エイミー・アダムス

エイミー・アダムス（Amy Adams）はイタリア・ヴィチェンツァ生まれのアメリカ人女優。軍人家庭の7人きょうだいの末っ子として育ち、コロラド州でバレエとミュージカルを学ぶ。1999年に映画デビュー後、『ジューン・バグ』で注目を集め、6度のオスカー主演女優賞ノミネート、2度のゴールデングローブ賞受賞を果たす。コメディからドラマまで幅広い役柄で知られ、代表作に『エンチャンテッド』『アメリカン・ハッスル』『メッセージ』『ノクターナル・アニマルズ』など。夫と娘との私生活も穏やか。

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プロフィール
生い立ち・教育
経歴
私生活
出演作品

プロフィール

名前：エイミー・アダムス（Amy Adams）
生年月日：1974年8月20日（51歳）
出生地：イタリア共和国ヴィチェンツァ空軍基地

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生い立ち・教育

エイミー・アダムスは、1974年8月20日、イタリア共和国ヴィチェンツァ空軍基地で生まれた。父親のリチャード・ケント・アダムスはアメリカ軍の軍曹で、母親のカサンドラは主婦だった。きょうだいは4人の兄と2人の姉がおり、大家族の中で育った。父親の軍歴のため、家族は頻繁に転居を繰り返した。生後間もなくアメリカのモリスタウン（ニュージャージー州）へ移り、その後オハイオ州メイソン、テキサス州サン・アントニオ、ミズーリ州セントルイスなどを転々とした。幼少期のこうした移動生活は、彼女に適応力と強い家族の絆を育てた。

8歳の時、家族はコロラド州キャッスルロックに定住した。父親は軍を退役後、ナイトクラブやレストランで歌手として活動を始め、これがエイミーのパフォーマンスへの興味を刺激した。地元のダグラス郡高校に通い、在学中は合唱団に参加し、演劇部で活躍した。15歳の頃、コミュニティ・シアターで『オズの魔法使』のドロシー役を演じ、舞台の魅力に目覚めた。また、バレエに熱中し、地元のダンスカンパニーでアプレンティスとしてトレーニングを受けた。厳格なバレエの規律に魅了され、プロのバレリーナを目指したが、18歳頃に自身の才能の限界を感じ、ミュージカル・シアターへ方向転換した。

高校卒業後、大学進学を望む両親の期待に反し、正式な高等教育を受けなかった。代わりに、母親の住むアトランタに移り、ミュージカル・シアターの道を追求した。この選択を後年、彼女自身が「両親を失望させた」と悔やむこともあったが、演技への情熱が勝った。代わりに、地元の劇団でボランティアとして出演し、経済的に自立するため、GAPの店舗でグリーターとして働き、Hootersでウェイトレスを務めた。Hootersでの経験は、彼女のキャリア初期のエピソードとしてしばしば語られ、貯めたお金で中古車を購入したエピソードは、独立心の象徴となった。

こうした生い立ちの中で、モルモン教の家庭で育った影響も大きい。厳格な価値観が彼女の倫理観を形成し、謙虚さと勤勉さを身につけた。幼少期の転居生活は孤独感を生んだが、家族の支えが精神的な強靭さを与えた。バレエからミュージカルへの移行は、彼女の柔軟性を示すもので、後の多様な役柄を演じる基盤となった。

経歴

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エイミー・アダムスのキャリアは、1994年にコロラド州ボルダーのディナー・シアターでダンサーとしてスタートした。『ア・コーラス・ライン』のプロダクションに参加し、1994年から1998年までミュージカルを中心に活動。1995年、ミネアポリス・ディナー・シアターのマイケル・ブリンーディ監督にスカウトされ、チャナッセン（ミネソタ州）のカントリー・ディナー・プレイハウスで『ブリガドゥーン』などの作品に出演した。しかし、筋肉の損傷で1年間休養を余儀なくされ、この時期に映画への興味が芽生えた。

1999年、19歳でロサンゼルスへ移住。初の映画出演は、ブラックコメディ『ドロップ・デッド・ゴージャス』で、ミネソタの美少女コンテスト参加者役を演じた。監督のマイケル・パトリック・ジャーンズの勧めでオーディションを受け、役を獲得。この作品は低予算ながらカルト的人気を博し、彼女のスクリーン・デビューとなった。同年、TVシリーズ『ザット’70s・ショー』にゲスト出演し、演技の幅を広げた。

2000年代初頭は苦闘の時期。2000年の『サイレント・ジョー』や2002年の『ザ・ウェディング・デイト』などの小役が続き、経済的に厳しかった。2000年に『バフィー恋する十字架』に出演するも、いとこのベス役で1回限りの出演。

転機は2002年のスティーブン・スピルバーグ監督『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で、レオナルド・ディカプリオの恋人役に抜擢された。スピルバーグは彼女のスター性を高く評価したが、作品後のブレイクは訪れず、1年間無職となった。この挫折が彼女を鍛え、2005年のインディペンデント映画『ジューン・バグ』でアシュリー役を演じ、批評家から絶賛された。妊娠中の田舎娘を自然に体現し、第78回アカデミー賞助演女優賞にノミネート。サンダンス映画祭で注目を集め、キャリアの基盤を築いた。

