『松本清張ドラマスペシャル ガラスの城』は松本清張の小説(ガラスの城)を原作とする2024年のTVドラマスペシャル。現代の企業社会を反映した社会派ミステリーで、103分の充実した内容となっています。女性の視点から事件の謎を追う点が特徴です。
社員旅行中に発生した殺人事件をきっかけに、一流企業に潜むさまざまな欲望と犯罪の構図を描いたミステリー作品です。地味な一般職の的場郁子とバリキャリの三上田鶴子が独自に捜査を進めます。
基本情報
女優の活躍
波瑠は主人公の的場郁子を演じ、地味で愛想のない一般職社員という役柄を繊細に体現しています。推理小説好きという設定を生かし、独自捜査を通じて内面的な葛藤や鋭い観察力を表現し、ミステリアスな魅力を放ちます。眼鏡をかけた控えめな外見から徐々に秘密が明らかになる過程で、演技の深みが光ります。
木村佳乃は三上田鶴子役で、出世頭の総合職課長として華やかさと野心を力強く演じ分けています。仕事一筋のバリキャリ女性の内面に隠れた秘密を抱え、SNSの日記形式で推理を展開するシーンでは情感豊かな演技を見せます。波瑠との対比がドラマの緊張感を高め、約8年ぶりの共演が話題となりました。
蓮佛美沙子は鈴木信乃役で、職場での人間関係を複雑に描き、事件の鍵を握る存在感を発揮します。川島海荷は橋本啓子役として、明るい性格ながら事件に巻き込まれる様子を自然に演じています。仁村紗和は浅野由理花役で、若手社員の不安や野心を繊細に表現し、物語に深みを加えています。これらの女優陣はそれぞれの立場から企業内の欲望や秘密を体現し、全体のミステリーを盛り上げます。
女優の衣装・化粧・髪型
波瑠演じる的場郁子は、地味さを強調したシンプルなオフィスカジュアルを着用しています。白やベージュのブラウスに膝丈スカートやストレートパンツを合わせ、控えめな化粧とストレートのロングヘア、眼鏡が印象的です。華美さを避けたスタイルが、謎めいたキャラクター性を引き立てます。
木村佳乃演じる三上田鶴子は、洗練されたキャリアウーマンらしい衣装が特徴です。ホワイトのシアーレースシャツにネイビーのテーパードパンツをコーディネートしたオフィスシーンや、アニマル柄のシャツ、ホワイトのツイードジャケットなどが登場します。プロフェッショナルなメイクで目元を強調し、アップスタイルやウェーブのかかった髪型が華やかさを演出しています。これらのビジュアルは、役柄の対比を視覚的に強調します。
他の女優陣も、現代的なオフィスファッションを基調としています。蓮佛美沙子や川島海荷はシンプルなブラウスとパンツスーツ、仁村紗和は若々しいカジュアル寄りの服装で、それぞれのキャラクターを際立たせています。全体として、企業社会のリアリティを反映した衣装・メイク・髪型がドラマの雰囲気を高めています。
あらすじ
大手商社實友商事の次世代エネルギー部で働く女性社員たちが、社員旅行に参加します。旅行先で部長の杉岡久一郎が何者かに殺害される事件が発生します。的場郁子は推理小説が好きという理由から事件に興味を持ち、独自に捜査を始めます。一方、三上田鶴子は旅行中に杉岡課長の不倫現場を目撃しており、SNSの非公開日記で推理を展開します。
両者はそれぞれ秘密を抱えながら捜査を進め、社内の人間関係や欲望が次々と明らかになります。警察の捜査とも並行し、容疑者が次々と浮上する中、事件の真相に迫ります。手記や日記形式で語られる視点が、物語に深みを加えています。最終的に企業に巣食う闇が暴かれます。
解説
ドラマ『松本清張ドラマスペシャル ガラスの城』は原作の社会派ミステリーを令和の企業社会にアップデートした作品。女性社員の視点から描かれる点が特徴で、ジェンダー問題や出世競争、社内不倫などのテーマを織り交ぜています。的場郁子と三上田鶴子の対比は、地味な一般職とバリキャリの違いを通じて、女性の多様な生き方を象徴します。
原作では「ガラスの城」がオフィスビルの脆さを表す比喩ですが、ドラマ版では現代の透明な企業文化の裏側にある闇を強調します。脚本の大森美香は朝ドラなどで培った人間描写を活かし、心理的な緊張を丁寧に構築しています。監督の樹下直美は女性らしい繊細な演出で、事件のサスペンスを高めています。103分のコンパクトな尺の中で、推理の醍醐味と社会批判をバランスよくまとめ、松本清張作品の魅力を現代的に蘇らせています。
キャスト
- 的場郁子:波瑠
- 三上田鶴子:木村佳乃
- 鈴木信乃:蓮佛美沙子
- 橋本啓子:川島海荷
- 和島好子:野呂佳代
- 浅野由理花:仁村紗和
- 杉岡久一郎:丸山智己
- 富崎弥大:塚本高史
- 野村俊一:武田真治
- 佐原壮馬:満島真之介
- 倉田文則:高嶋政伸
- その他:内野謙太、野呂佳代、吉井怜、片岡礼子、沢井美優など
スタッフ
- 原作:松本清張『ガラスの城』(講談社文庫)
- 脚本:大森美香
- 音楽:木村秀彬
- 監督:樹下直美(アズバーズ)
- ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)、大江達樹(テレビ朝日)
- プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、目黒正之(東映)、土井健生(東映)
- 制作:テレビ朝日、東映
以上のように、このドラマは豪華女優陣の競演と現代的な演出で、松本清張の名作を新鮮に蘇らせています。企業内の人間ドラマとミステリーの融合が魅力です。


コメント 雑学・感想など