『ナポリ湾』は1960年に公開された米国製コメディ映画。親権をめぐる対立から生まれる恋愛模様がユーモラスに描かれ、イタリアの美しいナポリ湾やカプリ島の風景が舞台となるロマンティック・コメディです。歌とダンスの魅力的なシーンも満載で、当時の観客を魅了しました。
クラーク・ゲーブルが演じるフィラデルフィアの弁護士がナポリを訪れ、亡くなった兄の遺産整理をする中で、甥っ子ナンドとその叔母であるキャバレー歌手ルシア(ソフィア・ローレン)に出会います。
基本情報
- 邦題:ナポリ湾
- 原題:IT STARTED IN NAPLES
- 公開年:1960年
- 製作国・地域:アメリカ合衆国
- 上映時間:100分
- ジャンル:コメディ
公式予告編『ナポリ湾』(1960年、クラーク・ゲーブル、ソフィア・ローレン、ヴィットリオ・デ・シーカ)
女優の活躍
ソフィア・ローレンはルシア・クルシオ役で本作の主役級の活躍を見せます。キャバレーの踊り子として活発で魅力的な性格を演じ分け、マイケルとの対立から恋愛への移行を自然に表現しています。特にステージでの歌とダンスシーンでは、観客を魅了するエネルギッシュなパフォーマンスを披露します。
ルシアは自由奔放ながらも甥ナンドを深く愛する強い女性像を体現しており、親権争いの中で意志の強さを示します。クラーク・ゲーブルとのロマンティックなシーンでは、年齢差を感じさせない化学反応を生み出しています。ローレンは本作でコメディタッチの演技を存分に発揮し、歌唱力とダンススキルも光ります。彼女の存在感が物語全体を明るく牽引しています。
女優の衣装・化粧・髪型
ソフィア・ローレン演じるルシアは、キャバレーのステージ衣装としてボディラインを美しく強調したフィットしたドレスを着用しています。露出を抑えつつグラマラスさを際立たせるデザインが多く、華やかな装飾や光沢素材が用いられています。カジュアルシーンではシンプルなブラウスやスカート姿も見られ、イタリアらしい軽やかなファッションが特徴です。
化粧は1960年代らしい華やかさで、目元を強調したキャットアイのアイライナーと、鮮やかなローズピンクや赤のリップメイクが施されています。肌は自然な輝きを保ち、全体的に健康的で魅力的な印象を与えます。髪型はボリュームのあるダークブラウンのウェーブヘアが基本で、ステージではアップスタイルや華やかなアレンジを加え、動きやすさと美しさを両立させています。これらのスタイルはローレンの自然な美しさを最大限に引き立て、映画の視覚的な魅力を高めています。
あらすじ
フィラデルフィアの弁護士マイケル・ハミルトンは、友人のイタリア人弁護士マリオ・ヴィターレと共に、事故で亡くなった兄ジョセフの財産整理のためナポリを訪れます。兄は10年前に妻を捨ててイタリアに移り住み、現地の女性との間に息子ナンドをもうけていました。ナンドは現在8歳で、母方の叔母であるルシア・クルシオが面倒を見ています。
ルシアはカプリ島のキャバレーで踊り子として働いており、ナンドはタバコを吸ったり、学校に行かなかったりと自由奔放に育てられています。マイケルはルシアの子育てのやり方に腹を立て、ナンドをアメリカに連れて帰ってきちんとした教育を受けさせようとします。しかしナンド自身はイタリアの生活を好み、ルシアも甥の意思を尊重します。
二人はナンドの親権をめぐって何度も対立しますが、次第に惹かれ合うようになります。マイケルは当初の結婚予定を忘れ、イタリアでの生活を選ぶことになります。美しいナポリ湾やカプリ島の風景の中で、ユーモアたっぷりのやり取りとロマンスが展開します。
解説
映画『ナポリ湾』は軽快なロマンティック・コメディとして、ナポリとカプリ島の美しい風景を背景に人間ドラマを描いています。クラーク・ゲーブルにとっては生前に公開された最後の映画となり、ソフィア・ローレンの魅力が存分に発揮された点が評価されています。撮影はローマ、ナポリ、カプリ島のロケーションで行われ、テクニカラーによる鮮やかな色彩がイタリアの魅力を引き立てます。
親権争いというシリアスなテーマをユーモアで包み、異文化間の恋愛や家族の絆をコミカルに表現しています。ヴィットリオ・デ・シーカの脇役も味を添えています。美術部門でアカデミー賞にノミネートされたように、セットや衣装のセンスも秀逸です。当時の観客には、ゲーブルとローレンの年齢差を超えたケミストリーが新鮮でした。
全体として、1960年代初頭のハリウッドとイタリア共和国映画の融合を感じさせる作品です。歌とダンスのシーンが物語のハイライトとなっており、観る者に明るい気分を与えます。
キャスト
- マイケル・ハミルトン:クラーク・ゲーブル
- ルシア・クルシオ:ソフィア・ローレン
- マリオ・ヴィターレ:ヴィットリオ・デ・シーカ
- ナンド・ハミルトン:カルロ・アンジェレッティ
- レンゾ:パオロ・カルリーニ
- ジェナリエロ:ジョヴァンニ・フィリドーロ
- ルイージ:クラウディオ・エルメリ
スタッフ
- 監督:メルヴィル・シェイヴィルソン
- 脚本:メルヴィル・シェイヴィルソン、ジャック・ローズ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ
- 製作:ジャック・ローズ
- 撮影:ロバート・サーティーズ
- 編集:フランク・ブラヒト
- 音楽:アレッサンドロ・チコニーニ、カルロ・サヴィーナ



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