立てます。化粧はナチュラルで、控えめなリップと目元を強調したメイクが、優しい表情を際立たせています。髪型はウェーブのかかったロングヘアを自然に下ろし、風になびく様子が幻想的な雰囲気にマッチします。
ニコレッタ・ブラスキも同様にカジュアルな夏服をまとい、軽いメイクとストレートまたは軽く巻いた髪型で若々しさを表現しています。キアラ・カセッリは新婚らしい清楚なドレスやナイトウェアを着こなし、薄い化粧と柔らかな髪型が、繊細な心情を視覚的に支えています。
マッダレーナ・フェリーニは年配らしい落ち着いた服装と自然なメイク、短めまたはまとめ髪のスタイルで、日常の孤独感を体現します。これらのビジュアルは、物語の詩的な世界観をより豊かにしています。
あらすじ
『夜ごとの夢/イタリア幻想譚』は3つのエピソードからなります。第一話「青い犬」は、靴の修理人兼床屋を営む中年独身の男性アムレト(フィリップ・ノワレ)が、顔に青いペンキの染みがついた野良犬に執拗に付きまとわれる様子を描きます。最初は犬を嫌がるアムレトですが、次第に奇妙な絆が生まれ、予想外の結末を迎えます。
第二話「特別な日曜日」は、偶然出会った中年の男性(ブルーノ・ガンツ)と若いカップル(オルネラ・ムーティ演じるアンナとそのパートナー)の間で展開する愛の物語です。男性がアンナに惹かれ、微妙な誘惑が交錯する中で、関係性が変化していきます。
第三話「炎の中の雪」は、新婚の息子夫婦の寝室を毎夜覗き見する姑(マッダレーナ・フェリーニ)と、嫁(キアラ・カセッリ)の心情を描きます。孤独な姑の好奇心と、気づいた嫁の複雑な感情が交錯し、家族の秘密が明らかになります。
解説
オムニバス映画『夜ごとの夢/イタリア幻想譚』はトニーノ・グエッラの短編を基に、日常のささやかな出来事を幻想的に昇華させたオムニバスです。各監督の個性が反映され、トルナトーレの温かみのあるタッチ、ベルトルッチの心理描写、ジョルダーナの情感豊かな演出が融合しています。イタリア共和国の美しい田舎風景とエンニオ・モリコーネのメロディーが、夢のような雰囲気を醸し出します。
テーマは愛、孤独、奇妙な出会いなど、人間関係の微妙な機微です。日本版では89分にまとめられ、プロローグやエピローグが物語を繋ぐ役割を果たしています。軽やかでありながら深みのある作品で、観る者に静かな余韻を残します。
1990年代初頭のイタリア映画らしい詩情とリアリズムのバランスが秀逸です。女優陣の自然な演技とビジュアルが、幻想譚の魅力を高めています。
キャスト
- フィリップ・ノワレ(「青い犬」アムレト)
- オルネラ・ムーティ(「特別な日曜日」アンナ)
- ブルーノ・ガンツ(「特別な日曜日」)
- ニコレッタ・ブラスキ(「特別な日曜日」)
- キアラ・カセッリ(「炎の中の雪」嫁)
- マッダレーナ・フェリーニ(「炎の中の雪」姑)
- アンドレア・プロダン
- ジャン=ユーグ・アングラード
スタッフ
- 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ(「青い犬」)
- 監督:ジュゼッペ・ベルトルッチ(「特別な日曜日」)
- 監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ(「炎の中の雪」)
- 原作・脚本:トニーノ・グエッラ
- 音楽:エンニオ・モリコーネ、アンドレア・グエッラ
- 製作:イタリア、フランス、ベルギー共同製作




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