映画『裸の復讐』は、1985年に公開された米国製のエクスプロイテーション映画。原題は「NAKED VENGEANCE」で、レイプ・リベンジ映画のジャンルを代表する作品として知られています。主人公の女優カーラ・ハリスが、夫の殺害と自身の凄惨な暴行被害を受け、加害者たちへの復讐を果たす物語を描きます。監督はシリオ・H・サンティアゴで、激しい暴力描写と緊張感のある展開が特徴です。上映時間は97分で、フィリピンでのロケも行われました。
基本情報
- 邦題:裸の復讐
- 原題:NAKED VENGEANCE
- 公開年:1985年
- 製作国・地域:アメリカ
- 上映時間:97分
女優の活躍
映画『裸の復讐』の主演を務めるデボラ・トラネリは、主人公カーラ・ハリスを演じています。彼女はTV番組「Dallas」で知られる女優で、この映画では小規模な女優から復讐鬼へと変貌する複雑な役柄を熱演します。トラネリはアクションシーンをスタントなしでこなしており、身体を張ったパフォーマンスが注目を集めています。また、テーマソング「Still Got a Love」を自ら歌唱しており、多才ぶりを発揮しています。
トラネリの演技は、批評家から「献身的なMVP」と評価されています。最初は愛らしい妻として描かれ、被害後はトラウマを抱えた自信ある女性、そして冷徹な復讐者へと移行する過程を自然に表現します。特に、レイプシーンの激しい感情描写では、プロフェッショナルな没入度が高く、観客に強い印象を残します。彼女の演技は、映画の低予算ながらもリアリティを高め、ジャンルファンから支持されています。
さらに、トラネリは本作が唯一の主演映画作品であり、テレビキャリアとのギャップが興味深い点です。復讐シーンの緊張感ある動きや、感情の爆発的な表現は、彼女の女優としての幅広さを示しています。この活躍により、映画はエクスプロイテーションの枠を超えた深みを持っています。
女優の衣装・化粧・髪型
デボラ・トラネリの衣装は、物語の進行に合わせて変化します。序盤では、裕福な生活を象徴するエレガントなドレスやカジュアルな日常着が登場します。例えば、夫との記念日ディナーシーンでは、上品なワンピースを着用し、洗練された印象を与えています。被害後には、復讐のために実用的で動きやすい服装に移行し、ジーンズやシャツ、ジャケットなどが主になります。これらの衣装は、彼女の変貌を視覚的に強調します。
化粧については、自然で控えめなものが基調です。初期のシーンでは、軽いメイクアップで美しい女優像を演出しますが、暴行後のシーンでは、傷跡や血痕を表現した特殊メイクが施され、リアリティを高めています。復讐パートでは、化粧を最小限に抑え、素顔に近い状態で登場し、キャラクターの内面的な強さを表しています。メイクチームの工夫により、トラウマの影響が視覚的に伝わります。
髪型は、1980年代らしいロングヘアで、軽くウェーブがかかったスタイルです。序盤は丁寧にセットされた髪型で優雅さを演出しますが、物語が進むにつれ、乱れたり束ねたりした実用的な形になります。特に、森や湖のシーンでは、自然な流れが強調され、ヌードシーンとの相乗効果を生んでいます。この髪型は、トラネリの顔立ちを引き立て、復讐者のイメージを強めています。
あらすじ
物語は、女優のカーラ・ハリスが夫のマークと幸せな生活を送るシーンから始まります。結婚記念日の夜、レストランの駐車場で女性が襲われているのを目撃し、マークが助けようとしたところ、犯人に射殺されてしまいます。警察は犯人を捕まえられず、カーラは絶望します。傷心のカーラは故郷の小さな町、シルバーレイクに両親のもとへ戻ります。そこで、幼なじみのエステルや夫のスロブと再会しますが、地元の男たちから嫌がらせを受けます。
