江口のりこは日本の女優。兵庫県姫路市出身で、身長170cmの長身を活かした独特の存在感が特徴です。
劇団東京乾電池に所属し、2002年に映画『金融破滅ニッポン 桃源郷の人々』でデビューしました。以降、映画やドラマで活躍し、2021年に『事故物件 恐い間取り』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しています。双子の姉がおり、アルバイト生活から女優への転身を果たしました。
プロフィール
- 名前:江口のりこ
- 出生地:兵庫県飾磨郡夢前町(現姫路市)
- 身長:170cm
生い立ち・教育
江口のりこは、兵庫県飾磨郡夢前町(現・姫路市)で生まれました。5人きょうだいの4番目で、兄2人、一卵性双生児の姉、そして妹がいます。家族は大所帯で、会話が多く賑やかな環境でした。父親は人に使われるのが苦手で、仕事が長続きしないタイプでしたが、江口のりこはそんな父親が大好きでした。小さい頃は外遊びが好きで、近所の子たちとドッヂボールや田んぼでの探検を楽しんでいました。
小学校3~4年生の頃に転校し、それまでの街が好きだったため、新しい土地になじめませんでした。そこから早く脱出したいという思いが強くなり、中学卒業後に街を出ることを決めました。学校生活では、不登校になることはなく、友達や先生との関わりを楽しんでいました。中学校では陸上部に所属し、長距離走を専門にしていました。顧問の先生は厳しくも面白い人で、部活動が好きでした。勉強は苦手で、高校進学を小学校4年生の頃に諦めていました。
中学卒業後、すぐにアルバイトを始めました。仕事は長続きせず、2ヶ月や1日で辞めることもありました。それでも、神戸の映画館に通うために稼いだお金を使い、週2回ほど1人で映画を観に行っていました。アサヒシネマや神戸アートビレッジセンターが主な場所で、そこで映画の世界に魅了されました。中学3年生の夏頃から芝居に興味を持ち、図書館で戯曲を読んでいました。特に岩松了の作品が日常的なテンションで演じやすいと感じ、劇団東京乾電池のオーディションを受けました。18歳の終わり頃、なけなしの2万円を握りしめて上京し、研究生として入団しました。
上京後は新聞配達の住み込みバイトをしながら劇団生活を送りました。アパートは3畳1間で風呂なし、キノコが生えるほどオンボロでしたが、慣れて楽しかったです。教育面では正式な高校教育を受けていませんが、アルバイト経験と劇団での学びが基盤となりました。特技としてピアノと中距離走があり、幼少期の経験が反映されています。
経歴
江口のりこは、1999年に劇団東京乾電池の研究生となり、2000年に劇団員となりました。座長の柄本明から芝居を学び、夢に出てくるほど影響を受けました。2002年に三池崇史監督の映画『金融破滅ニッポン 桃源郷の人々』でデビューし、梅本亜希子役を演じました。以降、映画を中心に活動を広げました。2004年にはタナダユキ監督の『月とチェリー』で初主演を果たし、真山葉月役で注目を集めました。同年、『スウィングガールズ』など複数の作品に出演しました。
2000年代中盤は、映画での活躍が目立ちました。2006年に『お姉ちゃん、弟といく』で主演し、第2回シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション女優賞を受賞しました。2008年には『砂の影』でユキエ役として主演を務めました。テレビドラマにも進出し、2006年の『時効警察』でサネイエ役を演じました。2010年には『ユリ子のアロマ』で主演ユリ子役を体当たりで演じ、過激なシーンもこなしました。
2010年代に入り、映画『横道世之介』(2013年)で小暮京子役を演じ、TAMA映画祭最優秀作品賞に貢献しました。同年の『戦争と一人の女』では主演を務めました。2015年の『ソロモンの偽証』では大出佐知子役で前後篇に出演しました。ドラマでは『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(2016年)で出会ったプロデューサー小田玲奈との仕事が転機となり、テレビドラマを好きになりました。2020年の『半沢直樹』で富岡芙美役を演じ、存在感を発揮しました。
2020年代は主演作が増えました。2021年にテレビ東京の『ソロ活女子のススメ』で民放連続ドラマ初主演を果たし、五月女恵役でシリーズ化されました。同年の『事故物件 恐い間取り』で横水役として日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、2022年にエランドール賞新人賞も獲得しました。2024年には『あまろっく』『お母さんが一緒』『愛に乱暴』で主演を務め、多忙を極めています。所属事務所はノックアウトで、舞台、映画、ドラマをバランスよくこなしています。チームワークを重視し、監督や共演者との出会いを大切にしています。
服飾・美容
江口のりこは、ファッションにおいてシンプルで上質なスタイルを好みます。インタビューでの衣装協力では、Mame Kurogouchiのシャツやスカート、シューズを着用し、洗練された大人の装いを披露しています。黒やベーシックカラーを基調としたアイテムが多く、ドラマ『SUPER RICH』ではBEAUTY BASICのロングカーディガンやViaggio Bluのワンピースを着用しました。これらは彼女の長身を活かしたエレガントなシルエットを強調します。
