「Mercy／マーシー」は元軍医のミシェルが病院を占拠したアイルランドマフィアと戦うアクション映画。息子を人質に取られ、過去の戦闘技術を駆使して生存をかけた戦いに挑む。監督はトニー・ディーン・スミス、主演はリア・ギブソン。
基本情報
- 邦題：Mercy／マーシー
- 原題：Mercy
- 公開年：2023年
- 製作国：米国
- 上映時間：95分
- ジャンル：アクション
あらすじ
映画「Mercy／マーシー」は、アメリカのアクション映画で、元軍医の女性医師ミシェル・ミラー（リア・ギブソン）が主人公です。ミシェルは、アフガニスタンでの従軍中に夫ジェフリーを爆弾爆発で失い、自身も身体に爆発の傷跡を負っています。夫の死は彼女のオペ中に起こり、爆弾を解除できなかったことがトラウマとなっています。現在、彼女はマーシー病院で外傷外科医として働き、息子のボビー（アンソニー・ボロネーゼ）と暮らしています。ミシェルは冷静な判断力と迅速な決断で命を救うことで知られています。
一方、FBI捜査官マクブライド（ケイトリン・ストライカー）とエリス（セバスチャン・ロバーツ）は、アイルランド系マフィア「クイン・ギャング・ブラザーフッド」の一員であるライアン・クイン（アンソニー・コネチニー）を逮捕します。ライアンは、凶悪な犯罪一家の長パトリック・“パディ”・クイン（ジョン・ヴォイト）とその息子ショーン・クイン（ジョナサン・リス・マイヤーズ）の家族の一員です。ライアンを拘束中のFBIは、ショーン率いるマフィアの襲撃を受け、護送車が襲われます。負傷したライアンはマーシー病院に搬送され、そこでミシェルが治療にあたります。
しかし、ショーンとその手下たちが病院を占拠し、ライアンの奪還を企てます。さらに、ミシェルの息子ボビーが人質に取られ、彼女は絶体絶命の危機に直面。FBIや警察の支援が期待できない中、ミシェルは軍医としての戦闘技術と冷静な判断力を駆使し、病院内でマフィアとの壮絶な戦いに挑みます。彼女は息子を救うため、肉体的な戦闘や戦略を展開し、過去のトラウマを乗り越えながら戦います。物語は、緊張感あふれるアクションとミシェルの内面的な葛藤が交錯する展開で進みます。
解説
「Mercy／マーシー」は、アクション映画の定型である「ダイ・ハード」シリーズに似た構造を持つ作品です。閉鎖空間（病院）での攻防戦、孤立した主人公、家族を守るための戦いという要素は、アクション映画の王道を踏襲しています。しかし、本作は主人公が女性である点や、軍医としての過去が強調されることで独自性を出しています。ミシェルのキャラクターは、単なるアクション・ヒーローではなく、トラウマを抱えながらも母としての強さとプロフェッショナリズムを併せ持つ複層的な人物として描かれています。
映画のテーマは、生存、家族、過去の克服です。ミシェルの夫の死や身体の傷跡は、彼女の精神的な脆さと強さを同時に表現し、観客に感情移入を促します。アクションシーンは、銃撃戦や肉弾戦が中心で、特にミシェルの軍医としての経験が活かされる戦闘シーンはリアリティがあります。ただし、一部の批評家からは「B級アクション映画の域を出ない」「ストーリーが単純すぎる」との声もあり、深みやオリジナリティに欠ける点が指摘されています。それでも、短い上映時間（85分）とテンポの良さで、アクション映画ファンには楽しめる作品となっています。
女優の活躍
主演のリア・ギブソン（ミシェル・ミラー役）は、本作で身体的・精神的な強さを兼ね備えたヒーローを演じ、注目を集めました。ギブソンはカナダ出身の女優で、テレビシリーズ「ジェシカ・ジョーンズ」や「ウォッチメン」などでの脇役で知られていましたが、本作で初の主演級の役割を獲得。彼女の演技は、ミシェルのトラウマと母性をバランスよく表現し、特にアクションシーンでの身体能力が際立っています。レビューでは、ギブソンが「驚くほど機能的なアクションを披露」「ダンスの経験を活かしたしなやかな動き」と評価されており、肉体的な役柄への適応力が高く評価されています。
