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三匹の牝蜂

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『三匹の牝蜂』は、1970年に公開された日本映画。大阪万博を舞台に、三人の女性が体を武器に荒稼ぎをし、暴力団と対峙しながらしぶとく生き抜くバイタリティあふれる物語を描きます。主演は大原麗子夏純子、市地洋子で、監督は鳥居元宏。上映時間は87分、ジャンルはドラマ、配給は東映です。

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基本情報

  • 三匹の牝蜂
  • 公開年:1970年
  • 製作国・地域:日本
  • 上映時間:87分
  • ジャンル:ドラマ
  • 配給:東映
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女優の活躍

本作では、主演の三人の女優がそれぞれ個性的な役柄を演じ、物語の中心を担っています。

大原麗子は美奈役を務めます。美奈は団体客の食事を失敬するなど、機転の利く女性として描かれ、暴力団の監視役である三郎と恋仲になる重要な役割を果たします。彼女の活躍は、三人組のリーダー格として計画を推進し、危機を乗り越える姿に表れます。新人時代の大原麗子がイキのいいズベ公を体現し、体当たりの演技で観客を引き込みます。

夏純子はサチ子役を演じ、東京から流れ着いたという設定で、役人から入札に関する書類を盗むなどの大胆な行動を取ります。彼女の活躍は、物語の後半で特に目立ち、書類をめぐる波乱を引き起こすきっかけを作ります。夏純子の演技は、自由奔放でエネルギッシュな女性像を鮮やかに表現しています。

市地洋子はハツエ役で、地方から来た金持ちの老人に身の上話で泣きを入れて金を狙うという狡猾な一面を見せます。彼女の活躍は、三人組の結束を強める役割を果たし、特に脱ぐシーンで体を張った演技が特徴です。本作では市地洋子のみが脱ぐ役を担い、物語のエロティックな要素を強調します。

その他の女優として、片山由美子がダッコ役で、早乙女ゆうがヨッ子役、小山陽子がユカ役、上岡紀美子がジュン役、紙谷外美がエミ役を演じ、バー荒らしや売春組織のシーンで脇を固めます。和田アキ子はギターを弾く女としてスナックシーンに登場し、短いながらも印象的な活躍を見せます。三島ゆり子はおすみ役で、スナックのマダムとして義夫の愛人を演じ、戸田組に責められるシーンでドラマチックな演技を披露します。阿井美千子は金持の婦人役、楠トシエはクラブのママ役、曽我町子は姐さん役で、それぞれのシーンで女性の強靭さを体現します。

これらの女優たちは、1970年代の東映映画らしいバイタリティあふれる女性像を構築し、男社会に挑む姿を力強く描き出しています。大原麗子は本作が初主演作であり、緑魔子に続くヴァンプ女優として売り出されましたが、彼女自身はこの方向性を望まず、翌年に東映を離脱しました。夏純子と市地洋子も、東映の女番長路線を支える存在として活躍し、以降のシリーズに影響を与えました。

全体として、女優たちの活躍は、ウーマン・リブ的な連帯感を強調し、当時の社会風潮を反映したものとなっています。彼女たちの体当たりの演技は、物語の痛快さを高め、観客に強い印象を残します。

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女優の衣装・化粧・髪型

本作の女優たちの衣装は、1970年代の流行を色濃く反映したファッショナブルなものが多く、キッチュすれすれのおしゃれさが特徴です。

大原麗子演じる美奈は、ミニスカートやボディラインを強調したドレスを着用し、万博会場を闊歩するシーンで軽快な印象を与えます。彼女の衣装は、都会的な女性らしさを表すためにデザインされ、派手な色使いやアクセサリーが目立ちます。化粧はコケティッシュで、濃いアイラインとリップが施され、妖艶さを強調します。髪型はロングヘアを緩く巻いたスタイルが多く、風に揺れる様子が自由奔放なキャラクターを象徴します。

夏純子演じるサチ子は、オープンカーを飛ばすシーンで登場し、スタイリッシュなワンピースやジャケットを着用します。彼女の衣装は、イタリア映画風の軽やかな雰囲気を醸し出し、最初の15分ほどで東映映画とは思えないお洒落さを演出します。化粧はナチュラルながらも目元を強調したメイクで、髪型はショートボブやポニーテールが用いられ、アクティブな動きに適したものです。

市地洋子演じるハツエは、地方出身の設定を反映しつつ、セクシーなトップスやスカートを着用します。彼女の衣装は、体を張ったシーンで特に目立ち、透け感のある素材や大胆なカットが用いられます。化粧はグラマラスで、チークを強く入れ、髪型はアップスタイルやウェーブヘアが採用され、脱ぐシーンでの魅力を高めます。

その他の女優たちも、70年代ファッションを取り入れ、ゴーゴー喫茶やバーシーンではミニドレスやホットパンツが登場します。

全体的に、衣装は一周回って新鮮に感じられるほど現代的で、古臭さを感じさせません。化粧は当時のトレンドであるボリュームのあるまつ毛やグロッシーな唇が共通し、髪型はパーマやストレートのバリエーションが豊富です。

これらの要素は、物語のキッチュな雰囲気を支え、女番長映画の芽を象徴します。ファッションは、ヤクザ組織に挑む女性たちの連帯感を視覚的に表現し、バイタリティを強調しています。

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あらすじ

賑わう大阪万博会場を三人のズベ公が右往左往しています。東京から流れ着いたサチ子、団体客の食事を失敬する美奈、地方から来た金持ちの爺さんに身の上話で泣きを入れてフトコロの金を狙うハツエの三人組です。