ある夜、ガソリンスタンドの従業員バークとスパーキーら6人の男たちがカーラの家に侵入し、彼女を輪姦します。両親が帰宅すると、男たちはショットガンで両親を殺害し、カーラを死んだものとして放置します。カーラは奇跡的に生き残り、病院に運ばれますが、復讐を誓い、脱走します。まず、バーテンダーのレイを誘惑し、銃を奪ってワインをかけ、火をつけて殺します。次に、バークをナイフで刺し、ボートに結びつけて溺死させます。
続いて、スパーキーをガソリンスタンドで車の下敷きにし、アーニーをアイスキューブマシンに押し込みます。保安官のジョン・ケイツやフレッチらがカーラを追いますが、彼女は実家を燃やしながら脱出します。最後に、フレッチを精肉店でショットガンで射殺します。2ヶ月後、ニューヨークで夫の殺人犯を誘惑し、射殺して復讐を完遂します。このあらすじは、悲劇から復讐への移行を緊張感を持って描いています。
解説
『裸の復讐』は、レイプ・リベンジ映画の典型例で、1978年の「I Spit on Your Grave」の影響を強く受けています。監督のシリオ・H・サンティアゴは、フィリピン出身のベテランで、低予算アクション映画を得意とします。本作は、エクスプロイテーションの要素を満載し、暴力描写が過激ですが、主人公の女性が自力で復讐を果たす点で、女性のエンパワーメントを象徴します。撮影はロサンゼルス、ニューヨーク、フィリピンで行われ、町のセットがフィリピンで代用されています。
映画のテーマは、女性への暴力と社会の無関心です。町の男たちがほぼ全員加害者として描かれ、警察の無能さが強調されます。これにより、観客に強い衝撃を与え、復讐の正当性を問いかけます。デボラ・トラネリの演技は、映画の低予算を補う力強いもので、ヌードシーンやアクションがジャンルの定番です。音楽はロン・ジョーンズが担当し、テーマソングが印象的です。
公開当時、R指定を受けましたが、無修正版が97分存在します。批評は賛否両論で、暴力の過剰さを批判する声もありますが、ジャンルファンからは隠れた名作として評価されます。後年のブルーレイ・リリースでは、ヌードシーンのクロップ違いが話題になりました。この作品は、1980年代のB級映画文化を反映しています。
キャスト
- デボラ・トラネリ:カーラ・ハリス
- カズ・ガラス:フレッチ
- ビル・マクラフリン:ジョン・ケイツ保安官
- エド・クリック:バーク
- テレンス・オハラ:マーク・ハリス
- カルメン・アルゲンシアーノ:ルッソ刑事
- ニック・ニコルソン:スパーキー
- ドン・ゴードン・ベル:アーニー
- デビッド・ライト:レイ
- スティーブ・ロデリック:ティミー
- ジョセフ・ズッケロ:フェローズ医師
- ヘレン・マクネリー:オルソン夫人
- ドック・マッコイ:オルソン氏
- ヘンリー・ストルザルコウスキー:フランク・ウィンストン副保安官
- バーバラ・ピアーズ:エステル
- ジョージ・E・マールバーグ:ジョージ・ブッチ
スタッフ
- 監督:シリオ・H・サンティアゴ
- 脚本:ライリー・アスケュー、アンソニー・マハラジ
- 製作:アンソニー・マハラジ、シリオ・H・サンティアゴ
- 撮影:リカルド・レミアス
- 編集:ノア・ブロウ、パシフィコ・サンチェス
- 音楽:ロン・ジョーンズ、マイケル・クルーズ
- メイクアップ・アーティスト:テレサ・メルカデル、ノーマ・レミアス
- ワードローブ・スタイリスト:グロリア・ガルシア、レミア・メンドーサ、エルビー・サントス
- タイトルデザイナー:ロバート・ウルリッヒ
- スティルフォトグラファー:ニロ・オディアマン


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