ギブソンは、感情的なシーンでも繊細な演技を見せ、夫の死や息子への愛を表現する場面で観客の共感を呼びます。特に、病院占拠の緊迫感の中で冷静さを保ちつつ、息子を守るために奮闘する姿は、彼女の演技の幅を示しています。批評家からは「B級映画の枠を超える存在感」と称賛される一方、脚本の限界からキャラクターの深掘りが不足しているとの意見もあります。それでも、ギブソンのパフォーマンスは本作の最大の見どころの一つです。
女優の衣装・化粧・髪型
リア・ギブソンの衣装は、ミシェルの職業と状況を反映した実用的なものが中心です。病院シーンでは、白衣やスクラブといった医療従事者らしい服装が主で、機能性を重視したシンプルなデザインです。アクションシーンでは、動きやすさを優先したカジュアルな服（ジーンズやタンクトップ）に変わり、彼女の身体の傷跡が強調される場面もあります。これにより、ミシェルの過去の戦場経験が視覚的に表現されています。
化粧は、医師としてのプロフェッショナルな印象を与えるため、最小限に抑えられています。ナチュラルメイクで、汗や血糊が加わることで戦闘の過酷さが強調されます。特に、アクションシーンでのメイクは、傷や汚れをリアルに再現し、ミシェルの過酷な状況を視覚化しています。
髪型は、ミシェルの実践的な性格を反映し、シンプルなポニーテールやまとめ髪が主です。戦闘シーンでは髪が乱れ、彼女の奮闘を強調。ギブソンのブロンドの髪は、アクションシーンでのダイナミックな動きと相まって、視覚的なインパクトを与えています。レビューでは、彼女の外見が「アクション・バービー」と例えられるほど、力強さと美しさが融合したスタイルが特徴的です。
キャスト
- リア・ギブソン（ミシェル・ミラー役）：元軍医で病院の外傷外科医。息子を守るためマフィアと戦う主人公。
- ジョナサン・リス・マイヤーズ（ショーン・クイン役）：アイルランドマフィアの冷酷なリーダー。
- ジョン・ヴォイト（パトリック・“パディ”・クイン役）：マフィアの家長で、家族の犯罪を統括。
- アンソニー・ボロネーゼ（ボビー・ミラー役）：ミシェルの息子で、人質となる。
- ケイトリン・ストライカー（マクブライド役）：FBI捜査官。
- セバスチャン・ロバーツ（エリス役）：FBI捜査官で、マクブライドの相棒。
- アンソニー・コネチニー（ライアン・クイン役）：逮捕されたマフィアの一員。
スタッフ
- 監督：トニー・ディーン・スミス：カナダ出身の監督で、「Strangers」「Volition」などの作品で知られる。アクションとサスペンスのバランスを重視。
- 脚本：アレックス・ライト：本作のストーリーを構築。シンプルだが緊張感のある脚本を提供。
- 製作：チャールズ・クーパー、ジェイソン・バーク、ショーン・ウィリアムソン
- 撮影：ジェイソン・ハビンス
- 編集：ショーン・マクゴーワン
- 音楽：サム・ブラック
まとめ
「Mercy／マーシー」は、リア・ギブソンの力強い演技とアクションシーンが光る作品です。ミシェルのトラウマと母性を描きつつ、病院という閉鎖空間での緊張感ある戦いを展開。衣装や髪型は実用性を重視し、彼女の戦士としての側面を強調しています。B級映画の枠を超えることは難しいものの、短い上映時間とテンポの良さでアクション映画ファンに楽しめる一作です。キャストとスタッフの努力により、限られた予算の中で緊張感とエンターテインメント性を提供しています。
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