『愛欲の白い肌』は19世紀末のイタリアとフランスを舞台に、デカダン派の芸術スタイルが形作られ始めた時代を描いた伝記映画。詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオの人生に焦点を当て、彼の文学活動と情熱的な恋愛を追います。ロバート・パウエルがダンヌンツィオを、ステファニア・サンドレッリが恋人エルヴィーラを演じ、アクション要素を交えつつ人間ドラマを展開します。
基本情報
- 邦題:愛欲の白い肌
- 原題:D’Annunzio
- 英題:LOVE SINS
- 公開年:1985年
- 製作国・地域:イタリア
- 上映時間:90分
- ジャンル:アクション
女優の活躍
『愛欲の白い肌』では、ステファニア・サンドレッリがエルヴィーラ・フラテルナーリ・レオーニ役で活躍します。彼女はダンヌンツィオの恋人として、情熱的で魅力的な女性を体現しています。サンドレッリはイタリア映画界で長年活躍するベテラン女優で、本作では感情豊かな演技で物語の中心を担います。彼女の存在がダンヌンツィオの創作意欲を刺激する様子が、細やかな表情と仕草で表現されています。
フローレンス・ゲランはクロ・アルブリーニ役を演じ、ダンヌンツィオの周囲の貴族女性として登場します。ゲランはフランス出身の女優で、優雅な佇まいが印象的です。本作での彼女の活躍は、ダンヌンツィオの社交界での人間関係を深める役割を果たします。彼女の演技は、微妙な嫉妬や誘惑のニュアンスを巧みに描き出しています。
ソニア・ペトロヴナはマリア・クルイッラス・ディ・グラヴィーナ役で出演します。ペトロヴナはロシア系フランス女優で、神秘的な美しさが特徴です。本作ではダンヌンツィオの初期の恋愛相手として活躍し、物語の導入部を支えます。彼女の演技は、純粋さと野心の間で揺れる女性像を鮮やかに描いています。
テレサ・アン・サヴォイはマリア・ディ・ガッレージェ役を務めます。サヴォイはイタリア映画で知られる女優で、本作ではダンヌンツィオの結婚相手として重要な位置を占めます。彼女の活躍は、家庭的な側面と芸術家の葛藤を強調するシーンで光ります。最後の劇場映画出演となった本作で、成熟した演技を見せています。
フィオレンツァ・マルケジャーニはオルガ・オッサーニ役で参加します。マルケジャーニはイタリアの舞台女優としても活躍し、本作ではダンヌンツィオの友人としてサポート役を演じます。彼女の演技は、物語の背景を豊かにする存在感を発揮します。
エヴァ・グリマルディはヴィオラ役で登場します。グリマルディはモデル出身の女優で、美しい容姿が活かされています。本作での彼女の活躍は、ダンヌンツィオの恋愛遍歴を彩るエピソードで目立ちます。短い出演ながら、印象的なシーンを残しています。
女優の衣装・化粧・髪型
ステファニア・サンドレッリの衣装は、19世紀末の貴族女性を思わせる優雅なドレスが中心です。白や淡いピンクのシルク生地を使い、肌の白さを強調するデザインです。化粧はナチュラルで、頰に軽くルージュを入れ、目元を柔らかく強調します。髪型はゆるやかなアップスタイルで、巻き髪を垂らし、優雅さを演出します。
フローレンス・ゲランの衣装は、フランス風の洗練されたガウンやスカートが特徴です。黒や深い青の色調で、神秘的な雰囲気を醸し出します。化粧は目元をダークにし、唇を赤く塗り、ドラマチックな印象を与えます。髪型はストレートに近いロングヘアで、時にはリボンでまとめ、時代感を出しています。
ソニア・ペトロヴナの衣装は、伝統的なイタリア貴族のスタイルで、レースを多用した白いドレスです。化粧はパールのような輝きを肌に与え、アイラインを細く引きます。髪型はクラシックなブンで、サイドにカールを加え、優しいイメージを強調します。
テレサ・アン・サヴォイの衣装は、家庭的なシーンではシンプルなコットンドレス、社交シーンでは絢爛なガウンです。化粧はマットな肌質で、眉を整え、自然な美しさを追求します。髪型はミディアムレングスのウェーブで、ピンで留め、日常的な魅力を表します。
