『ゴーステッド Ghosted』（2023年）は、米国製作のロマンティック・コメディ、アクション・アドベンチャー映画。クリス・エヴァンスとアナ・デ・アルマスが主演を務め、恋愛とスパイ・アクションが融合した作品で、Apple TV+にて2023年4月21日に配信開始されました。監督はデクスター・フレッチャー、脚本はレット・リースらが担当しました。
基本情報
- 邦題：ゴーステッド Ghosted
- 原題：Ghosted
- 公開年：2023年
- 製作国：米国
- 上映時間：116分
- ジャンル：アクション、恋愛、アドベンチャー・冒険
概要
『ゴーステッド Ghosted』（2023年）は、クリス・エヴァンスとアナ・デ・アルマス主演のロマンティック・コメディ・アクション映画。実直な青年コールが、CIAエージェントのセイディと出会い、恋に落ちるが、彼女の正体を知り国際的なミッションに巻き込まれる。Apple TV+で2023年4月21日配信開始。
あらすじ
実直な青年コール（クリス・エヴァンス）は、ワシントンD.C.の農産物市場で謎めいた女性セイディ（アナ・デ・アルマス）と出会い、一夜を共にするほど意気投合します。連絡先を交換し、運命の相手だと感じたコールですが、セイディからの返信がなく「ゴーステッド（既読スルー）」状態に。彼女を追いかけてロンドンへ向かったコールは、そこでセイディがCIAのエージェントであることを知ります。突然、国際的なミッションに巻き込まれたコールは、セイディと共に危険な冒険を繰り広げ、世界を救うために奮闘します。ロマンスとアクションが交錯する中、二人の関係は予想外の展開を迎えます。
解説
『ゴーステッド Ghosted』は、伝統的なアクション映画の男女の役割を逆転させた点が特徴です。通常、スパイ映画では男性がエージェントとして活躍し、女性が巻き込まれる側として描かれることが多いですが、本作ではアナ・デ・アルマス演じるセイディが有能なCIAエージェント、クリス・エヴァンス演じるコールが一般人として危険な状況に放り込まれます。この設定は、トム・クルーズとキャメロン・ディアス主演の『ナイト＆デイ』（2010）を彷彿とさせますが、現代的なジェンダー観を反映したアプローチが新鮮です。
映画はロマンティック・コメディの軽快な雰囲気から始まり、後半ではスパイ映画らしいアクションシーンへと展開します。パキスタンの山岳地帯やカリブ海の島、アメリカの高速回転レストランなど、多彩なロケーションでのアクションが視覚的に魅力的です。しかし、批評家からは「アクションとコメディのバランスが不安定」「ストーリーの深みに欠ける」との声もあり、全体の評価は賛否両論でした。それでも、豪華なカメオ出演（セバスチャン・スタンやアンソニー・マッキーなど）や、クリス・エヴァンスとアナ・デ・アルマスのケミストリーが観客を引きつけ、Apple TV+で最も視聴された映画デビュー作となりました。
女優の活躍
アナ・デ・アルマスは、本作でCIAエージェントのセイディを演じ、アクションとコメディの両方で際立った存在感を示しました。彼女は『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』（2021年）でのCIAエージェント役で注目を集めており、本作でもその経験を活かし、華麗なアクションと魅力的なキャラクターを体現しています。セイディは冷静沈着で戦闘能力が高く、コールに対して時に冷たく、時に情熱的な態度を見せる複雑な役どころです。アナ・デ・アルマスは、アクションシーンでのキレのある動きや、コミカルな場面での自然な演技で、観客に強い印象を残しました。彼女の出演時間は限られていませんが、物語の中心として作品を牽引し、新時代のアクション女優としての地位を確立しています。
当初、セイディ役はスカーレット・ヨハンソンが予定されていましたが、スケジュールの都合で降板し、アナ・デ・アルマスが起用されました。これにより、クリス・エヴァンスとは『ナイブズ・アウト／名探偵と刃の館の秘密』（2019年）、『グレイマン』（2022年）に続く3度目の共演となり、二人の息の合った演技が本作の魅力の一つです。
女優の衣装・化粧・髪型
アナ・デ・アルマス演じるセイディの衣装は、彼女のCIAエージェントとしての役割を反映し、機能的かつスタイリッシュにデザインされています。冒頭のデートシーンでは、カジュアルでありながら女性らしい柔らかい色調のドレスやトップスを着用し、親しみやすい魅力を強調。ロンドンやパキスタンでのアクションシーンでは、動きやすさを重視したダークトーンのタクティカルウェアやレザージャケットが登場し、戦闘時のタフな一面を表現しています。これらの衣装は、セイディの二面性—ロマンティックな女性とプロのエージェント—を見事に視覚化しています。
化粧はシーンに応じて変化し、デートシーンではナチュラルメイクで柔らかな美しさを引き立て、アクションシーンでは控えめなメイクで実用性を優先。髪型は、普段はゆるくウェーブのかかったミディアムヘアで女性らしさを保ちつつ、任務中はポニーテールやまとめ髪で機能性を確保。こうした変化は、セイディのキャラクターの多面性を強調し、アナ・デ・アルマスの魅力を最大限に引き出しています。
キャスト
- クリス・エヴァンス（コール・ターナー）：農産物市場で働く実直な青年。セイディに恋し、彼女を追って危険な冒険に巻き込まれる。
- アナ・デ・アルマス（セイディ・ローズ）：CIAのエージェント。謎めいた魅力と高い戦闘能力を持つ。
- エイドリアン・ブロディ（ルヴェック）：敵役として登場。アナ・デ・アルマスとは『ブロンド』（2022年）でも共演。
- マイク・モー：脇役としてアクションシーンを盛り上げる。
- エイミー・セダリス：コメディ要素を加える脇役。
- ティム・ブレイク・ネルソン：重要な脇役として物語を補強。
- テイト・ドノヴァン：サポート役として出演。
カメオ出演として、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキーなど、マーベル作品の俳優陣が友情出演。
スタッフ
- 監督：デクスター・フレッチャー（『ロケットマン』）
- 脚本：レット・リース、ポール・ワーニック（『デッドプール』シリーズ）、クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ（『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』）
- 原案：レット・リース、ポール・ワーニック
- 音楽：ローン・バルフェ
- 撮影：サルヴァトーレ・トティーノ
- 製作：Appleスタジオ、スカイダンス・メディア
配信：Apple TV+（2023年4月21日開始）
総括
『ゴーステッド Ghosted』は、クリス・エヴァンスとアナ・デ・アルマスのケミストリーを活かし、ロマンスとアクションを融合させたエンターテインメント作品です。アナ・デ・アルマスのアクション女優としての魅力と、セイディの多面的なキャラクター造形が特に際立ちます。衣装や髪型の変化も彼女の魅力を引き立て、物語に深みを加えています。賛否両論あるものの、軽快なコメディと派手なアクションを楽しみたい視聴者にはおすすめの作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い