ピセイ・パオ（Pisay Pao）はカンボジア系アメリカ人の女優で、1984年11月1日、タイの難民キャンプ生まれ。Syfyのテレビシリーズ「Z Nation」のカサンドラ役で知られます。芸術に早くから興味を持ち、ファッションと演技の道へ進んだ。女性の権利擁護にも積極的。
プロフィール
- 名前：ピサイ・パオ（Pisay Pao）
- 生年月日：1984年11月1日（40歳）
- 出生地：タイ（難民キャンプ）
- 職業：女優
- 活動期間：2005年から現在
- SNSサイト：Instagram・Youtube・X・Facebook
生い立ち・教育
ピセイ・パオは、1984年11月1日、タイの難民キャンプで生まれました。彼女の両親はカンボジア内戦中の政治的迫害を逃れるため、カンボジアからタイへ逃亡しました。1986年に両親はアメリカへの政治亡命を認められ、家族はワシントン州シアトルに移住しました。パオはそこで育ち、幼少期から絵画、ダンス、演技などの芸術に強い関心を示しました。カンボジアの伝統的なバレエを3歳から学び、ヒップホップやオデッシ（インドの古典舞踊）にも親しみました。しかし、両親の期待に応え、学業に専念することを求められ、ワシントン大学に奨学金を得て入学しました。大学では1年間学びましたが、自身の情熱が学術的な道ではなく、ファッションとパフォーミングアーツにあると感じ、中退を決意。後にデザイン学校に進み、ファッションの分野で学びを深めました。この決断は、彼女のその後のキャリアの基盤を築く重要な転機となりました。
経歴
パオの芸能界でのキャリアは、デザイン学校卒業後にモデルとして活動を始めたことからスタートしました。友人のモデル／女優を通じてタレントエージェントと出会い、すぐに最初の全国的なコマーシャル出演を獲得。その後、地元のコマーシャルや映画に出演しながら経験を積みました。2005年に映画「Simply Fabulous」でチャンティリー役を演じ、女優としてのデビューを果たしました。2009年の「The Whole Truth」では知名度を上げ、観客にその演技力を印象づけました。彼女の代表作は、2014年から2018年まで放送されたSyfyのポストアポカリプスドラマ「Z Nation」でのカサンドラ役です。この役では、ゾンビ・アポカリプスを生き延びる生存者として、複雑な過去を持つキャラクターを熱演。カサンドラはフィラデルフィアの生存者グループで「囮」として活動していた過去を持ち、後にゾンビと人間のハイブリッドとなる重要な役どころでした。
パオはシアトルでの活動を経て、2011年にロサンゼルスに移住。移住後すぐに、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品に出演する機会を得ました。さらに、「Velvet Buzzsaw」（2019年）や「Doom Patrol」（「Slava」役）などの映画やテレビシリーズにも出演し、ジェイク・ジレンホールやレネー・ルッソといった著名な俳優と共演。また、ニューヨークのアンサンブル・スタジオ・シアターで上演されたサム・チャンス作の舞台「what you are now」にも出演し、演技の幅を広げました。パオはコミックブック・コンベンションに頻繁に参加し、ファンとの交流を楽しんでいます。彼女はマーベル・コミックスのスーパーヒーロー「ストーム」を演じることを夢見ており、その情熱を公言しています。
私生活
ピセイ・パオは私生活を比較的プライベートに保つ傾向がありますが、いくつかの情報が公開されています。彼女はクリスチャンであり、両親のカンボジア内戦からの逃亡劇が自身の仕事や人生に対するインスピレーションとなっていると述べています。2001年に初めてカンボジアを訪れ、現地に残る家族と再会しました。この経験は、彼女のアイデンティティやルーツに対する意識を深めるきっかけとなりました。また、女性の権利擁護に熱心で、社会的な問題に対して声を上げることを重視しています。
パオの名前「ピセイ」はカンボジア語で「愛される者」を意味し、発音は「ピーサイ」ですが、英語圏では「パーセイ」と自己紹介することが多いです。彼女は水辺にいることを愛する一方、幼少期の溺れそうになった経験から泳ぐことへの恐怖心を抱いています。趣味としては、ダンスやスノーボードを楽しんでおり、特にヒップホップダンスに情熱を注いでいます。彼女にはニュージーランドのオークランドに住む異母兄弟がいます。パオは高校時代に「最も世界を変える可能性がある人物」に選ばれましたが、10年後の同窓会時点では仕事がなく、キャリアに迷っていた時期もあったと明かしています。
一部の情報源では、2016年に「Z Nation」で共演したナット・ザン（Nat Zang）との交際の噂が報じられましたが、公式な確認はなく、彼女は現在独身とされています。パオは自身のソーシャルメディア（インスタグラム：@pisaypao、X：@pisaypao）を通じてファンと交流し、活動の最新情報を共有しています。
出演作品
ピセイ・パオの主な出演作品は以下の通りです。
TV
- Z Nation（2014年～2018年、カサンドラ役、シーズン1～2レギュラー、シーズン3ゲスト出演）
- Doom Patrol（2019年～、スラヴァ役、「Hair Patrol」「Dad Patrol」「Wax Patrol」）
映画
- Simply Fabulous（2005年、チャンティリー役）
- The Whole Truth（2009年）
- Bitter Melons（2018年）
- We Take The Low Road（2019年）
- Velvet Buzzsaw（2019年）
- Your Lucky Day（2010年）
舞台
- what you are now（サム・チャンス作、ニューヨーク・アンサンブル・スタジオ・シアター）その他、複数の短編映画やコマーシャルに出演し、キャリアを積み重ねています。彼女の演技は、感情的な深みと強い存在感で評価されており、特に「Z Nation」でのカサンドラ役は、彼女の代表作として広く認知されています。
レビュー 作品の感想や女優への思い