キャリー・クーン(Carrie Coon)は米国の女優。舞台と映像で複雑な役柄を演じ、批評家から高い評価を受ける。『レフトオーバーズ』『ゴーン・ガール』『ボストン・キラー:消えた絞殺魔』で知られ、エミー賞やトニー賞にノミネート。
プロフィール
- 名前:キャリー・クーン(Carrie Coon)
- 出生名:キャリー・アレクサンドラ・クーン(Carrie Alexandra Coon)
- 生年月日:1981年1月24日(44歳)
- 出生地:米国オハイオ州
- 職業:女優
- ジャンル:映画、TV、舞台
- 活動期間:2006年~
- 配偶者:トレイシー・レッツ(2013年~)
生い立ち・教育
キャリー・アレクサンドラ・クーン(Carrie Alexandra Coon)は、1981年1月24日、米国オハイオ州コプリーに生まれました。5人兄弟の末っ子として育ち、父親ジョン・クーンと母親ポーラ・クーンが営む農場で幼少期を過ごしました。自然豊かな環境の中で育った彼女は、家族との強い絆を大切にしながら、感受性豊かな子供時代を送りました。コプリー高校に通い、そこで演劇に興味を持ち始め、学内の演劇活動に参加しました。この時期に、表現することへの情熱が芽生え、後のキャリアの基盤となりました。
高校卒業後、クーンはマウント・ユニオン大学に進学し、英語と演劇を専攻、2003年に学士号を取得しました。その後、演技への情熱をさらに追求するため、ウィスコンシン大学マディソン校の演劇プログラムに入学し、2006年に美術学修士号(MFA)を取得しました。この大学院プログラムは、演技の技術を磨くだけでなく、舞台での深い役作りやキャラクター分析のスキルを学ぶ場となり、彼女の演技哲学の形成に大きな影響を与えました。大学時代には、古典劇から現代劇まで幅広い作品に出演し、表現力と感情の深さを磨きました。この教育期間は、彼女が舞台女優として、そして後に映像女優として成功するための重要な土台となりました。
経歴
クーンのキャリアは、舞台女優としてスタートしました。大学院修了後、彼女はウィスコンシン州マディソンの地元劇団で4年間活動し、シェイクスピアやチェーホフなどの古典劇を中心に経験を積みました。その後、シカゴに拠点を移し、名門ステッペンウルフ・シアター・カンパニーに所属。2010年に上演された『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』でのハニー役が高く評価され、2012年にブロードウェイでの同作品再演に出演。この演技が認められ、トニー賞演劇部門最優秀女優賞にノミネートされました。この舞台での成功は、彼女の演技力と存在感を広く知らしめるきっかけとなりました。
映像分野では、2011年にTV番組『LAW&ORDER:性犯罪特捜班』でゲスト出演し、映像デビューを果たしました。2014年にHBOのドラマ番組『レフトオーバーズ 残された世界』でノラ・ダースト役を演じ、ブレイク。この役で、彼女は心に深い傷を抱える複雑なキャラクターを見事に演じ、批評家から絶賛され、クリティクス・チョイス・テレビ賞を受賞しました。同年、デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ゴーン・ガール』でベン・アフレック演じる主人公の双子の妹マーゴ役で長編映画デビュー。映画初出演ながら、クールで感情的な演技が注目を集め、彼女の映画界での地位を確立しました。
2017年には、FXのアンソロジーシリーズ『ファーゴ』シーズン3でグロリア・バーグル役を演じ、プライムタイム・エミー賞リミテッドシリーズ部門主演女優賞にノミネートされました。さらに、HBOの『ギルデッド・エイジ ニューヨーク黄金時代』(2022年~)でバーサ・ラッセル役を演じ、ドラマシリーズ部門主演女優賞に、2024年には『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート』シーズン3でローリー・ダフィー役で助演女優賞にノミネートされるなど、エミー賞での評価も続いています。その他、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)でプロキシマ・ミッドナイト役、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021年)でキャリー・スピングラー役など、大作映画にも出演し、幅広いジャンルで活躍しています。
私生活
キャリー・クーンは、2013年に劇作家で俳優のトレイシー・レッツと結婚しました。レッツはピューリッツァー賞を受賞した『August: Osage County』の作者として知られ、クーンとはステッペンウルフ・シアターでの共演を通じて知り合いました。夫婦は2018年に長男ハスケルを、2020年に次男を出産し、シカゴを拠点に家庭を築いています。クーンはインタビューで、家族との時間を大切にし、仕事とプライベートのバランスを取ることに努力していると語っています。
また、彼女はプライバシーを重視し、SNSでの露出は控えめですが、演技への情熱や家族への愛を公の場で時折語っており、温かみのある人柄が窺えます。趣味としては読書やヨガを楽しみ、精神的な安定を保つために瞑想も行っているとされています。
出演作品
映画
- ゴーン・ガール(2014年) – マーゴ・ダン役
- ポスト(2017年) – メグ・グリーンフィールド役
- アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年) – プロキシマ・ミッドナイト役
- ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年) – キャリー・スピングラー役
- ボストン・キラー:消えた絞殺魔(2023年) – ジーン・コール役
TV
- レフトオーバーズ 残された世界(2014年~2017年) – ノラ・ダースト役
- ファーゴ(2017年) – グロリア・バーグル役
- The Sinner 隠された理由(2021年〜):シーズン2で主演として登場。謎めいたキャラクターを演技
- ギルデッド・エイジ ニューヨーク黄金時代(2022年~) – バーサ・ラッセル役
- 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(2010年、2012年) – ハニー役
- 『The Real Thing』(2014年) – アニー役
- 喪う(2023年):3人姉妹のレイチェル役
- ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート(2024年) – ローリー・ダフィー役
- LAW &ORDER:性犯罪特捜班(2013年) – ゲスト出演
- ポーカー・フェイス(2025年):シーズン2にキャスト出演
まとめ
キャリー・クーンは、舞台での確かな演技力を基盤に、映画やテレビで多様な役柄を演じ分け、批評家や観客から高い評価を得ています。彼女のキャリアは、複雑な人間性や感情を掘り下げる役柄への深い洞察力に支えられており、今後もさらなる活躍が期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い