ブレイク後、2007年のディズニー・ミュージカル『エンチャンテッド』でジゼル役を演じ、純粋なプリンセス像で大衆的人気を獲得。サウンドトラックもヒットし、ゴールデングローブ賞にノミネート。2008年の『ダウト』ではメリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマン共演で修道女役を演じ、再びアカデミー賞ノミネート。2009年の『ジュリー&ジュリア』ではメリル・ストリープと共演し、料理ブロガー役で好評を博した。

2010年代に入り、演技の幅が広がった。2010年の『ザ・ファイター』でマーク・ウォールバーグと共演、ボクサーの恋人役で3度目のアカデミー賞ノミネート。2011年の『ザ・マペッツ』でミュージカル・ナンバーを披露し、家族向けの魅力を発揮。2012年のポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター』ではカルト信者の妻役で4度目のノミネート。2013年は『マン・オブ・スティール』でルイス・レーン役を演じ、スーパーヒーロー映画に進出。同年の『アメリカン・ハッスル』で詐欺師役を熱演し、ゴールデングローブ賞主演女優賞（コメディ/ミュージカル部門）を受賞。デヴィッド・O・ラッセル監督とのタッグが成功を呼んだ。

2014年のティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』で画家マーガレット・キーン役を演じ、2度目のゴールデングローブ賞受賞。2016年は『バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生』でレーン役を再演し、興行収入記録を更新。同年の『メッセージ』で言語学者ルイーズ役を演じ、SFドラマの傑作として5度目のアカデミー賞ノミネート。トム・フォード監督『ノクターナル・アニマルズ』でも心理サスペンスで評価された。2018年のHBOミニシリーズ『シャープ・オブジェクト』で主人公キャミル役を演じ、プライムタイム・エミー賞ノミネート。批評家から「自己破壊的なジャーナリストの複雑さを完璧に体現」と絶賛された。同年の『ヴァイス』でリン・チェイニー役を演じ、6度目のアカデミー賞ノミネート。

2020年代も活躍が続く。2021年の『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』や2022年の『ディスエンちゃんてッド2』でジゼル役を再演。2023年のNetflix番組『ザ・ファーブルズ・ミセス・メイゼル』にゲスト出演。舞台でも2012年の『イントゥ・ザ・ウッズ』オフ・ブロードウェイ版や2022年のウェストエンド『ザ・グラス・メナジェリー』で成功を収めた。慈善活動も積極的で、ゲットー・フィルム・スクールやトレバー・プロジェクトを支援。2010年にバラエティ誌から生涯影響賞を受賞した。また、2024年にはトロント国際映画祭でパフォーマー賞を受賞。

彼女のキャリアは、初期の苦労から多様なジャンルでの評価へ移行し、現代最高の女優の一人として位置づけられている。

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私生活

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エイミー・アダムスの私生活は、キャリアの華やかさとは対照的に、穏やかで家族中心である。2001年、演技クラスで出会った俳優でアーティストのダレン・ル・ガロと交際を開始。ル・ガロは彼女の創造性を刺激するパートナーで、互いの芸術活動を尊重する関係を築いた。交際6年後の2008年に婚約し、2010年5月15日に娘のアヴィアナ・オレア・ル・ガロが出生。娘の誕生は、彼女の人生の転機となり、「母性は演技のインスピレーション源」と語っている。娘の名前は「鳥のように自由に飛ぶ」意味を持ち、家族の絆を象徴する。

2015年6月21日、ル・ガロとカリフォルニア州サンタバーバラで結婚。挙式は親しい友人・家族のみの小規模なもので、ビーチサイドのシンプルなセレモニーだった。結婚生活は安定しており、ル・ガロの絵画活動を支えつつ、自身も家庭を優先。ロサンゼルスに居を構え、娘の教育に注力している。娘は学校で演劇を学び、母親の影響を受けているようだ。

私生活では、蜘蛛恐怖症が有名で、インタビューで「蜘蛛を見ると叫んで逃げる」と告白。健康面では、ヨガと瞑想を日常的に実践し、メンタルヘルスを維持。モルモン教のバックグラウンドから、アルコールやタバコを避け、菜食主義に近い食生活を送る。慈善活動に熱心で、脳がん研究のための『ザ・ビューティ・ブック・フォー・ブレイン・キャンサー』を2013年に出版。LGBTQ+青少年支援のトレバー・プロジェクトや、子供の病気のセント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ・ホスピタルを支援。2011年のトレバー・ライブ・イベントでプレゼンターを務め、2014年のUCLAメディカル・センターのチャリティ・イベントに参加した。

キャリアと家庭のバランスを重視し、「娘の成長を見守るのが最大の喜び」と述べる。プライバシーを守り、メディア露出を控えめにする姿勢が、彼女の「アメリカン・スイートハート」イメージを支えている。2020年代に入り、家族旅行を増やし、娘との時間を大切にしている。私生活の安定が、彼女の演技の深みを生む源泉となっている。