以前、「キャットウーマンの衣装:ミシェル猫とハル猫の比較」では、ミシェル・ファイファーとハル・ベリーが演じたキャットウーマンの衣装を比較しました。
1992年に公開された「バットマン・リターンズ」ではミシェル・ファイファーがセリーナ・カイルとキャットウーマンを演じました。
そして、ミシェル猫のキャットスーツは自作。
どうやって作ったのでしょうか。
キャットウーマンの衣装は、肌にぴったりフィットした黒いラテックスのキャットスーツ。
あからさまにアスリート的セクシュアリティを表現しています。
映画が公開されてから今まで、ミシェル猫のキャットスーツは、コスプレイヤーやフィギュア収集者に人気です。
セリーナ・カイルがキャットスーツを自作する場面
この記事では、映画「バットマン・リターンズ」でセリーナ・カイル(キャットウーマンの日常)が自分のキャットスーツを電動ミシンで自作する場面を細かく見ていきます。
いわば、キャットウーマン誕生秘話なわけですが、ファム・ファタル誕生秘話でもあります。
この場面に焦点をあててミシェル猫を愛でたいと思います。
まずは、準備として、次の画像の後半を見ておいてください。
この動画はワーナー・ブラザース公式アカウントが公開しているもの。
セリーナ・カイルが転落死する場面とキャットスーツを自作する場面とをくっつけているので、スムーズにキャットウーマンの誕生秘話を理解できます。
以下にたどる誕生秘話は、この動画の後半、キャットスーツの自作場面に沿っています。
セリーナ・カイルがキャットスーツを電動ミシンで自作
映画のキャラクターが自身のコスチュームを作る場面って、かなり珍しいです。
さっそく、場面ごとに簡単に追ってみましょう。
ミシェル猫の本来のキャラクター「セリーナ・カイル」。
ビルから落とされて瀕死の状態になっている所を猫たちに救われ、キャットウーマンとして目覚めます。
キャットスーツ製作開始
帰宅後にセリーナは自分のスーツを作り始めました。
まずはスーツや手袋などの生地となるラテックス生地をハサミで裁断します。
といっても、パターン(型紙)などありません。
とにかく、切る、切る、切る。
次いで手袋らしい、裁断済みの衣装を手縫いしはじめます。
これもかなり無造作…。
とにかく、縫う、縫う、縫う。
彼女のスーツの縫目が無造作だった点が多重人格を示すと冒頭に述べました。
セリーナ・カイルとキャットウーマンはどちらも主人客と思われ、相互の存在も認知しているので、彼女を解離性同一性障害患者と見るのは間違いかも!?
縫っている最中のこの場面をみると、地味で真面目な秘書がブチ切れて乱暴になっていることがよく分かります。
といっても、手縫いで手袋はいざしらず、スーツとなると何時になっても終わりません。
そこで登場、ベルヴェデーレ社製の電動式ミシン。
ベルヴェデーレ社製電動式ミシン
セリーナ・カイルはベルヴェデーレ(ベルヴェデール/BELVEDERE)社製の電動式ミシンを使ってキャットスーツを作ります。
このミシン会社は1950年代・1960年代頃にアドラー社(ADLER)と合併しています。
これ以上のことは文献でもネットでも分かりません。
今のアドラー社は昔のデュルコップ(DÜRKOPP)社と合併して、デュルコップ・アドラー社として機能しています。
でも、この会社概要をみてもベルヴェデーレ社は言及されていません。
縫うこととは結ばれること
さて、ミシンでスーツを縫うセリーナの表情は時として虚ろ。
どこか恍惚とした表情のようにも見受けられます。
手、ミシン、表情からはウォン・カーウァイ監督「若き仕立屋の恋」を思い出します。
裁縫や縫製はかなり恋愛に近いものがありますね。
次の記事があります。
セリーナ・カイル(キャットウーマン)にとっては徹底した自己愛でしたけど、少しはバットマンに会える理由ができると喜んでいるかも。
仕上げはネイルアート
最後は手袋の爪つけ。
キャットウーマンのネイル・アートは鉄です、鉄。
指だけアイアン・ウーマンかの勢い。
完成品を前に
以上見てきたように、ラテックス生地を用いて、電動ミシンを使って自作キャットスーツができました。
ネイルアートにも手が込んだキャットウーマン誕生秘話でした。
もっとも、ブーツの作成やスーツのディテールなどは、さすがに裁縫映画ではないので省略されていますが、自作場面はワンクッション入った面白いものでした。
キャットウーマンになりかけのセリーナ・カイルは、完成品を前に、自分と自作衣装を愛でます。
ウットリ…。
私もウットリ…。
つぎに掲示した記事では、ミシェル・ファイファーとハル・ベリーが演じたキャットウーマンの衣装を比較しました。
あわせてご覧ください。
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