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混血児リカ ひとりゆくさすらい旅

「見どころ」にPR表現を含みます。

『混血児リカ ひとりゆくさすらい旅』は1973年公開の日本映画で、シリーズ第2作。少年院を脱走した日米混血の少女リカが、横浜に戻り、親友花子の狂人化を知ります。使いの少女ミドリが射殺され、花子の行方を追う中で、黒幕の田中海運社長に挑みます。凡天太郎の劇画を原作とし、エロスとアクションが交錯するスケバン映画の続編で、青森の三沢まで舞台を広げたさすらいの旅を描きます。

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基本情報

  • 原題:混血児リカ ひとりゆくさすらい旅
  • 公開年:1973年
  • 原作者:凡天太郎
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女優の活躍

前作に引き続き、本作『混血児リカ ひとりゆくさすらい旅』の主演女優も青木リカさん。彼女の本名はシャロン・リー吉田で、1953年生まれの日米ハーフの女性です。公開当時は20歳で、前作に続き主役を務めました。オーディションで抜擢された新人として、学生時代に陸上競技や空手を経験していたため、激しいアクションシーンを自らこなしています。演技は硬質ですが、ハーフ独特のエキゾチックな存在感が際立ち、シリーズの顔として活躍しました。

この作品では、さすらいの旅を体現し、復讐の炎を燃やすリカ役を熱演しています。NETの深夜番組『23時ショー』でカバーガールを務め、主題歌も歌唱しており、多才さを発揮しています。

しかし、女優継続の意欲は低く、シリーズ終了後に東映の『学生やくざ』にゲスト出演した後、引退しました。

彼女の活躍は、1970年代のビッチ・ムーヴィー史上に輝くもので、権力や暴力に立ち向かう姿が印象的です。批評家からは、演技の硬さが逆に惨めさや孤高の魅力を生み出していると評価されています。中野貴雄さんは、青年座の役者たちとの共演で作品の質を高めていると指摘しています。高護さんは、ヘヴィでダーティな世界観の中で彼女のナチュラルな存在が光ると絶賛しています。磯田勉さんは、新藤兼人の反米思想が彼女の役を通じて表現されていると分析しています。進藤七生さんは、彼女の演技が観客に惨めな感情を呼び起こすと述べています。藤木TDCさんは、多彩なジャンル要素の中で彼女の新生面を発見できると評しています。

彼女の活躍は、低予算ながら実験的な娯楽作品として、ポルノとスケバンの時代に貴重な足跡を残しました。オーディション抜擢の新人として、令和の目線ではコンプライアンスに抵触しそうな大胆な役柄をこなした点が、昭和のガールクラッシュを象徴しています。シリーズを通じて、リカのさすらいの旅や人間味を加え、単なるアクション女優以上の深みを加えています。

彼女の歌唱した主題歌は、ビッチ歌謡の最高傑作とされ、ナチュラルな声質が作品の雰囲気を高めています。全体として、青木リカさんの活躍は、1970年代の日本映画界に新風を吹き込んだものと言えます。彼女のエキゾチックな魅力が、混血児という設定を活かした独自のポジションを確立しました。アクションのキレの良さは、空手経験が基盤となっており、男どもをなぎ倒すシーンで特に発揮されています。第2作では、青森の三沢での暴れっぷりが加わり、彼女の演技の幅を広げています。批評家たちの多様な意見からも、彼女の演技が作品の孤高の地位を支えていることがわかります。彼女の引退は惜しまれますが、短いキャリアの中でインパクトを残しました。

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女優の衣装・化粧・髪型

青木リカさんの衣装は、前作に続き斬新なタトゥー・ルックが特徴です。これは原作者の凡天太郎さんがデザインしたもので、サイケデリックな刺青風の模様が施されたものです。

フォーリーブスのシングルジャケットやモハメド・アリのリングガウンに似た先端ファッションで、ホットパンツ姿で登場します。刺青マントを翻しながらキックを繰り出す姿が印象的で、エロスを強調したデザインとなっています。

化粧は、タトゥー・ルックに沿ったエロティックなものを施しており、ハーフのエキゾチックな顔立ちを活かした濃いめのアイメイクやリップが想定されます。

髪型については詳細な記述はありませんが、1970年代のスケバン映画らしいワイルドでボリュームのあるスタイルで、アクションシーンに適した動きやすいものだったと思われます。

