『戦争 はだかの兵隊』は1959年に公開されたイタリア映画で、第一次世界大戦を舞台にした反戦コメディ。監督はマリオ・モニチェリで、主演のヴィットリオ・ガスマンとアルベルト・ソルディが、二人の臆病な兵士の友情と戦争の残酷さを描写。
ユーモアを交えながらも、戦争の恐怖をリアルに表現し、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。上映時間は135分で、イタリアの貧しい兵士たちの視点から国家の神話を崩壊させる作品です。
基本情報
- 邦題:戦争 はだかの兵隊
- 原題:LA GRANDE GUERRA
- 公開年:1959年
- 製作国・地域:イタリア
- 上映時間:135分
女優の活躍
本作で主な女優として活躍するのは、シルヴァーナ・マーニョです。彼女はコンスタンティーナという娼婦の役を演じ、戦場近くで兵士たちにサービスを提供する人物として登場します。この役柄を通じて、戦争の荒廃の中で人間的な温かみや優しさを体現し、物語に深みを加えています。マーニョの演技は、男中心の戦争映画の中で貴重な女性の視点を提供し、兵士たちの孤独や欲望を際立たせます。
彼女のシーンは、主に兵士たちが休息を取る場面で展開され、ユーモラスなやり取りを通じてキャラクターの内面を表現します。特に、主人公の一人であるジョヴァンニ・ブサッカ(ヴィットリオ・ガスマン)と関わるエピソードでは、単なる娼婦ではなく、心の優しい女性として描かれ、戦争の非人間性を強調します。マーニョの存在は、映画全体のコメディ要素を支えつつ、ドラマチックな転換点を生み出しています。
また、他の女優としてニコラ・ロッシ・レミニやティベリオ・ムルツィアが出演していますが、マーニョの活躍が最も目立ちます。彼女の役は、戦時下の女性の苦難を象徴し、観客に強い印象を残します。この演技により、マーニョはイタリア映画界での地位をさらに固めました。
女優の衣装・化粧・髪型
シルヴァーナ・マーニョの衣装は、1950年代のイタリア風で、シンプルながらも魅力的なドレスが主です。娼婦の役柄に合わせて、露出の少ない実用的な服装が多く、戦時下の質素さを反映しています。布地はコットンやウールのような素材を使い、動きやすいデザインが特徴です。全体的に、地味な色調で戦争の厳しさを表していますが、彼女の美しさを引き立てるよう工夫されています。
化粧については、自然で控えめなスタイルが採用されています。リップは淡い赤で、アイメイクは軽く、肌はナチュラルに仕上げられています。これは、白黒映画の特性を考慮し、コントラストを活かしたメイクです。戦場近くの設定のため、過度な華やかさは避け、疲労や現実味を加えるために薄化粧が中心です。それでも、マーニョの端正な顔立ちが際立ち、魅力的に映ります。
髪型は、ウェーブのかかったミディアムヘアが主流で、ゆるく巻かれたスタイルです。戦時下の女性らしく、ピンで留めたり、シンプルにまとめたりしています。シーンによっては、乱れた髪で感情の揺らぎを表現し、役の深みを増しています。この髪型は、1950年代のグラマラスなイメージを保ちつつ、役柄に適した実用性を備えています。全体として、衣装・化粧・髪型が調和し、マーニョのエレガントな魅力を強調します。
あらすじ
物語は1916年のイタリアを舞台に始まります。徴兵を避けようとする二人の男、オレステ・ジャコヴァッチ(アルベルト・ソルディ)とジョヴァンニ・ブサッカ(ヴィットリオ・ガスマン)が、偶然出会います。彼らは賄賂を使って逃れようとしますが、失敗し、軍隊に編入されます。ピオーヴェ川の前線で、厳しい訓練と戦闘に直面します。二人は常に怠惰で、戦いを避ける策を講じますが、徐々に友情が芽生えます。
中盤では、様々なエピソードが展開されます。例えば、頭を剃られる罰を受けたり、娼館を訪れたり、家族への手紙を書いたりします。コンスタンティーナ(シルヴァーナ・マーニョ)との出会いが、ユーモアと温かみを加えます。彼らは金銭を分け合い、未亡人を助けたり、危険な任務に志願したりしますが、常に臆病さがコミカルに描かれます。戦争の残酷さが徐々に明らかになり、兵士たちの疎外感が強調されます。