三人はゴーゴー喫茶でチンピラの三郎とスナックのマダムおすみを知ります。おすみはスーパーマーケット営業主任の義夫の愛人ですが、義夫は万引き女を捕まえてはホテルへ連れ込む悪質な男です。

三人はさっそく義夫を脅し、金を巻き上げてしまいます。そして、次に計画したのはバー荒らしです。ところが、狙ったバーが暴力団・戸田組の経営だったため、三人はリンチを加えられ、美奈は監視役の三郎と恋仲となります。

やがて、村上産業の荒川の腹案で、三人は万博見物の外国人相手の売春組織作りに奔走しますが、戸田組の知るところとなり、また追われの身となります。また、おすみも戸田組に責められ、三郎の裏切りは捕えられた三人組の目の前で射殺されてしまいます。

そして三人は村上産業と戸田組のために、にわか芸者に仕立て上げられ、小役人の接待係をさせられますが、サチ子が役人から入札に関する書類を盗み、荒川がライバル会社に売りつけようとしたことから、ひと波乱持ち上がります。書類はサチ子らの手中にあると睨んだ戸田組の矢吹は三人を車に拉致します。

ですが、三人は書類入りのバッグを車中から放り投げ、それが偶然通りかかったゴミ運搬車に落ち、そして塵芥処理場へ直行します。必死にかけつけた矢吹はバッグをつかみますが、その瞬間、焼却炉のコンベアーにゴミもろとも落下してしまいます。ところ変わって再び万博会場です。今日も獲物をもとめて、雑踏をゆく三人組のしょぼくれた姿がありました。

このあらすじは、バイタリティあふれる女性たちの生き様をコミカルに描き、予想外の展開で観客を魅了します。三人組の結束と機知が、暴力団との対立を乗り越える鍵となります。万博の賑わいが背景にあり、当時の社会風俗を反映したストーリー展開が特徴です。

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解説

『三匹の牝蜂』は、東映の女番長映画第一作として位置づけられます。1970年の大阪万博を舞台に、ズベ公三人組の青春群像劇を描き、企画とタイトル命名は岡田茂が行いました。

東映は男番長映画『不良番長』シリーズを製作していましたが、女番長映画では他社に遅れ、日活の『女番長 仁義破り』や『野良猫ロックシリーズ』、大映の『高校生番長』に続く形となりました。岡田茂はヤクザ映画以外に若者ラインを確立するため、シリーズ化を意図しました。

脚本は中島貞夫と掛札昌裕が担当し、チンピラの三郎がアニキの矢吹に命じられ売春を強要されるが、三人組が独自に組織作りをする構成となっています。撮影は東映京都撮影所のスタジオと大阪万博会場、大阪各地でロケが行われました。同時上映は『顔役』(再映、主演:鶴田浩二、監督:石井輝男)でした。

評価については、進歩的で都会性強いストーリーが東映ファンと相性が悪く、一週間で打ち切りとなり、社史でも評価されませんでした。しかし、藤木TDCは斬新でウーマン・リブ的キャラクターとキッチュなファッショナブルさを評価し、東映のスケバン映画の芽となったと述べています。

大原麗子緑魔子に続くヴァンプ女優として売り出されましたが、望まず1971年に東映契約を終了しました。渡瀬恒彦は本作が映画出演3作目で、大原麗子と初共演し、後年に結婚しました。本作は、1970年代の東映映画の転換点を象徴し、女性の自立と連帯をテーマに据えています。

当時の社会では、万博の盛り上がりと並行して、女性の社会進出が話題となっており、本作はその風潮を反映した内容です。バイタリティあふれた女三人の体当り人生が、脚本の妙と監督の演出で活き活きと描かれます。音楽は八木正生が担当し、主題歌は和田アキ子の「女王蜂のフーガ」です。この曲は、物語のテンポを高め、女性たちの自由奔放さを強調します。

全体として、本作は東映の娯楽映画の伝統を継承しつつ、新たな女番長路線を開拓した作品です。現代の視点から見ると、フェミニズム的な要素が強く、女性のエンパワーメントを予見する内容となっています。公開当時の観客反応は分かれましたが、現在ではカルト的な人気を博しています。

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キャスト

  • 美奈:大原麗子
  • サチ子:夏純子
  • ハツエ:市地洋子
  • ダッコ:片山由美子
  • ヨッ子:早乙女ゆう
  • ユカ:小山陽子
  • ジュン:上岡紀美子
  • エミ:紙谷外美
  • 三郎:渡瀬恒彦
  • 矢吹:小池朝雄
  • 義夫:林真一郎
  • 金持の婦人:阿井美千子
  • 警備員:波多野博
  • 弓子:榊浩子
  • 村上産業社長:金子信雄
  • 女秘書:星野美恵子
  • クラブのママ:楠トシエ
  • ギターを弾く女:和田アキ子
  • 山田物産社長:藤村有弘
  • 姐さん:曽我町子
  • 吉川:唐沢民賢
  • 爺さん:左卜全
  • スポーツカーの男:鈴木やすし
  • スポーツカーの男:広瀬義宣
  • 歌手:ピーター
  • 荒川:工藤堅太郎
  • おすみ:三島ゆり子

スタッフ

  • 監督:鳥居元宏
  • 企画:岡田茂、日下部五朗
  • 脚本:中島貞夫、掛札昌裕
  • 撮影:増田敏雄
  • 美術:雨森義允
  • 音楽:八木正生
  • 録音:荒川輝彦
  • 照明:長谷川武夫
  • 編集:神田忠男
  • スチール:杉本昭三
  • 助監督:萩原将司

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