2021年のイギリス映画『アンドロイド2040』(原題:R.I.A.)は、近未来SFスリラー。女性型アンドロイド・リアが日替わり夫と過ごすリアリティショーで、副大統領の息子が絡む事件が展開。B級感漂う作品。
基本情報
- 邦題:アンドロイド2040
- 原題:R.I.A.
- 公開年:2021年
- 製作国:英国
- 上映時間:95分
- ジャンル:SF
見どころ
近未来SFとリアリティショーを融合させた新感覚ストーリー。驚がくの陰謀がうごめく物語にくぎづけ。出演は『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』ルーク・ゴスほか。
女優の活躍
『アンドロイド2040』(原題:R.I.A.)において、女性型アンドロイド・リア役を演じたジェス・インピアッツィ(Jess Impiazzi)は、本作の中心的なキャラクターとして重要な役割を果たしています。インピアッツィはイギリスの女優、モデル、タレントとして知られ、リアリティ番組やテレビ出演でキャリアを積んできました。本作では、アンドロイドとしての無機質さと人間らしい感情の狭間を表現する難しい役どころに挑戦。レビューでは、彼女の演技について賛否両論があります。一部の視聴者は、リアの機械的で感情を抑えた演技がアンドロイドの設定に合致していると評価する一方、Filmarksのレビューでは「アンドロイドの演技が残念」との意見も見られ、感情表現の乏しさが物足りなく感じられたとの指摘もあります。しかし、インピアッツィの外見や存在感は、セクシーで魅力的なアンドロイドという設定を視覚的に引き立て、作品のB級SFスリラーとしての雰囲気を支えています。彼女のシーンは特に前半で多く、物語の奇妙な緊張感を醸し出すことに貢献しています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジェス・インピアッツィ演じるリアの衣装は、近未来的なアンドロイドのイメージを強調するデザインが特徴です。衣装は洗練されたタイトなドレスや、シンプルながらも50年代風のラインをもつ衣装が多く、色とりどりのガーターストッキンもあいまって、グリアの人工的な美しさを際立たせています。色調はモノトーンやメタリックカラーが中心で、SF映画らしいクールな印象を与えます。メイクアップは、アンドロイドらしい完璧で無機質な美を表現するため、滑らかな肌を強調するファンデーションと、シャープなアイラインや控えめなリップカラーが施されています。ヘアスタイルは、ストレートで整ったロングヘアが主で、人工的な美しさと清潔感を表現。動きの少ない髪型は、リアの機械的なキャラクター性を補強しています。これらのビジュアル要素は、リアが「完璧な妻」としてリアリティショー内で演じる役割を視覚的に裏付け、観客にアンドロイドの非人間的な魅力を印象づけます。ただし、衣装やメイクの予算感はB級映画の限界を反映しており、豪華さよりも機能的なデザインが優先されています。
あらすじ
『アンドロイド2040』は、近未来を舞台にしたSFサスペンス映画です。物語の中心は、女性型アンドロイド・リア(ジェス・インピアッツィ)が登場する人気リアリティショー「リアの部屋」。この番組では、リアが日替わりで選ばれる「夫」ジャックと1日を過ごす様子が生中継され、視聴者の注目を集めています。ある日、番組ディレクターは応募者の中に現職副大統領フレミング(ディーン・ケイン)の息子デイビッド(チャーリー・クラップハム)が偽名で参加していることを発見。視聴率アップを狙い、彼を新たな「夫」に選出します。しかし、放送当日にリアが何者かにハッキングされ、デイビッドをカメラの前で人質に取り、身代金を要求する事件が発生。物語は、リアの行動の背後にある謎や、副大統領の息子を巡る陰謀が徐々に明らかになる展開へと進みます。
解説
『アンドロイド2040』は、低予算のB級SFスリラーとして位置付けられる作品で、近未来のテクノロジーと人間の欲望、倫理をテーマにしています。リアリティショーという設定は、現代社会のメディアや監視文化への風刺を意図している可能性がありますが、Filmarksのレビューで指摘されるように、脚本の粗さや展開の混乱が目立つとの評価も多く、ストーリーの一貫性に欠ける部分があります。前半はリアとジャックの奇妙な日常が描かれ、視聴者に「何を見せられているのか」との違和感を与える一方、中盤以降でハッキングや陰謀が明らかになる展開は、一定のスリルを提供します。
ただし、副大統領の息子デイビッドの行動が「バカすぎる」と批判されるなど、キャラクターの行動原理に無理があるとの声も。監督のリチャード・コールトンは、本作で脚本・編集も担当し、限られた予算の中でSFの雰囲気を作り上げていますが、全体的にB級映画特有の雑さやチープさが感じられる点は否めません。それでも、インディペンデント映画としての挑戦や、ジェス・インピアッツィのビジュアルを活かしたアンドロイド描写は、特定の観客層には楽しめる要素となっています。
キャスト
- ルーク・ゴス:『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』で知られる俳優。本作では主要な脇役を演じ、物語の緊張感を支える。
- ジェス・インピアッツィ:リア役。モデルの経験を活かし、アンドロイドの人工的な魅力を体現。
- ディーン・ケイン:副大統領フレミング役。『スーパーマン』シリーズのクラーク・ケント役で知られ、本作では権力者を演じる。
- チャーリー・クラップハム:デイビッド役。副大統領の息子で、物語の鍵となるキャラクター。
- キンバリー・ワイアット:脇役として出演。元プッシーキャット・ドールズのメンバー。
サラ・フレンチ、レオン・オッケンデン、マーク・ホールデンらが脇役として登場。
スタッフ
- 監督・脚本・編集:リチャード・コールトン。低予算映画のマルチタスクをこなし、独特のB級SFの世界観を構築。
- 撮影:ヴィンス・ナイト。映像は近未来の雰囲気を意識しつつ、予算の制約からシンプルな構成。
総評
『アンドロイド2040』は、予算の制約を感じさせつつも、リアリティショーとアンドロイドを組み合わせたユニークな設定で、近未来SFの雰囲気を楽しめる作品です。ジェス・インピアッツィのビジュアルと演技は賛否両論ながら、物語の中心として機能し、衣装やメイクはアンドロイドのキャラクター性を強調しています。脚本の粗さや展開の無理が目立つものの、B級映画の愛好者には意外な展開や奇妙な魅力が楽しめるかもしれません。Filmarksでの平均スコア2.3点(レビュー数80件)からも、観客の反応は分かれる作品であることが伺えます。低予算ながらも野心的な試みとして、SFやサスペンスが好きな視聴者には一見の価値があるかもしれません。




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