フィオレンツァ・マルケジャーニの衣装は、地味ながら上品なワンピースが主です。化粧は最小限で、ファンデーションを薄く塗り、目元を軽くします。髪型はショートカットに近いボブで、シンプルさを保ちます。
エヴァ・グリマルディの衣装は、華やかなイブニングドレスで、赤や金色のアクセントが入ります。化粧はグラマラスで、チークを強く入れ、唇をボリュームアップします。髪型はボリュームのあるカールで、華やかさを増します。
あらすじ
物語は、ガブリエーレ・ダンヌンツィオがアブルッツォ地方のペスカーラで生まれたところから始まります。彼は早くから詩人として名を馳せ、ローマでジャーナリストとして活躍します。民主主義や大衆文化を軽蔑し、芸術と快楽を追求する生活を送ります。高級社会の女性たちとの交流が、彼の創作の源泉となります。
ダンヌンツィオは結婚し、子供をもうけますが、家庭生活に不満を抱きます。ペニーレスながら、都市を転々とし、スキャンダラスな作品を執筆します。ある日、エルヴィーラ・フラテルナーリ・レオーニ、通称バルバラと出会います。彼女との情熱的な恋愛が、彼の人生を変えます。
バルバラとの関係は、ダンヌンツィオの最初の偉大な小説『快楽』を着想させます。彼女の美しさと知性に魅了され、芸術的なインスピレーションを得ます。しかし、社会の規範や夫の存在が、二人の恋を複雑にします。ダンヌンツィオは、バルバラとの出会いを機に、デカダン派の代表作を生み出します。
周囲の女性たち、クロ・アルブリーニやマリア・クルイッラス・ディ・グラヴィーナらが、ダンヌンツィオの人間関係を彩ります。彼のエゴイズムと情熱が、恋愛と創作の間で揺れ動く様子が描かれます。物語は、ダンヌンツィオの芸術家としての成長と、恋愛の代償を締めくくります。
解説
映画『愛欲の白い肌』は、イタリアの文豪ガブリエーレ・ダンヌンツィオの生涯を、19世紀末のデカダン派の文脈で描いています。デカダン派は、伝統的な価値観を否定し、美と快楽を追求する運動です。ダンヌンツィオの作品は、この潮流を体現し、映画はその精神を視覚的に再現します。
監督のセルジオ・ナスカは、伝記映画として歴史的事実を基にしつつ、ドラマチックな要素を加えています。アクションジャンルとして分類される部分は、ダンヌンツィオの冒険的な生活や、社会との対立を強調したシーンです。ローマやフランスの風景が、美しい映像で表現され、時代感を高めます。
女優たちの活躍は、ダンヌンツィオの多情さを象徴します。特にステファニア・サンドレッリの演技は、バルバラの複雑な内面を深く掘り下げ、映画の情感を豊かにします。本作は、芸術と愛欲の交錯をテーマに、視聴者に深い印象を残します。
製作当時のイタリア映画界では、伝記映画が人気で、本作もその一環です。衣装やセットの再現度が高く、19世紀の雰囲気を忠実に描いています。ダンヌンツィオのスキャンダラスな人生が、現代の観客に新たな視点を提供します。
キャスト
- ロバート・パウエル(ガブリエーレ・ダンヌンツィオ)
- ステファニア・サンドレッリ(エルヴィーラ・フラテルナーリ・レオーニ、通称バルバラ)
- ローラン・テルジエフ(ミケッティ)
- フローレンス・ゲラン(クロ・アルブリーニ)
- ソニア・ペトロヴナ(マリア・クルイッラス・ディ・グラヴィーナ)
- テレサ・アン・サヴォイ(マリア・ディ・ガッレージェ)
- フィオレンツァ・マルケジャーニ(オルガ・オッサーニ)
- パオロ・ボナチェッリ(エルコレ・レオーニ)
- ロベルト・アルピ(エドアルド・スカルフォッリョ)
- チェザーレ・バルベッティ(デ・ボージス)
- エヴァ・グリマルディ(ヴィオラ)
スタッフ
- 監督:セルジオ・ナスカ
- 脚本:セルジオ・ナスカ、ピエロ・キアラ
- 撮影:ロマーノ・アルバーニ
- 編集:ニーノ・バラーリ
- 音楽:セルジオ・サンドレッリ
- 製作:フランコ・カサティ


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