アン・バンクロフト(Anne Bancroft)は米国の女優。舞台、映画、テレビで活躍し、アカデミー賞、トニー賞、エミー賞などを受賞した演技派として知られています。特に『奇跡の人』でのアン・サリヴァン役でアカデミー主演女優賞を受賞し、『卒業』でのミセス・ロビンソン役で印象を残しました。方法演技を学び、多様な役柄を演じ分け、演劇の三冠を達成した偉大な女優です。
プロフィール
- 名前:アン・バンクロフト(Anne Bancroft)
- 本名:Anna Maria Louise Italiano
- 生年月日:1931年9月17日
- 没年月日:2005年6月6日(73歳没)
- 出生地:アメリカ合衆国ニューヨーク・ブロンクス区
- 職業:女優
- 配偶者:Martin May(1953-1957年)、メル・ブルックス(1964-2005年)
- 著名な家族:マックス・ブルックス(息子)
生い立ち・教育
アン・バンクロフトは、1931年9月17日、ニューヨーク市ブロンクス区に生まれました。本名はアンナ・マリア・ルイーザ・イタリアーノです。両親はイタリア移民の子どもたちで、父マイケルはドレスパターンメーカー、母ミルドレッドは電話オペレーターでした。カトリック教徒として育てられ、ブロンクスのリトル・イタリー地区で育ちました。
幼い頃から演技に興味を持ち、学校の劇などで活躍しました。クリストファー・コロンブス高校を1948年に卒業後、演劇の道を進みます。HBスタジオ、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ、アクターズ・スタジオで学び、リー・ストラスバーグのもとで方法演技を修得しました。また、UCLAのアメリカン・フィルム・インスティテュートの監督ワークショップにも参加しています。これらの教育が、彼女の深い演技力の基盤となりました。
経歴
アン・バンクロフトは1951年頃からテレビドラマに出演を始め、1952年に『ノックは無用』で映画デビューしました。当初はハリウッドで契約選手として活動しましたが、脚本に不満を持ち、1957年頃にニューヨークに戻ります。
1958年にブロードウェイで『Two for the Seesaw』に出演し、トニー賞助演女優賞を受賞しました。翌1959年には『奇跡の人』でアン・サリヴァン役を演じ、トニー賞主演女優賞を獲得します。1962年に同作の映画版でアカデミー主演女優賞を受賞し、映画界に返り咲きました。
その後、『女が愛情に渇くとき』『卒業』『愛と喝采の日々』『アグネス』などでアカデミー賞にノミネートされ、高い評価を得ました。後年は『エレファント・マン』『チャーリング・クロス街84番地』などのキャラクター役も好演。テレビ映画でも活躍し、1999年にエミー賞を受賞しています。監督・脚本としても活動し、豊かなキャリアを築きました。
服飾・美容
アン・バンクロフトは、洗練された美しさと気品あるスタイルで知られていました。イタリア系アメリカ人らしい情熱的な魅力と、知的な表情を兼ね備え、役柄に応じて外見を大きく変えることを得意としました。『卒業』でのセクシーで洗練されたミセス・ロビンソン役では、シンプルながらもエレガントな服装が印象的です。
日常では上品なファッションを好み、クラシックなドレスや洗練された装いを楽しんでいました。美容については、自然な美しさを活かし、年齢を重ねても魅力的に見えるよう努めていました。演技のため髪型やメイクを大胆に変える柔軟性があり、役者としてのプロフェッショナリズムを体現していました。彼女の存在感は、服装や外見を通じて役の内面を表現する点にありました。
私生活
アン・バンクロフトの私生活は、波乱と幸福の両面がありました。1953年にマーティン・メイと結婚しましたが、1957年に離婚しています。
1961年にメル・ブルックスと出会い、1964年に再婚しました。2人は41年間連れ添う幸せな結婚生活を送り、1972年に息子マックス・ブルックスを授かりました。マックスは後に小説家・脚本家として活躍しています。夫婦は互いのキャリアを支え合い、映画でも共演する機会がありました。メル・ブルックスは彼女の死後も深い愛を語っています。
2005年6月6日、子宮癌のためニューヨークで73歳の生涯を閉じました。彼女の死は演劇界に惜しまれ、ブロードウェイのライトが落とされました。
出演作品
- 1952年:ノックは無用 – リン・レスリー
- 1962年:奇跡の人 – アン・サリヴァン(アカデミー主演女優賞受賞)
- 1964年:女が愛情に渇くとき – ジョー・アーミテージ・オスカー
- 1965年:いのちの紐 – インガ・ダイソン
- 1967年:卒業 – ミセス・ロビンソン
- 1972年:戦争と冒険 – ランドルフ・チャーチル夫人
- 1977年:愛と喝采の日々 – エマ・ジャクリン
- 1980年:エレファント・マン – ケンダル夫人
- 1983年:メル・ブルックスの大脱走 – アンナ・ブロンスキ
- 1985年:アグネス – ミリアム・ルース院長
- 1987年:チャーリング・クロス街84番地 – ヘレーン・ハンフ
- 1992年:ラブ・ポーションNo.9 – マダム・ルース
- 1995年:ホーム・フォー・ザ・ホリデイ – アデル・ラーソン
- 1997年:G.I.ジェーン – セニョール・タイレル
- 1998年:大いなる遺産 – ディンスモア夫人
- 2000年:Up at the Villa – プリンセス・サン・ファツィオ
他にも多くの舞台、テレビ作品に出演し、幅広い役柄で観客を魅了しました。



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