エミリー・ハンプシャー(Emily Hampshire)はカナダ出身の著名な女優。クエリでは米国の女優と記されていますが、実際にはカナダのケベック州モントリオール生まれで、2014年に米国市民権を取得した二重国籍者です。
彼女は1994年からカナダの映画・テレビ業界で活躍を始め、数多くの作品でその演技力を発揮してきました。特に、CBCのコメディシリーズ『シットの・クリーク(2015-2020年)でステイヴィー・バッド役を演じ、5年連続でカナディアン・スクリーン・アワードを受賞するなど、国際的な評価を得ています。また、Syfyのドラマ『12モンキーズ(2015-2018年)でのジェニファー・ゴインズ役も記憶に残るものです。アニメ声優としても優れ、YTVの『ルビー・グルーム(2006-2008年)でミザリー役を務めました。2023年にはグラフィックノベル『アメリア・エアウッド – ベーシック・ウィッチ』を共著し、多才ぶりを示しています。彼女はパンセクシャルを公言しており、LAとトロントを拠点に活動を続けています。キャリアを通じて、約100のクレジットを持ち、カナダ映画界の重要な存在として知られています。
プロフィール
- 名前:エミリー・ハンプシャー(Emily Hampshire)
- 生年月日:1979~1981年
- 出生地:カナダ・ケベック州モントリオール
- 職業:女優
- 活動期間:1994年~現在
- 配偶者:マシュー・スミス(2006年結婚、2014年離婚)
生い立ちと教育
エミリー・ハンプシャー(Emily Hampshire)は、モントリオールの家庭で育ちました。父親のロバート・ハンプシャー氏は歯科医として働き、家族は安定した生活を送っていました。彼女の演技への興味は11歳の時に芽生えました。母親と一緒にミュージカル『レ・ミゼラブル』の公演を観劇したことがきっかけで、舞台の魅力に強く惹かれたのです。この体験は、彼女の人生の転機となりました。学校では、全女子のカトリック校に通い、劇場部の活動に熱心に取り組みました。ある学校の劇場公演で彼女の演技を副校長が絶賛したことが、自信をさらに高めました。
16歳の時、彼女はプロの女優になる決意をし、モントリオールからトロントへ移住しました。トロントではすぐにテレビや映画のオーディションを受け始め、キャリアの基盤を築きました。高校卒業後、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツへの入学が決まりましたが、ちょうどその頃に映画のオファーが舞い込み、進学を断念しました。この選択は正解で、すぐに本格的な仕事が舞い込むことになりました。教育面では、正式な演劇学校への通学は叶いませんでしたが、実践を通じてスキルを磨き、独自のスタイルを確立しました。幼少期のモントリオールでの生活は、彼女の多文化的な感性を養い、カナダのエンターテイメント業界への適応を容易にしました。
経歴
エミリー・ハンプシャーのキャリアは、1994年にニコロデオンのホラーアンソロジーシリーズ『アー・ユー・アフレイド・オブ・ザ・ダーク?』へのゲスト出演でスタートしました。この頃からカナダのテレビ界で注目を集め、1998年から2001年にかけてシットコム『メイド・イン・カナダ』でシオバン・ロイ役を演じ、15エピソードにわたり活躍しました。2000年代に入ると、映画界にも進出。1997年の『デッド・イノセント』でデビューし、1998年のロマンティック・コメディ『ボーイ・ミーツ・ガール』でアンジェリーナ役を務めました。1999年の『ザ・ライフ・ビフォア・ディス』はトロント国際映画祭でプレミア上映され、批評家から好評を博しました。2006年にはシガニー・ウィーバー主演の『スノー・ケイク』でヴィヴィアン役を演じ、ジェニー賞にノミネートされるなど、演技の幅を広げました。同年、『イッツ・ア・ボーイ・ガール・シング』やアニメ『ブレイスフェイス』、『アン・オブ・グリーン・ゲーブルズ:ジ・アニメイテッド・シリーズ』での声優仕事も手掛けました。2009年の『ザ・トロツキー』ではアレクサンドラ役で主演級の活躍を見せ、2010年のインディー映画『グッド・ネイバーズ』でも主演を務めました。
2012年は転機の年で、カンヌ映画祭でバークス・カナディアン・ダイヤモンド・アワードを受賞し、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『コスモポリス』に出演。同じく『マイ・オークワード・セクシャル・アドベンチャー』でカナディアン・コメディ・アワードを受賞しました。2013年の『オール・ザ・ロング・リーズンズ』も成功を収めました。2014年からは『12モンキーズ』でジェニファー役を演じ、シーズン2からレギュラーに昇格。並行して『シットの・クリーク』でステイヴィー役を5年間続け、5回のスクリーン・アワード、ゴールデン・メープル・アワード、SAGアンサンブル賞(2019年ノミネート、2020年受賞)を得ました。2015年のザビエル・ドラン監督『ジ・デス・アンド・ライフ・オブ・ジョン・F・ドノヴァン』も重要な作品です。