クライマックスでは、二人が見捨てられた前哨基地に残され、敵軍に包囲されます。英雄的な行動を取るものの、皮肉な結末を迎えます。このあらすじを通じて、戦争の無意味さと人間の弱さが描かれます。コメディの要素が強いですが、後半はドラマチックに転じ、観客に深い感動を与えます。
全体として、エピソード形式で進み、兵舎の騒動や聖職者の失敗、皮肉な死などが織り交ぜられます。二人の成長と犠牲が、反戦のメッセージを強く伝えています。
解説
この映画は、第一次世界大戦のイタリア戦線を背景に、国家の神話を崩壊させる革新的な作品です。監督のマリオ・モニチェリは、コメディとドラマを融合させ、戦争の無意味さを鋭く批判します。従来の英雄譚とは異なり、貧しい兵士たちの視点から、残酷な将軍や無駄な戦いを描き、イタリア国民の苦しみを浮き彫りにします。これにより、戦後イタリア映画の転換点となりました。
ユーモアの使い方が秀逸で、主人公たちの怠惰な行動が笑いを誘いますが、背景に戦争の恐怖が常にあり、観客を現実に戻します。ヴィットリオ・ガスマンとアルベルト・ソルディの演技が、キャラクターの人間味を豊かに表現し、映画の魅力を高めています。また、シルヴァーナ・マーニョの役は、戦争下の女性の立場を象徴し、社会的な深みを加えています。
受賞歴も豊富で、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞をはじめ、オスカー外国語映画賞にノミネートされました。撮影のジュゼッペ・ロトゥンノや美術のマリオ・ガルブリアが、広大なセットで戦場のリアリティを創出しています。この作品は、今日でも反戦映画の傑作として評価され、多くの映画ファンに影響を与え続けています。
さらに、映画はイタリアのネオレアリズモの影響を受けつつ、コメディの要素を加えることで大衆性を獲得しました。戦後の復興期に制作され、国家の過去を振り返る役割を果たしました。全体として、娯楽性とメッセージのバランスが優れています。
キャスト
- ヴィットリオ・ガスマン:ジョヴァンニ・ブサッカ(怠惰で賢い兵士)
- アルベルト・ソルディ:オレステ・ジャコヴァッチ(臆病な相棒)
- シルヴァーナ・マーニョ:コンスタンティーナ(心優しい娼婦)
- フォルコ・ルッリ:ボルディン兵卒
- ベルナール・ブリエ:カスティリオーニ大尉
- ロモロ・ヴァッリ:ガッロッティ中尉
- リヴィオ・ロレンツォン:コスタンティーニ軍曹
- ティベリオ・ムルツィア:ロサリオ・ニコデーモ
- フェルッチオ・アメンドーラ:デ・コンシーニ
- ジェラール・エルテル:フォン・シュヴァルツ大尉
- ニコラ・ロッシ・レミニ:将軍
- マリオ・ヴァルデマリン:参謀将校
- カルロ・ダンジェロ:カピターニ
- エルザ・ヴァッツォレル:ボルディンの妻
- マリアリオレ・カペッティ:娼婦
スタッフ
- 監督:マリオ・モニチェリ
- 脚本:アジェノーレ・インクロッチ、フリオ・スカルペッリ、ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ、マリオ・モニチェリ
- 製作:ディノ・デ・ラウレンティス
- 撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ、ロベルト・ゲラルディ
- 美術:マリオ・ガルブリア
- 音楽:ニーノ・ロータ
- 編集:アドリアーナ・ノヴェッリ
- 衣装:ダニーロ・ドナーティ
- 録音:オスカー・デ・アルカンジェリス
- 特殊効果:アウグスト・サルヴァティ
- 助監督:マウロ・ボロニーニ
- 製作総指揮:カルロ・ポンティ




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