2025年6月3日、映画業界の有力メディアである「Deadline」や「バラエティ」などが報じたところによると、人気ビデオゲーム「Split Fiction」を原作とした映画の製作権を、Amazon MGM Studiosが獲得する最終交渉に入っているとのことです。この映画には、人気女優のシドニー・スウィーニーが主演としてキャスティングされており、監督は「ウィキッド」や「クレイジー・リッチ!」で知られるジョン・M・チュウ(Jon M. Chu)が務めます。また、脚本は「デッドプール&ウルヴァリン」の成功で注目を集める脚本家コンビ、レット・リースとポール・ワーニックが担当します。このプロジェクトは、ゲームの発売からわずか数か月で映画化が進行するほどの注目度を誇っています。
「Split Fiction」とは?
「Split Fiction」は、2025年3月6日にHazelight Studiosが開発し、エレクトロニック・アーツ(EA)がパブリッシャーとしてPlayStation 5、Xbox Series X/S、PC向けにリリースしたアクションアドベンチャーゲームです。Nintendo Switch 2向けには2025年6月5日の発売が予定されています。このゲームは、協力プレイ(co-op)を中心としたゲームデザインで、2人のプレイヤーが画面分割(split-screen)で異なるキャラクターを操作しながら冒険を進める形式が特徴です。
物語の中心となるのは、2人の作家、ミオ・ハドソンとゾーイ・フォスターです。彼女たちは、AIを活用して作家のアイデアを盗む技術を持つ「Rader Publishing」という架空のテック企業によって、自分たちが創作した物語の世界に閉じ込められてしまいます。ミオはSF(サイエンスフィクション)、ゾーイはファンタジーの作家で、それぞれの得意ジャンルにインスパイアされた世界を冒険しながら、協力して脱出を目指します。ゲームは、異なるジャンルの世界を行き来するユニークなストーリー展開や、協力プレイならではのダイナミックなゲームプレイが評価され、発売からわずか1週間で200万本、2か月後には400万本以上を売り上げる大ヒットを記録しました。
映画化の詳細
キャストとスタッフ
シドニー・スウィーニー
主演として名を連ねるシドニー・スウィーニーは、HBOのドラマ「Euphoria」や映画「エニワン・バット・ユー」、「イマキュレート」などで広く知られる若手実力派女優です。彼女はミオまたはゾーイのどちらかの役を演じるとされていますが、具体的な役柄はまだ発表されていません。また、彼女はこの映画でエグゼクティブ・プロデューサーとしても参加し、製作面でも影響力を発揮します。スウィーニーは最近、別のビデオゲーム「OutRun」の映画化にも関与しており、ゲーム原作映画への積極的な取り組みが注目されています。
ジョン・M・チュウ
監督を務めるジョン・M・チュウは、ミュージカル映画「ウィキッド」や「イン・ザ・ハイツ」、「クレイジー・リッチ!」などで知られ、視覚的に鮮やかでエンターテインメント性の高い作品を得意とします。彼の演出により、「Split Fiction」のSFとファンタジーが融合した世界観がどのように描かれるのか、期待が高まっています。
レット・リース&ポール・ワーニック
脚本を手掛けるこのコンビは、「デッドプール」シリーズや「ゾンビランド」などのヒット作で知られ、ユーモアとアクションを巧みに組み合わせたストーリーテリングに定評があります。彼らの参加により、映画はゲームのダイナミックな雰囲気を保ちつつ、ウィットに富んだ会話や魅力的なキャラクターが期待されます。
製作陣
映画は、マイク・ゴールドバーグとドミトリー・M・ジョンソンが設立したStory Kitchenと、チュウの製作会社Electric Somewhereがプロデュースします。Story Kitchenは、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「トゥームレイダー」などのゲーム原作映画で成功を収めており、ゲームから映像への橋渡しを得意とするプロダクションです。
Amazon MGM Studiosの関与
Amazon MGM Studiosがこの映画の製作権を獲得する交渉を進めていると報じられており、契約金額は200万ドル以上とされています。このプロジェクトにはソニーなど他の大手スタジオも関心を示し、激しい入札競争が繰り広げられました。Amazon MGM Studiosは、Hazelight Studiosの過去の作品「It Takes Two」の映画化も手掛けており、ゲーム原作映画への投資に積極的です。この背景には、「スーパーマリオブラザーズ・ムービー」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「マインクラフト・ムービー」などの成功により、ビデオゲーム原作映画がハリウッドで大きな注目を集めていることがあります。