全体として、衣装は炎の女を象徴する真っ赤な要素を取り入れ、ドスを頼りの野郎たちへの怒りを視覚的に表現しています。このタトゥー・ルックは、シリーズを通じてリカのトレードマークとなり、復讐の象徴として機能します。予告編の映像からも、刺青マントをひるがえすダイナミックな姿が確認でき、衣装のインパクトが作品の魅力を高めています。化粧は、性的虐待のトラウマを反映したハードな印象を与え、髪型はさすらいの旅にふさわしいラフな感じです。低予算のオール・ロケ撮影の中で、こうした衣装が視覚効果を最大限に発揮しました。批評家からは、このファッションがヘヴィでダーティな世界観を強調していると指摘されています。

青木リカさんの自然な体型が、ホットパンツのアクティブさを引き立てています。メイクの詳細はエロス中心ですが、新人らしいナチュラルさを残しています。髪型は、戦う女性のイメージに合ったショートやミディアムで、風になびくシーンが多いです。この衣装・化粧・髪型は、1970年代のビッチ・ムーヴィーの象徴として、後世に語り継がれています。

第2作では、青森の寒冷地でのシーンでも、タトゥー・ルックがリカの強さを象徴しています。

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あらすじ

少年院を脱走したリカは、懐かしい横浜に戻ります。そこで、親友の花子が狂人化したことを知らされます。花子のもとに使いの少女ミドリを向かわせますが、ミドリは射殺されてしまいます。リカは花子の行方不明を追及し、黒幕が田中海運の社長であると睨みます。リカは社長のもとに殴り込みをかけ、激しい戦いを繰り広げます。

物語は、エロスとアクションが交錯する中で、リカの孤独な戦いを描きます。原作の凡天太郎の劇画を基に、混血児としてのアイデンティティが強調され、男社会への反発がテーマとなっています。クライマックスでは、リカの復讐が頂点に達し、激しい対決が展開されます。

この第2作は、シリーズの基盤を広げ、青森の三沢まで舞台を移します。低予算ながら、横浜のロケ地を活かしたリアルな描写が魅力です。新藤兼人の脚本が、反米思想や女性の応援歌を織り交ぜています。リカの行動は、性的虐待のトラウマから生まれるもので、男への怒りが原動力です。少年院脱走後の描写も詳細で、緊張感を高めます。青森での出来事は、シリーズの象徴的なシーンです。

あらすじは、復讐劇としてシンプルですが、アクションの連続が娯楽性を高めています。花子の故郷に向かったリカは、沈没事故のあった田中海運の東北丸の船上パーティーに呼ばれたまま行方不明であると知ります。やがて全ての黒幕の正体が田中海運の社長であると睨んだリカは、怒りに燃えて行動します。全体を通じて、リカのさすらいと正義の追求が一貫しています。

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解説

本作は、1973年4月7日に公開されたシリーズ第2作です。上映時間は約83分で、カラー、シネスコサイズです。

東宝の外部プロ作品として製作され、スケバン映画ブームの影響を受けつつ、低予算のオール・ロケで展開されます。監督の中平康さんが続投し、脚本の新藤兼人さんが反米思想や女性のエンパワーメントを込めています。青木リカさんのハーフ役がエキゾチックに描かれ、刺青ルックの衣装が復讐の象徴として機能します。批評家からは、ヘヴィでダーティな世界観が評価され、高護さんはビッチ・ムーヴィーの孤高の傑作と絶賛しています。藤木TDCさんは、多彩なジャンル要素を取り込んだ実験的な娯楽作品だと指摘しています。中野貴雄さんは、青年座の役者たちの演技が質を高めていると評しています。製作背景として、第1作の好評を受けて急遽続編が企画され、1973年に2作が連続公開されました。音楽の竹村次郎さんが、独特の緊張感を加えています。

令和の視点では、コンプライアンスに抵触しそうな大胆な表現が、昭和のガールクラッシュを象徴しています。シリーズ全体のテーマである混血児の逆境を活かし、さすらいの旅がリカのキャラクターを深めています。アクションの優位性が際立ち、東映のメジャー路線とは一線を画した独自のスタイルが魅力です。

解説では、低予算の負のパワーが作品のエネルギーを生んでいる点が強調されます。2025年4月16日にDVDとして再リリースされ、予告編やスチールギャラリーが特典です。全体として、ポルノとスケバンの時代に貴重な作品で、青森の三沢でリカが暴れるシーンがシリーズ最高傑作の呼び声高いです。

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キャスト

  • 青木リカ:リカ役(主演)
  • 峰岸隆之介
  • 殿山泰司
  • 鈴木瑞穂
  • 鈴木やすし
  • 田崎晴彦
  • 藤木孝
  • 浜かおる

スタッフ

  • 監督:中平康
  • 脚本:新藤兼人
  • 原作:凡天太郎
  • 製作:安西一人、高島道吉
  • 音楽:竹村次郎
  • 撮影:杉田安久利
  • 制作会社:オフィス二○三(近代映画協会)
  • 配給:東宝

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