キム・セロン（김새론）は韓国の女優。2001年モデルとしてデビューし、2009年映画『旅行者』で注目を集めた。『アジョシ』で大ブレイクし、若手実力派として活躍。2022年の飲酒運転事故後、活動を縮小。2025年2月、24歳で死去。
プロフィール
- 生年月日：2000年7月31日
- 出生地：韓国ソウル特別市
- 没年月日：2025年2月16日（24歳没）
- 死没地：韓国ソウル特別市城東区
- 国籍：韓国
- 身長：168cm
- 血液型：B型
- 職業：女優
- ジャンル：映画、テレビドラマ
- 活動期間：2001年～2022年、2024年
- 著名な家族：キム・アロン（妹）、キム・イェロン（妹）
- 事務所：GOLD MEDALIST entertainment
各種表記
- ハングル：김새론
- 漢字：金賽綸
- 発音：キム・セロン
- ローマ字：Kim Sae-ron
生い立ち・教育
キム・セロン（김새론）は、2000年7月31日、韓国ソウル特別市城北区吉音洞に3姉妹の長女として生まれました。名前「セロン」は「新しい」という意味の純韓国語で、両親が彼女に新しい時代を切り開く存在になってほしいとの願いを込めて命名しました。家族構成は両親と2人の妹（キム・アロン、キム・イェロン）で、妹たちも一時期、芸能活動を行っていました。キム・アロンは映画『バービー』（2012年）に出演し、キム・イェロンは『猫：死を見ることができる二つの目』（2011年）に出演しましたが、後に芸能活動を控えました。特にキム・アロンはソウル公演芸術高等学校の実用舞踊科を2021年に卒業し、歌手を目指しています。一方、キム・イェロンはリズミック体操に興味を持ち、2013年頃からその道を歩みました。
キム・セロンの学歴は、幼少期から芸能活動と並行して進学を続けた努力家の一面を反映しています。彼女はソウル吉音初等学校に入学後、ソウル美陽初等学校、陽日初等学校を経て、陽日中学校を卒業しました。その後、ソウル公演芸術高等学校（2016年入学）で学び、大学は中央大学芸術大学の公演映像創作学部に進学しましたが、後に休学しています。学業と多忙な芸能活動を両立させるのは容易ではなかったものの、彼女はインタビューで「学ぶことは好き」と語り、自己成長への意欲を示していました。特に、演技に関連する知識や技術を深めるため、大学進学を選んだことが知られています。
経歴
キム・セロンの芸能活動は、2001年に1歳の時に雑誌『アンファン』の表紙モデルとして始まりました。9歳だった2009年、映画『旅行者』で1000対1のオーディションを勝ち抜き、映画デビューを果たします。この作品は第62回カンヌ国際映画祭に招待され、彼女は最年少級のレッドカーペット登場者として世界的に注目されました。翌2010年、映画『アジョシ』でウォンビンの相手役・ソミを演じ、一躍スターに。この作品は617万人の観客を動員し、彼女は韓国映画大賞の新人女優賞を含む複数の賞を受賞しました。批評家のイ・ドンジンは「『アジョシ』で最も優れた演技をしたのはキム・セロン」と絶賛し、彼女の感情表現の深さが評価されました。
その後も『隣人 The Neighbors』（2012年）、『バービー』（2012年）、『マンシン』（2014年）、『マンホール』（2014年）、『道熙』（2014年）など、多彩な映画に出演。『道熙』では青龍映画賞の新人女優賞を受賞し、15歳までにカンヌ映画祭のレッドカーペットを2度踏む快挙を達成しました。テレビドラマでは『私の心が聞こえる？』（2011年）、『女王の教室』（2013年）、『ハイスクール：ラブオン』（2014年）で活躍し、2016年のJTBCドラマ『魔女宝鑑』で初の成人主演を務め、1人2役の難しい演技を披露して高い評価を受けました。