映画の内容と期待される要素
映画「Split Fiction」は、ゲームの核となる「協力」と「ジャンルの融合」をどう映像化するかが注目ポイントです。ゲームでは、ミオとゾーイがそれぞれ異なるスキルを使って協力し、SFとファンタジーの世界を行き来しながら冒険を進めるため、映画でもこのダイナミックな世界観やキャラクター間の掛け合いが重要になると考えられます。スウィーニーのスター性、チュウの視覚的センス、リース&ワーニックの軽快な脚本が組み合わさることで、ゲームの魅力を活かしつつ、幅広い観客にアピールする作品が期待されます。
また、映画は現在キャスティングの初期段階にあり、スウィーニーの共演者(ミオまたはゾーイのもう一方の役)やその他のキャラクターに関する情報はまだ公開されていません。撮影スケジュールや公開時期についても具体的な発表はなく、プロジェクトはまだ初期段階にあるとされています。
背景と意義
ビデオゲーム映画のトレンド
近年、ビデオゲームを原作とした映画がハリウッドで大きな成功を収めています。「スーパーマリオブラザーズ・ムービー」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズ、「マインクラフト・ムービー」などのヒットを受け、スタジオはゲームの知的財産(IP)を積極的に映画化しています。「Split Fiction」の映画化もこのトレンドの一環であり、発売直後の大ヒットと高い評価が、迅速な映画化の決定につながったと考えられます。他にも「ゼルダの伝説」や「ギアーズ・オブ・ウォー」、「モータルコンバットII」などのゲーム原作映画が進行中であり、ゲームと映画の融合が今後も加速しそうです。
シドニー・スウィーニーのキャリアにおける位置づけ
シドニー・スウィーニーは、ドラマやロマンティックコメディ、ホラーなど幅広いジャンルで活躍してきましたが、「Split Fiction」は彼女にとって初の本格的なアクションアドベンチャー映画となります。エグゼクティブ・プロデューサーとしての役割も含め、彼女のキャリアにおける新たな挑戦となるでしょう。また、同時期に「OutRun」の映画化にも関与しており、ゲーム原作映画のキーパーソンとしての地位を築きつつあります。
Hazelight Studiosの成功
開発元のHazelight Studiosは、協力プレイを重視したゲームデザインで知られ、過去の作品「It Takes Two」(2021年ゲーム・オブ・ザ・イヤー受賞)や「A Way Out」でも高い評価を受けました。「Split Fiction」の成功は、スタジオのクリエイティブな力を改めて示すものであり、映画化を通じてその世界観がさらに多くの人に届くことが期待されます。スタジオの創設者ヨセフ・ファレス(Josef Fares)は、ストーリーテリングとゲームプレイの融合に定評があり、彼のビジョンが映画にも反映される可能性があります。
今後の展望
「Split Fiction」の映画化は、ゲームの発売からわずか数か月でのプロジェクト始動という異例のスピードで進んでいます。Amazon MGM Studiosが正式に契約を結べば、製作はさらに加速し、2026年以降の公開が現実的になるかもしれません。スウィーニーが演じるキャラクター(ミオまたはゾーイ)や、共演者のキャスティング、映画がゲームのどの要素を強調するのかなど、今後の情報が注目されます。
また、ゲームの協力プレイや画面分割の要素を、映画という単一の視聴体験にどう落とし込むかは、チュウ監督や脚本家の腕の見せ所です。ゲームのファンは、ミオとゾーイの関係性や、SFとファンタジーが交錯するユニークな世界観が忠実に再現されることを期待しているでしょう。一方で、ゲーム未プレイの観客にも楽しめるよう、アクションとユーモア、感情的なドラマがバランスよく描かれることが求められます。
まとめ
「Split Fiction」の映画化は、シドニー・スウィーニー主演、ジョン・M・チュウ監督、レット・リースとポール・ワーニック脚本による注目のプロジェクトです。Amazon MGM Studiosが200万ドル以上の契約で獲得を目指しており、ゲームの発売からわずか数か月での映画化決定は、その人気とポテンシャルの高さを物語っています。SFとファンタジーが融合した物語、協力プレイのダイナミズム、そして豪華なキャスト・スタッフ陣により、ビデオゲーム映画の新たなヒット作となる可能性を秘めています。今後、キャスティングや製作の進捗に関する続報が待たれます。
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