美容面では、自然体を心がけています。ヘア&メイクを草場妙子が担当する撮影が多く、ナチュラルメイクが特徴です。ドラマ『ソロ活女子のススメ』シリーズではRe:Seeの黒ぶちメガネやRafiCaroのメガネケースを使い、知的な印象を与えています。日常では自炊派で健康的な生活を送り、それが肌や体型の維持につながっています。仕事の衣装ではスタイリスト清水奈緒美が関わり、役柄に合った服飾を選んでいます。
最近のビジュアルでは、ビオトープのクリスタセヤ別注デニムやオーバーサイズドブルゾンを着用し、カジュアルながらも切れ味のあるスタイルを示しています。夏の装いとしてシャツブラウスや全身ブラックを好み、ヒール靴でオーラを高めています。美容の秘訣は十分な睡眠で、心身の自信を保っています。服飾は役者としての表現ツールとしても重要視しています。
私生活
江口のりこは、現在独身で結婚歴はありません。結婚観として、家族をチームのように思い、「ただいま」「おかえり」の日常に憧れを抱いていますが、したい人がすればいいと考えています。双子の姉にはアメリカ人の旦那さんがおり、家族付き合いの仲です。甥っ子や姪っ子を可愛がり、子供はかわいいと感じていますが、自身の結婚は急いでいません。安住紳一郎アナウンサーが好きで、結婚時の祝福メッセージで笑わせました。
家族構成は両親、兄2人、双子の姉、妹の7人家族です。姉とは顔が似ていますが、性格は姉の方が社交的です。妹とは小さい頃いじわるをしましたが、今は大好きです。兄たちは優しく、家族全体で絆が強いです。真木よう子とは昔からの仲良しですが、多忙で会えない時期もあります。自炊が好きで、自分の作るご飯が一番おいしいと語ります。休日は家にいたいタイプで、映画鑑賞やスーパーでの買い物を楽しみます。
趣味は見つかりにくく、仕事が生活の中心です。新型コロナのステイホーム期に芝居の重要性を実感しました。TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」のヘビーリスナーで、投稿やゲスト出演経験があります。就寝時間を早くし、お酒は控えめです。50代に向けてフットワークを軽くし、海外旅行をしたいと思っています。行きたい場所は決まっており、おいしいものを食べたいです。プライベートを大切にし、流されるままの人生を楽しんでいます。
受賞歴
江口のりこは、映画や演劇を中心にいくつかの賞を受賞しています。デビューから地道な活動が認められ、2020年代に本格的な評価を得ました。主な受賞は映画関連が多く、助演から主演への移行を象徴しています。
2006年に『お姉ちゃん、弟といく』で第2回シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション女優賞を受賞しました。これは初期の主演作での評価です。2013年には『横道世之介』と『戦争と一人の女』で第4回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、新進女優としての地位を確立しました。
2017年には『最低。』『彼らが本気で編むときは、』『いぬむこいり』で第9回TAMA映画賞最優秀女優賞を受賞しました。2021年に『事故物件 恐い間取り』で第44回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得し、注目を集めました。同年、エランドール賞新人賞も受賞しています。
2024年には『愛に乱暴』で第34回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞しました。また、演劇部門で『ワタシタチはモノガタリ』と『リア王』により芸術選奨新人賞を受賞し、多方面での活躍が認められています。これらの受賞は、彼女の演技力の幅広さを示しています。
出演作品
映画
- 金融破滅ニッポン 桃源郷の人々(2002年)(梅本亜希子)
- 諫山節考(2002年)(役名不明)
- ジョゼと虎と魚たち(2003年)(ノリコ)
- 月とチェリー(2004年)(真山葉月)
- 油断大敵(2004年)(看護婦)
- 着信アリ(2004年)(役名不明)
- ドラッグストア・ガール(2004年)(役名不明)
- 69 sixty nine(2004年)(役名不明)
- スウィングガールズ(2004年)(楽器店の店員)
- イズ・エー[is A.](2004年)(役名不明)
- パッチギ!(2005年)(役名不明)
- カナリア(2005年)(役名不明)
- いぬのえいが(2005年)(役名不明)
- イン・ザ・プール(2005年)(役名不明)
- いつか読書する日(2005年)(萩田淑恵)
- LOFT ロフト(2005年)(役名不明)
- 戦 IKUSA(2005年)(役名不明)
- 東京ゾンビ(2005年)(役名不明)
- お姉ちゃん、弟といく(2006年)(主演)
- 雨の町(2006年)(壮太の母)
- 闇打つ心臓 Heart beating in the dark(2006年)(有紀)
- 小さき勇者たち〜ガメラ〜(2006年)(役名不明)
- 嫌われ松子の一生(2006年)(役名不明)
- インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜(2006年)(役名不明)
- TWO LOVE(2006年)(役名不明)
- 青春☆金属バット(2006年)(石岡ななみ)
- チェリーパイ(2006年)(一木八千代)
- ありがとう(2006年)(役名不明)
- 因幡の白うさぎ(2006年)(役名不明)
