夜の悪女 | なむ語る

1965年に公開された日本映画『夜の悪女』は、夜の青春シリーズ第5作目。観光ガイドを装った売春クラブを舞台に、男と女の騙し合いを描いた作品です。

梅宮辰夫がビラ配りや社長を繰り返す男を、緑魔子が経営者となる女性を演じます。違法風俗の現実をコミカルに表現し、当時の社会の裏側を暴露します。監督は村山新治で、上映時間は85分です。

基本情報
女優の活躍
女優の衣装・化粧・髪型
あらすじ
解説
キャスト
スタッフ

基本情報

原題：夜の悪女
公開年：1965年
製作国・地域：日本

女優の活躍

『夜の悪女』では、複数の女優が重要な役割を果たしています。

特に、緑魔子さんがガイドクラブの経営者役を演じ、物語の中心として活躍します。彼女は梅宮辰夫さんにだまし取られた金を奪い返そうとする女性で、オシャレでビッチなキャラクターを魅力的に表現しています。レビューでは、緑魔子さんのモノローグが悪態まみれで冷笑的である点が評価され、笑えるようで笑えない複雑な心理を体現しています。また、ハンドバッグの奪い合いシーンでは、彼女の演技がコミカルさを強調します。

大原麗子さんが近所に住む女性役を務め、若くて溌溂とした姿で登場します。大原麗子さんは、本作でカワイイ印象を与え、梅宮辰夫さんとの絡みで物語に活気を与えています。レビューでは、特に大原麗子さんの若々しい活躍が魅力であると指摘されます。

城野ゆきさんがガイドクラブに関わる女性役を演じ、脇役ながら存在感を発揮します。関千恵子さんが別の女性役で参加し、クラブの雰囲気を支えています。久里千春さんがホステスやガイド役で、物語の裏側を描くシーンに貢献します。浦辺粂子さんが年配の女性役で、左卜全さんとのシーンで早送り風のコミカルな演技を披露します。

これらの女優たちは、夜の青春シリーズの特色である日陰の世界での男と女の騙し合いを、コミカルに表現しています。緑魔子さんの経営者への変貌は、シリーズの女性像を象徴し、大原麗子さんの溌溂さは新鮮さを加えています。

全体として、女優たちの活躍は、違法風俗のエグい内容を軽妙に描き、観客に印象を残します。レビューでは、緑魔子さんのビッチな役がマストであると称賛され、大原麗子さんのカワイさが特に好評です。このように、女優たちはそれぞれの役柄を通じて、欲望と騙しの人間模様を演じ、本作のコメディ調を支えています。シリーズ全体で女性の活躍が目立つ中、本作はソフトでコミカルな側面を強調しています。

女優の衣装・化粧・髪型

『夜の悪女』の女優たちの衣装、化粧、髪型は、1960年代の都市部風俗を反映したスタイルが特徴です。

緑魔子さんの役では、オシャレでビッチなイメージを強調したドレスやスカートが中心で、クラブ経営者らしい華やかな衣装が用いられます。化粧は濃いめのリップとアイメイクで、冷笑的な表情を際立たせます。髪型はウェーブのかかったミディアムヘアが多く、ハンドバッグの奪い合いシーンで乱れる様子がコミカルさを加えます。レビューでは、緑魔子さんのファッションがオシャレであると評価されます。

大原麗子さんの役は、若々しい近所の女性らしいシンプルなワンピースやブラウスで、化粧は自然で溌溂とした印象を与えます。髪型はストレートのロングヘアで、カワイイ魅力を引き出しています。

城野ゆきさんの衣装は、ガイドクラブの女性らしいミニスカート中心で、化粧は魅惑的、髪型はアップスタイルです。関千恵子さんの役では、ホステス風のドレスが登場し、化粧はシャープで、髪型はショートカットです。久里千春さんの衣装は、日常着からクラブウェアへ移行し、化粧は明るく、髪型はボブスタイルです。浦辺粂子さんの役は、地味な和服やスカートで、化粧は控えめ、髪型はまとめ髪です。

全体的に、衣装はガイドクラブの違法風俗を象徴する派手さと実用性を兼ね備えています。化粧は役柄の性格を反映し、ビッチさや溌溂さを強調します。髪型は当時の流行を基に、シーンに応じて変化します。これらの要素は、物語の軽妙さと絶望感を視覚的に支え、女優たちの活躍を際立たせています。

レビューでは、ヘアスタイルとファッションが魅力的であると指摘され、特に緑魔子さんのオシャレさが好評です。本作の女優たちは、衣装を通じてテーマのエグさをコミカルに表現しています。

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あらすじ

物語は、観光ガイドを装った売春クラブを舞台に展開します。梅宮辰夫さん演じる潔は、公衆電話にピンクカードを撒き、ビラ配りや呼び込みを繰り返します。

ある日、刑事の野崎（大坂志郎さん）に捕まりそうになりますが、機転を利かせて逃れます。一年懲役から帰ってきた内田良平さんがクラブ経営者として登場し、緑魔子さん演じる女性は梅宮さんにだまし取られた金を奪い返そうとします。ガイドクラブの実態は、男性客にコンパニオンを斡旋する違法風俗です。緑魔子さんはデークラの女から経営者へ変貌し、梅宮さんとの騙し合いが繰り広げられます。

大原麗子さん演じる近所の女性が絡み、荒木一郎さんが緑魔子さんに喰われる役で参加します。ハンドバッグの奪い合いや、クラブ内の人間関係がコミカルに描かれます。刑事の野崎が狡猾に捜査し、左卜全さんや浦辺粂子さんが脇を固めます。

物語は、人や名前を変えて引き継がれる悪行を描き、軽妙さと絶望感が同居します。最終的に、梅宮さんのバイタリティが乗り切り、ラストショットが静止画風に締めくくられます。このあらすじは、性と金の欲望が交錯する様子を詳細に描き、違法風俗の現実を暴露します。

解説

『夜の悪女』は、1965年に東映が製作した映画で、夜の青春シリーズの第5作目として位置づけられます。このシリーズは、夜の街の裏側を描くもので、本作はガイドクラブを装った売春クラブを題材にしています。

監督の村山新治は、シリーズの複数作を担当し、コミカルなスタイルでエグい内容を表現します。脚本の成澤昌茂は、浅ましい人間キャラクターを描くのが巧みで、日陰の世界での騙し合いを軽妙に描きます。撮影の仲沢半次郎は、モノクロのシネマスコープを活かし、上野広小路やクラブ内の雰囲気を捉えます。音楽の内藤法美は、緊張感とコミカルさを加えるBGMを提供します。

本作は、当時話題の違法風俗を取り上げた珍しい作品で、コメディ調ながら性と金のエグさを暴露します。

レビューでは、東映ヌーヴェルヴァーグと称され、完全スクリューボールとして評価されます。一方で、緑魔子さんのモノローグが悪態まみれで笑えない点が指摘されます。梅宮辰夫さんのバイタリティと緑魔子さんのビッチな役が光り、大原麗子さんの溌溂さが新鮮です。シリーズの醍醐味である軽妙さと絶望感が同居し、ソフトでコミカルな本作は見やすいです。

全体として、1960年代の日本映画界における社会批判と娯楽の融合を示す作品です。この映画は、夜の青春シリーズの多様性を示す一作として、映画史的に価値があります。