『Miss.リベンジ（大嫂归来）』は2021年製作の中国アクション映画。麻薬組織に兄を殺された女性チンチョンが復讐に燃え、裏社会の力を借りて壮絶な戦いを繰り広げる。主演はシュー・トントン、監督はジェニー・ツェン。91分のノンストップ・リベンジ劇。
基本情報
- 邦題：Miss.リベンジ
- 原題：大嫂归来
- 英題：Queen’s Return
- 公開年：2021年
- 製作国：中国
- 上映時間：91分
- ジャンル：アクション
- 配給：日活
あらすじ
チンチョン（シュー・トントン）は、刑事の兄を麻薬組織に殺され、正義が届かない現実に絶望する。警察が買収されていることを知った彼女は、裏社会の顔役ヘイフオ（テレンス・イン）に師事し、殺しの技術を学ぶ。過酷な訓練を経て、チンチョンは復讐を果たすが、そこで衝撃の事実が明らかに。新たな敵と対峙する彼女は、さらに壮絶な復讐劇へと突き進む。麻薬組織の闇と裏切りが絡み合う中、チンチョンは自らの運命を切り開くため戦い続ける。
解説
『Miss.リベンジ』は、中国映画特有のダイナミックなアクションと復讐劇の要素を融合させた作品です。主人公チンチョンの復讐心と成長が物語の核となり、観客を引き込む感情的なストーリーラインが特徴です。監督ジェニー・ツェンは、テンポの速い展開と緊張感あふれるアクション場面で、裏社会の冷酷さと人間ドラマを描き出しています。中国アクション映画の文脈では、韓国や香港の作品に追いつくべく努力が見られ、特に女性主人公の強い意志と戦闘能力が強調されています。
本作は日本では劇場未公開で、DVDや配信プラットフォームを通じて視聴可能です。ストーリーは単純な復讐劇を超え、裏切りや真実の探求を通じて主人公の内面的な葛藤を描き、観客に深い余韻を残します。ただし、アクション場面のクオリティはハリウッドや韓国作品に比べるとやや粗削りとの評価もあり、特撮や演出面での改善が期待される声もあります。それでも、シュー・トントンの圧倒的な存在感が作品の魅力を大きく引き立てています。
女優の活躍
主演のシュー・トントン（徐冬冬）は、本作で圧倒的な存在感を発揮し、アクション女優としての地位を確立しました。彼女は2016年のテレビシリーズ「Yu Zui」で注目を集め、瞬く間に中国エンタメ界のスターとなりました。前作『Miss.デンジャラス』では無敵のエージェント役を演じ、その身体能力とカリスマ性が話題に。本作では、復讐に燃えるチンチョン役で感情の機微と激しいアクションを両立させ、観客を魅了しています。
シュー・トントンは、アクション場面でのキレのある動きや、復讐に突き動かされる女性の強さと脆さを表現する演技が高く評価されています。特に、裏社会のボスに立ち向かうシーンでは、彼女の冷徹な眼差しと流れるような戦闘動作が印象的です。彼女の演技は、単なるアクション映画のヒーローではなく、深い悲しみと決意を抱えた人間像を描き出しています。中国国内での人気に加え、国際的な注目も集めており、今後の活躍が期待される女優です。
女優の衣装・化粧・髪型
シュー・トントンの衣装は、チンチョンのキャラクター性を強調するデザインが特徴です。物語の前半では、兄を失った悲しみを反映したシンプルで暗めの衣装（黒やグレーのジャケット、ジーンズ）が多く、彼女の内面的な苦悩を表現。復讐の訓練が進むにつれ、戦闘に適したタイトなレザージャケットやブーツが登場し、戦士としての覚醒を視覚的に示します。終盤のクライマックスでは、赤や黒を基調とした大胆な衣装が用いられ、彼女の強さと美しさが際立ちます。
メイクアップは、チンチョンの心情の変化を反映。序盤はナチュラルメイクで、悲しみや無力感を強調します。復讐を決意してからは、シャープなアイラインとダークなリップが加わり、強い意志を表現。戦闘シーンでは、汗や傷を模したメイクがリアルな臨場感を演出しています。ヘアスタイルは、最初はカジュアルなポニーテールやダウンヘアですが、戦士として成長するにつれ、タイトにまとめたアップスタイルが中心。動きやすさとクールな印象を両立させ、アクション場面での機能性も考慮されています。これらの要素は、シュー・トントンの美貌とキャラクターの成長を効果的に引き立てています。
キャスト
- シュー・トントン（徐冬冬）：主人公チンチョン役。麻薬組織に兄を殺され、復讐の道を歩む女性。
- テレンス・イン（尹子维）：ヘイフオ役。裏社会の顔役で、チンチョンに殺しの技術を教える。
- リャン・カイ：脇役として麻薬組織のメンバーや関係者を演じる。
– **シュー・シャオウ**：物語の鍵を握るキャラクターの一人。 - リー・ユウェイ：チンチョンの復讐劇に関わる重要な役柄。
スタッフ
- 監督：ジェニー・ツェン（曾黎）。中国の新進気鋭の監督で、アクションとドラマのバランスに優れた演出が特徴。本作では女性主人公の視点に重点を置いたストーリーテリングが光る。
- 脚本：ウェイ・チャオ。復讐劇の定型に新たなひねりを加え、チンチョンの内面的な葛藤を丁寧に描いた。
- 製作：ウォン・ガイ。中国映画界で実績のあるプロデューサーで、本作の製作総指揮を担当。
- 撮影：リン・ジェイ。アクション場面のダイナミックなカメラワークと、暗い裏社会の雰囲気を表現した映像美が特徴。
総評
『Miss.リベンジ（大嫂归来）』は、シュー・トントンの魅力とアクションの迫力を最大限に活かした復讐劇です。衣装やメイク、ヘアスタイルは主人公の成長を視覚的に表現し、物語に深みを加えています。アクション場面の粗さはあるものの、感情的なストーリーとキャストの熱演が観客を引き込みます。中国アクション映画の新たな可能性を示す作品として、アクション映画ファンはもちろん、復讐劇や女性主人公の物語に興味がある方にもおすすめです。
レビュー 作品の感想や女優への思い