『ライズ・アンド・トゥルース(原題:Ring of Deception)』は、2017年の米国のTV映画。シングルマザーのジュリーが詐欺師マーティンに魅了される中、復讐を企むスローンが現れる。愛と裏切りが交錯するサスペンスドラマ。
基本情報
- 邦題:ライズ・アンド・トゥルース
- 原題:Ring of Deception
- 公開年:2017年
- 製作国:カナダ
- 上映時間:89分
- ジャンル:サスペンス
あらすじ
『ライズ・アンド・トゥルース』(Ring of Deception)は、シングルマザーのジュリー・スティーヴンス(Chandra West)が、息子と共に静かな生活を送る中、近所に引っ越してきた魅力的な男性マーティン(Steve Bacic)と出会うことから始まるサスペンスドラマです。マーティンは娘と共に暮らし、誠実で魅力的な人物としてジュリーの心を掴みます。しかし、マーティンには国際的な詐欺師という裏の顔があり、過去に多くの女性を騙してきた経歴が明らかに。物語は、マーティンに騙され財産を奪われた女性スローン(Cate Sproule)が彼に復讐を誓い、ジュリーの生活に暗い影を落とす展開へと進みます。ジュリーはマーティンの甘い言葉に惹かれつつも、次第に彼の正体に疑念を抱き始めます。一方、スローンはマーティンを追い詰めるため危険な行動に出ます。ジュリーはマーティンの誘惑とスローンの復讐劇の間で葛藤し、息子を守りながら真実を明らかにしようと奮闘します。愛、裏切り、復讐が絡み合う緊迫した物語は、ジュリーが生き延びられるかどうかというクライマックスへと突き進みます。
女優の活躍
本作の主要な女優は、ジュリー役のチャンドラ・ウェストとスローン役のケイト・スプロールです。チャンドラ・ウェストは、シングルマザーとしての優しさと強さを兼ね備えたジュリーを情感豊かに演じ、観客に共感を呼び起こします。彼女の演技は、恋に落ちる無垢な女性から、息子を守るために立ち上がる母親へと変化する過程で特に光ります。ウェストは、感情の機微を表現する繊細な演技で、ジュリーの内面的な葛藤をリアルに描き出しました。一方、ケイト・スプロールは、復讐心に燃えるスローンを激しく、時に狂気じみたエネルギーで演じ、物語に緊張感を加えています。スローンの感情の爆発や執念深い行動は、ウェストの落ち着いた演技と対比され、物語のダイナミズムを高めています。両女優の対照的な演技が、本作のサスペンス要素を強調し、視聴者を引き込む要因となっています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジュリー(チャンドラ・ウェスト)
ジュリーの衣装は、シングルマザーとしての現実的で控えめなスタイルが特徴です。カジュアルなジーンズやシンプルなブラウス、落ち着いた色合いのカーディガンなど、日常的な服装が中心です。これにより、彼女の親しみやすいキャラクターが強調されています。化粧はナチュラルで、薄いファンデーションと控えめなリップカラーを使用し、疲れた母親の雰囲気を出しつつも、魅力的な女性らしさを保っています。髪型は、緩くウェーブのかかったミディアムレングスのヘアスタイルで、忙しい生活の中でも手入れが行き届いている印象を与えます。物語が進むにつれ、緊迫したシーンでは髪を軽く乱したり、シンプルなポニーテールにすることで、彼女の動揺や決意を視覚的に表現しています。
スローン(ケイト・スプロール)
スローンの衣装は、ジュリーとは対照的に攻撃的で大胆なスタイルが目立ちます。ダークカラーのタイトなドレスやレザージャケット、ブーツなど、復讐心と強い意志を象徴するような衣装が選ばれています。化粧は濃いアイラインと赤やダークトーンのリップで、彼女の危険な魅力を強調。髪型は、ストレートでシャープなロングヘアや、時には乱雑に束ねたスタイルで、彼女の不安定な精神状態を反映しています。特に、復讐のシーンでは、衣装とメイクが彼女の執念を際立たせ、視覚的に強いインパクトを与えています。
解説
『ライズ・アンド・トゥルース』は、典型的なTV映画の枠組みの中で、愛と裏切り、復讐というテーマを巧みに織り交ぜたサスペンス作品です。物語は、詐欺師という古典的な悪役を中心に展開しつつ、女性キャラクターたちの感情的な葛藤や成長を描くことで、単なるスリラー以上の深みを加えています。ジュリーの視点からは、信頼と愛情が裏切られた時の脆さや、家族を守るための強さが描かれ、スローンの視点からは、裏切りによる深い傷とそれがもたらす破壊的な行動が浮き彫りにされます。
しかし、IMDbのレビューでは、脚本の弱さやキャラクターの深みの不足が指摘されています。特に、マーティンの詐欺師としての魅力が十分に描かれていない点や、スローンの行動が時に過剰に感じられる点が批判されています。それでも、視覚的な演出や女優たちの熱演により、気軽に楽しめるエンターテインメント作品として一定の評価を得ています。本作は、複雑なプロットを求めず、単純明快なサスペンスを求める視聴者に向けた作品と言えるでしょう。また、TV映画特有の限られた予算の中で、緊迫感のあるストーリーテリングを実現している点も評価されます。
キャスト
- ジュリー・スティーヴンス役:チャンドラ・ウェスト。シングルマザーとして息子を育てながら、マーティンの魅力に惹かれる女性。感情豊かな演技で知られるベテラン女優。マーティン役:スティーヴ・バシック。国際的な詐欺師で、表面上は魅力的な父親。狡猾なキャラクターを冷徹に演じる。
- スローン役:ケイト・スプロール。マーティンに裏切られた女性で、復讐に燃える。激しい感情表現が印象的。
- ルーシー・ゲスト:脇役としてジュリーの友人役などで登場。
- ナターシャ・バーネット:物語の進行を支える重要な脇役。
スタッフ
- 監督:スコット・ベリヤ。TV映画を中心に活躍する監督で、サスペンスやドラマの演出に定評がある。本作でも限られた予算内で緊張感を維持。
- 脚本:スザンヌ・L・バーガー、ローリー・ラモンド。女性視点の物語を得意とし、感情的な対立を強調した脚本を提供。
- 製作:ティナ・ペイ、ジェイミー・ゴーリング。Lifetimeネットワーク向けのTV映画製作に経験豊富なプロデューサー陣。
- 音楽:ケヴィン・ブラム。サスペンスを盛り上げる劇伴で、緊迫感を効果的に演出。
- 撮影:アンソニー・C・メッテ。シンプルながらも効果的なビジュアルで、物語の雰囲気を支える。
- 編集:ジェイソン・ピーラー。テンポの良い編集で、サスペンスの緊張感を維持。
総括
『ライズ・アンド・トゥルース』は、TV映画らしい手軽さとサスペンスのスリルを兼ね備えた作品です。チャンドラ・ウェストとケイト・スプロールの対照的な演技、日常的かつ大胆な衣装やメイクが、物語の感情的な起伏を強調します。脚本には深みの不足が指摘されるものの、気軽に楽しめるエンターテインメントとして、家族や愛をテーマにしたサスペンスを求める視聴者に適しています。Lifetimeネットワークの典型的なスタイルを踏襲しつつ、女性キャラクターの葛藤を通じて人間ドラマを描き出しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い