2021年には『チャペルウェイト』でレベッカ・モーガン役を主演し、2022年の『ジ・エンド・オブ・セックス』ではエグゼクティブ・プロデューサーも兼任。2023年は『ザ・リグ』でローズ・メイソン役を続け、『スリップ』、『セルフ・ライアンス』、『フィッティング・イン』、『アペンデージ』、『ザ・マッタキーン・ファミリー』に出演。2024年の『ヒューメイン』でレイチェル・ヨーク役を演じました。将来的には『マイク&ニック&ニック&アリス(ポストプロダクション)と『ビジョン・クエスト(2026年、声優)があります。ジェニー賞ノミネート(2003,2004,2006年)やジェミニ賞(2008年)もキャリアのハイライトです。彼女の経歴は、カナダの才能を世界に発信するものです。
私生活
エミリー・ハンプシャーの私生活は、キャリアの忙しさの中で穏やかに展開してきました。2006年に元フットボール選手でウィリアム・モリス・エージェンシーのエージェント見習いだったマシュー・スミス氏と結婚しましたが、2014年に『シットの・クリーク』への出演直前に離婚しました。この時期は彼女の人生の大きな変化の時でした。2018年9月にはシンガーソングライターのテディ・ガイガー氏と交際を始め、同年11月に婚約しましたが、2019年6月10日に破局を発表しました。この経験は、彼女の感情表現の深みを増したと語っています。2007年にロサンゼルスへ移住し、2014年9月に米国市民権を取得。二重国籍としてLAとトロントを行き来する生活を送っています。
2023年のCBCインタビューで、パンセクシャルであることを公表し、LGBTQ+コミュニティへの支援を積極的に示しました。グラフィックノベルの共著など、創作活動も私生活の充実を表しています。家族との絆を大切にし、母親との思い出をしばしば振り返る彼女は、プライベートを尊重しつつ、公の場でポジティブなメッセージを発信しています。健康管理にも努め、ヨガや瞑想を取り入れ、精神的なバランスを保っています。ソーシャルメディアでは、ファンとの交流を楽しみ、日常のささやかな喜びを共有しています。
出演作品
エミリー・ハンプシャーは、多様なジャンルの作品に多数出演しています。以下に主なものを挙げます。
映画
- ボーイ・ミーツ・ガール(1998年、アンジェリーナ役)
- ザ・ライフ・ビフォア・ディス(1999年、マーガレット役)
- スノー・ケイク(2006年、ヴィヴィアン役)
- イッツ・ア・ボーイ・ガール・シング(2006年、シャネル役)
- ザ・トロツキー(2009年、アレクサンドラ役)
- グッド・ネイバーズ(2010年、ルイーズ役)
- コスモポリス(2012年、ジェーン・メルマン役)
- マイ・オークワード・セクシャル・アドベンチャー(2012年、ジュリア・ボウ役)
- オール・ザ・ロング・リーズンズ(2013年、ニコール役)
- ジ・デス・アンド・ライフ・オブ・ジョン・F・ドノヴァン(2018年、エイミー・ボスワース役)
- ジ・エンド・オブ・セックス(2022年、エマ役年、エグゼクティブ・プロデューサー)
- セルフ・ライアンス(2023年、メアリー役)
- Fitting In(2023年、リタ役)
- アペンデージ(2023年、クラウディア役)
- ザ・マッタキーン・ファミリー(2023年、リア役)
- ヒューメイン(2024年、レイチェル・ヨーク役)
- マイク&ニック&ニック&アリス(TBA、ポストプロダクション)
TV
- アー・ユー・アフレイド・オブ・ザ・ダーク?(1994-1996年、サンディ/ヘザー役)
- メイド・イン・カナダ(1998-2001年、シオバン・ロイ役)
- ラ・ファム・ニキータ(2000年、サティン・テイト役)
- ブレイスフェイス(2001-2004年、声優アリソン役)
- アン・オブ・グリーン・ゲーブルズ:ジ・アニメイテッド・シリーズ(2001-2002年、声優ダイアナ・バリー役)
- ルビー・グルーム(2006-2008年、声優ミザリー役)
- 12モンキーズ(2015-2018年、ジェニファー・ゴインズ役)
- シットの・クリーク(2015-2020年、ステイヴィー・バッド役)
- チャペルウェイト(2021年、レベッカ・モーガン役)
- ザ・リグ(2023年-現在、ローズ・メイソン役)
- スリップ(2023年、サンディ役)
- ビジョン・クエスト(2026年、声優E.D.I.T.H.役年、ポストプロダクション)
これらの作品を通じて、彼女の演技の多様性が際立っています。

 
 




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