映画『愛してる、愛してない…』は2002年に公開されたフランスの心理ドラマ。オードリー・トトゥが美術学生のアンジェリックを演じます。既婚の心臓専門医ロイックに執着する彼女の物語ですが、視点が変わることで真実が明らかになります。エロトマニアをテーマに、非線形の語りで描写。愛の狂気を巡るスリラー要素が強いです。
基本情報
- 邦題:愛してる、愛してない…
- 原題:A LA FOLIE…PAS DU TOUT
- 公開年:2002年
- 製作国・地域:フランス
- 上映時間:96分
- ジャンル:ドラマ
女優の活躍
映画『愛してる、愛してない…』で主演を務めるオードリー・トトゥは、アンジェリックという複雑なキャラクターを鮮やかに演じています。彼女は前作『アメリ』で可愛らしいイメージを確立しましたが、ここではそのイメージを逆手に取り、愛の妄想に囚われた女性の狂気を表現します。批評家からは、彼女の演技が映画の最大の魅力だと評価されています。
特に、物語の前半では無垢で魅力的な女性として描かれ、後半では危険なストーカーとして変貌する様子を、微妙な表情の変化で体現します。オードリー・トトゥの瞳の演技が際立ち、観客を魅了しながらも不安にさせます。この役を通じて、彼女の演技の幅広さが証明されました。
国際的に注目された本作は、オードリー・トトゥのキャリアにおいて重要な転機となりました。彼女の自然な魅力が、キャラクターの二面性を強調し、映画のテーマを深めています。多くのレビューで、彼女の演技が予測不能なストーリーを支えていると称賛されています。
女優の衣装・化粧・髪型
オードリー・トトゥ演じるアンジェリックは、美術学生らしいカジュアルで芸術的な衣装を着用します。物語の前半では、明るい色のブラウスやスカート、軽やかなドレスが多く、恋する女性の無垢さを表しています。後半では、よりシンプルで暗めの服装に移行し、精神的な混乱を象徴します。
化粧はナチュラルで、大きな瞳を強調した軽いアイメイクと、ピンク系のリップが特徴です。彼女の自然な美しさを活かし、物語が進むにつれてメイクが乱れ、狂気を視覚的に表現します。全体的に、控えめながらも魅力的なメイクアップが施されています。
髪型はショートボブで、ピクシー風の可愛らしいスタイルです。髪を軽くウェーブさせたり、耳にかけるシーンが多く、キャラクターの若さと活発さを強調します。物語の進行で髪が乱れる描写が、心理的な崩壊を効果的に示しています。このヘアスタイルは、彼女の顔立ちを際立たせ、役柄にぴったりです。
あらすじ
美術学生のアンジェリックは、既婚の心臓専門医ロイックに深く恋をします。彼女はピンクのバラを彼に贈り、関係が順調だと信じています。友人ダヴィッドの反対を押し切り、アンジェリックはロイックが妻レイチェルを離れると確信します。しかし、レイチェルが流産した後、ロイックは妻のもとに戻ります。
アンジェリックは絶望し、仕事と奨学金を失います。ロイックが患者のソニア・ジャスミンへの暴行で逮捕されたことを知り、彼女はソニアを説得しようとしますが、争いの末にソニアが心臓発作で亡くなります。アンジェリックは現場を強盗に見せかけますが、ロイックは殺人容疑で逮捕されます。
アンジェリックはロイックがレイチェルと抱き合う姿を見て自殺を図ります。ここで物語は巻き戻り、ロイックの視点から再構築されます。ロイックはアンジェリックをほとんど知らず、匿名で贈られるプレゼントに困惑します。レイチェルの流産はアンジェリックの仕業でした。
ロイックはソニアをストーカーだと誤解し暴行しますが、後に殺人容疑で逮捕されます。しかし、レイチェルのアリバイで無罪となります。アンジェリックの家で彼女の自殺を救ったロイックは、自身を模したモザイクを発見します。彼女に襲われ負傷しますが、アンジェリックは逮捕され、エロトマニアと診断されます。
数年後、ロイックとレイチェルは子供たちと暮らしますが、アンジェリックは出所後も妄想を抱き続けます。彼女は薬を飲まず、ピルでロイックのモザイクを作ります。映画はエロトマニアの引用で終わります。
解説
テーマと構造
映画『愛してる、愛してない…』はエロトマニアという精神疾患をテーマに、愛の妄想がもたらす破壊を描きます。非線形の語り手と信頼できないナレーターの手法が用いられ、前半はアンジェリックの視点、後半はロイックの視点で物語が再構築されます。これにより、観客の認識がひっくり返されます。
監督のレティシア・コロンバニは、デビュー作で巧みなストーリーテリングを示します。愛の理想と現実のギャップを強調し、心理スリラーとして緊張を保ちます。フランス映画らしい洗練された映像と音楽が、物語の二面性を高めています。
批評と影響
批評家からは、オードリー・トトゥの演技が高く評価され、彼女のキャリアを広げました。一方で、物語の予測可能性を指摘する声もあります。映画は『ファタル・アトラクション』や『シックス・センス』に影響を受け、ジャンルシフトを効果的に用いています。
エロトマニアの描写は現実的で、精神疾患への理解を促します。視覚的な工夫、例えばモザイクのモチーフが、キャラクターの内面を象徴します。本作は、愛の狂気を巡る普遍的なテーマを、フランス独特のロマンティシズムで表現します。
文化的文脈
2002年のフランス映画として、ポスト・アメリの文脈で注目されました。オードリー・トトゥのイメージ転換が成功し、国際的に上映されました。テーマの深さとサスペンスが、観客に強い印象を残します。全体として、心理ドラマの傑作です。
キャスト
- オードリー・トトゥ:アンジェリック
- サミュエル・ル・ビアン:ロイック・ル・ガレック
- イザベル・カレ:レイチェル
- クレマン・シボニー:ダヴィッド
- ナタリー・クレブス:ソニア・ジャスミン
- ソフィー・ギルマン:エロイーズ
- エリック・サヴァン:ジュリアン
スタッフ
- 監督:レティシア・コロンバニ
- 脚本:レティシア・コロンバニ、カロリーヌ・ティヴェル
- 製作:ドミニク・ブルネール、シャルル・ガッソ
- 音楽:ジェローム・クーレ
- 撮影:ピエール・エイム
- 編集:ヴェロニク・パルネ
- 美術:ジャン=マルク・カディヨン



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