2016年11月、YGエンターテインメントに移籍しましたが、2019年に契約終了。2020年にはゴールドメダリストと契約を結び、2021年のドラマ『優越無双ガドゥシム』に出演。しかし、2022年5月18日、ソウル江南区で飲酒運転による事故を起こし、電柱や変圧器を破損して逃走。この事件で罰金2000万ウォンを科され、KBSの出演禁止リストに登録されました。これにより芸能活動は大幅に縮小し、2023年のNetflixドラマ『猟犬たち』では一部シーンが編集されるなど、キャリアに大きな打撃を受けました。2024年には舞台『ドンチミ』で復帰を試みましたが、健康上の理由で降板。2025年には映画『ギターマン』の公開を控えていましたが、公開前に悲劇的な結末を迎えました。
私生活
キム・セロンは明るく社交的な性格で知られ、CLCのクォン・ウンビン、チョン・ソミ、Red Velvetのイェリ、AKMUのイ・スヒョンら同世代の芸能人と親交がありました。特にチョン・ソミとは年齢差を越えた友情を築き、気さくに話しかける彼女の姿勢が好評でした。趣味は料理で、友人に手料理を振る舞うのが好きだったとされ、インタビューでは「友達が電話してくると『ご飯食べた？』と聞く」と語っています。彼女のInstagramストーリーでは、ミントチョコやドラゴンフルーツを好むなど、個性的な食の好みも垣間見えました。
一方、彼女の私生活には困難も伴いました。2018年のテレビ番組『知ってるお兄さん』で、初等学校時代にいじめを受けていたことを告白。帰宅途中に靴袋がなくなったり、悪口が書かれた紙を見つけたりした経験を語り、強い精神力で乗り越えたことを明かしました。2022年の飲酒運転事故後は、オンラインでの批判やメディアの報道に悩まされ、精神的な負担が大きかったとされます。2024年11月から2025年2月にかけて、彼女は米国で知人と複数回会い、2025年1月12日に非公開で結婚したと報じられました。しかし、夫との関係を巡る論争や、元所属事務所の7億ウォンの債務問題に関する報道が続き、彼女の精神状態に影響を与えた可能性が指摘されています。2025年1月26日、彼女の最後のInstagramストーリーは、ASTROのムンビンの誕生日を追悼する投稿でした。
出演作品
以下はキム・セロンの主な出演作品です。
映画
- 旅行者（2009年）：カンヌ映画祭招待、初主演
- アジョシ（2010年）：ウォンビンと共演、617万観客動員
- 隣人 The Neighbors（2012年）
- バービー（2012年）：妹キム・アロンと共演
- マンシン（2014年）
- マンホール（2014年）
- 道熙（2014年）：青龍映画賞新人女優賞
- 雪路（2017年）
- 近所の人々（2018年）
- ギターマン（2025年、遺作）
TV
- 私の心が聞こえる？（2011年）
- 女王の教室（2013年）
- ハイスクール：ラブオン（2014年）：天使役で明るい演技
- 魔女宝鑑（2016年）：初の成人主演、1人2役
- 優越無双ガドゥシム（2020年）
- 猟犬たち（2023年）：Netflix、事故後一部編集
その他
- 舞台『ドンチミ（2024年、降板）
- バラエティ番組『知ってるお兄さん（2018年）、『私的集会（2020年）など
まとめ
キム・セロンは子役から成人俳優へと成長し、深い感情表現と多彩な役柄で韓国映画・ドラマ界に大きな足跡を残しました。しかし、飲酒運転事件後の過酷な批判や私生活の困難が彼女の人生に影を落とし、2025年2月16日、ソウル聖水洞の自宅で自ら命を絶ったとみられています。警察は外部侵入や他殺の痕跡がないと発表し、遺書も見つかっていません。彼女の死は、韓国芸能界の過酷な環境やオンラインでの誹謗中傷の問題を浮き彫りにしました。
キム・セロンの短くも輝かしいキャリアと情熱は、ファンや映画界に永遠に記憶されるでしょう。彼女の作品を通じて、その才能は今後も多くの人々に感動を与え続けるはずです。
レビュー 作品の感想や女優への思い