- 気球クラブ、その後(2006年)(役名不明)
- 赤い文化住宅の初子(2006年)(役名不明)
- 歌謡曲だよ、人生は(2007年)(木村啓子)
- 恋するマドリ(2007年)(マイ)
- ボーイ・ミーツ・プサン(2007年)(ヨーコ)
- 観察 永遠に君を見つめて(2007年)(椎名美咲)
- Little DJ〜小さな恋の物語(2007年)(養護教師)
- 砂の影(2008年)(ユキエ)
- 銀色のシーズン(2008年)(役名不明)
- 全然大丈夫(2008年)(梅沢)
- 世界で一番美しい夜(2008年)(テレサ)
- 築地魚河岸三代目(2008年)(エリ)
- ぐるりのこと。(2008年)(隣人)
- 百万円と苦虫女(2008年)(浅野弥生)
- グーグーだって猫である(2008年)(高梨)
- イキガミ(2008年)(看護師)
- ハッピーフライト(2008年)(水野頼子)
- フィッシュストーリー(2009年)(波子)
- インスタント沼(2009年)(蒲田)
- 非女子図鑑 混浴heaven(2009年)(主演)
- 私は猫ストーカー(2009年)(真由子)
- ユリ子のアロマ(2010年)(ユリ子)
- 信さん・炭坑町のセレナーデ(2010年)(大浦寿美子)
- ラムネ(2010年)(役名不明)
- おのぼり物語(2010年)(不動産屋)
- 明日やること ゴミ出し 愛想笑い 恋愛。(2010年)(小谷美紀)
- ラブコメ(2010年)(アニメ番組プロデューサー)
- ヘヴンズ ストーリー(2010年)(カナ)
- 君へのメロディー(2010年)(梅島先生)
- 脇役物語(2010年)(ウェイトレス)
- アントキノイノチ(2011年)(少女の母親)
- 僕たちは世界を変えることができない。(2011年)(篠崎奈緒)
- 蜘蛛の糸(2011年)(救世観音菩薩)
- ヘルタースケルター(2012年)(役名不明)
- EDEN(2012年)(金姉)
- 横道世之介(2013年)(小暮京子)
- 戦争と一人の女(2013年)(女)
- マダム・マーマレードの異常な謎 やまわろわ(2013年)(役名不明)
- ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判(2015年)(大出佐知子)
- 彼らが本気で編むときは、(2017年)(金井)
- PとJK(2017年)(役名不明)
- いぬむこいり(2017年)(レイコ)
- 奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年)(役名不明)
- あさひなぐ(2017年)(寿慶)
- 最低。(2017年)(美沙)
- 愛がなんだ(2019年)(すみれ)
- 羊とオオカミの恋と殺人(2019年)(延命寺玲奈)
- スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年)(荒木寛子)
- 仮面病棟(2020年)(東野良子)
- 君が世界のはじまり(2020年)(楓)
- 事故物件 恐い間取り(2020年)(横水)
- ソワレ(2020年)(瀬山晶子)
- ツユクサ(2022年)(菊地妙子)
- 川っぺりムコリッタ(2022年)(中島)
- “それ”がいる森(2022年)(赤井爽子)
- BAD LANDS バッド・ランズ(2023年)(日野)
- アンダーカレント(2023年)(菅野よう子)
- あまろっく(2024年)(近松優子)
- お母さんが一緒(2024年)(弥生)
- もしも徳川家康が総理大臣になったら(2024年)(北条政子)
- ブルーピリオド(2024年)(大葉真由)
- 愛に乱暴(2024年)(初瀬桃子)
- 35年目のラブレター(2025年)(西畑佐和子)
- 少年と犬(2025年)(前田)
- 劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション(2025年)(牧志秀実)
テレビドラマ
- 警部補 佃次郎(2001年)(役名不明)
- ドラマスペシャル パラダイスチケット(2002年)(役名不明)
- スカイハイ(2003年)(役名不明)
- ラブ・レター(2003年)(役名不明)
- 愛しき者へ(2003年)(役名不明)
- 貫太ですッ!(2003年)(民子)
- WATER BOYS(2003年)(宝石店店員2)
- 朱夏 警視庁脅迫事件(2003年)(役名不明)
- 女子刑務所東三号棟(2003年)(役名不明)
- パートタイム探偵(2004年)(役名不明)
- こちら本池上署(2004年)(東恵理香)
- ファンタズマ〜呪いの館〜(2004年)(水沢祥子)
- 虹のかなた(2004年)(役名不明)
- ドラゴン桜(2005年)(暴走族のリーダー)
- 6月の花嫁2005 マリーゴールド(2005年)(役名不明)
- 時効警察(2006年)(サネイエ)
- 病院へ行こう!(2006年)(白石杏奈)
- 役者魂!(2006年)(役名不明)
- すみれの花咲く頃(2007年)(久保未来)
- トリハダ〜夜ふかしのあなたにゾクッとする話を(2007年)(役名不明)
- セクシーボイスアンドロボ(2007年)(役名不明)
- わたしが子どもだったころ(2007年)(役名不明)
- 世にも奇妙な物語(2007年)(友永先生)
- 1ポンドの福音(2008年)(シスターミリー)


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