『キャリー』は1976年に公開された米国ホラー映画。スティーヴン・キングの小説を原作に、ブライアン・デ・パルマが監督を務めました。内気でいじめられっ子の女子高生キャリーが、初潮をきっかけに念動力に目覚め、虐待する母親や学校のいじめっ子たちに復讐する物語。
青春の残酷さと超自然的な恐怖を融合させた作品で、シシー・スペイセクの演技が特に印象的です。プロムシーンでの衝撃的な展開は、ホラー映画史に残る名場面となりました。上映時間98分のこの映画は、興行的に成功し、アカデミー賞にもノミネート。観る者に強い印象を残す、古典的なホラー作品。
基本情報
- 邦題:キャリー
- 原題:Carrie
- 公開年:1976年
- 製作国・地域:アメリカ合衆国
- 上映時間:98分
- ジャンル:ホラー
女優の活躍
シシー・スペイセクは、キャリー・ホワイト役で圧倒的な存在感を発揮しています。彼女はオーディションで自らを不潔に見せる工夫をし、役に深く入り込みました。この作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、以降も数多くの賞を受賞する名女優への道を歩みました。繊細で内気な少女から、怒りに満ちた復讐者への変貌を、表情や視線だけで見事に演じ分けています。
パイパー・ローリーは、狂信的な母親マーガレット役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。彼女の演技は、宗教的な狂気と母性愛の歪みを強く表現し、観客に恐怖を与えました。

ベティ・バックリー演じるコリンズ先生が、厳しくも優しい教師像を好演しています。また、エイミー・アーヴィングやナンシー・アレンら若手女優陣も、青春映画らしい活き活きとした演技で作品を支えています。
女優の衣装・化粧・髪型
シシー・スペイセクのキャリーは、普段は地味で古風な服装に、油っぽく見える髪型と控えめな化粧が特徴です。これにより、いじめられやすい冴えない少女像を強調しています。プロムシーンでは自作の淡いピンクのドレスを着用し、髪を優しく整え、柔らかなメイクを施します。この変化が、彼女の内面的な輝きと儚さを美しく描き出しています。ドレスは1970年代のトレンドを意識しつつ、純粋さを象徴するデザインです。
パイパー・ローリーのマーガレットは、厳格で古風な黒い服装と、きつい表情の化粧が印象的です。髪はシンプルにまとめられ、宗教的な狂気を強調しています。他の女子高生たちは、当時のティーンエイジャーらしいカジュアルな衣装とヘアスタイルで、リアリティーを高めています。
あらすじ
ベイツ・ハイスクールに通うキャリー・ホワイトは、内気でクラスメートからいじめを受けていました。ある日、体育の後のシャワー室で初潮を迎え、パニックになります。母親から月経の知識を与えられていなかったためです。クラスメートたちは彼女を嘲笑い、ナプキンを投げつけます。担任のコリンズ先生が止めますが、キャリーは怒りの中で念動力を発揮します。
家では狂信的な母親マーガレットに厳しく育てられ、罪の意識を植え付けられています。罪滅ぼしを感じたスー・スネルは、恋人のトミーにキャリーをプロムに誘うよう頼みます。最初は疑うキャリーですが、トミーの誠意に心を開きます。一方、いじめの首謀者クリスは復讐を計画し、プロム会場に豚の血を仕掛けます。
プロム当日、キャリーはトミーとベストカップルに選ばれ、幸せを感じます。しかし、血を浴びせられ、嘲笑されたと思い込んだ彼女は、念動力を爆発させます。会場は惨劇の場となり、多くの生徒が犠牲になります。家に戻ったキャリーは母親と対決し、悲劇的な結末を迎えます。生き残ったスーは、悪夢のような体験をします。
解説
この映画は、単なるホラーではなく、青春期のいじめ、宗教的抑圧、女性の身体的・精神的な目覚めをテーマにしています。デ・パルマ監督は、巧みなカメラワークとスローモーションを駆使し、緊張感と美しさを両立させました。プロムの血まみれシーンは、シンデレラ物語の暗黒版とも言え、観客の心に強烈に残ります。
スティーヴン・キングの原作のエッセンスを捉えつつ、視覚的に洗練された演出が魅力です。1970年代のアメリカ社会を反映した、ティーンエイジャーの残酷さと孤独を描いています。シシー・スペイセクの演技は、被害者から加害者への心理変化をリアルに表現し、作品の深みを増しています。ホラー映画の傑作として、今も多くのファンを魅了し続けています。
キャスト
- シシー・スペイセク:キャリー・ホワイト
- パイパー・ローリー:マーガレット・ホワイト
- エイミー・アーヴィング:スー・スネル
- ウィリアム・カット:トミー・ロス
- ジョン・トラボルタ:ビリー・ノーラン
- ナンシー・アレン:クリス・ハーゲンセン
- ベティ・バックリー:コリンズ先生
- P・J・ソールズ:ノーマ・ワトソン
スタッフ
- 監督:ブライアン・デ・パルマ
- 脚本:ローレンス・D・コーエン
- 原作:スティーヴン・キング
- 製作:ポール・モナシュ
- 撮影:マリオ・トッシ
- 音楽:ピノ・ドナッジオ
- 編集:ポール・ハーシュ
この作品は、ホラーとドラマのバランスが絶妙で、公開から50年近く経った今も色褪せない魅力を持っています。キャリーの物語を通じて、人間の心の闇と可能性を考えさせられます。



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