1988年公開の米国映画『テキーラ・サンライズ』はロバート・タウンセンド監督によるサスペンス・ロマンス。麻薬取引の闇に巻き込まれた幼馴染の男たちと、謎めいた美女の恋愛模様を描く。メル・ギブソン、ミシェル・ファイファー、カート・ラッセル主演。ハリウッドの裏側を舞台に、友情、愛、裏切りが交錯するスリリングな物語。
基本情報
- 邦題:テキーラ・サンライズ
- 原題:TEQUILA SUNRISE
- 公開年:1988年
- 製作国:米国
- 上映時間:115分
- ジャンル:サスペンス
- 配給:ワーナー・ブラザース映画
見どころ
監督を手掛けたのは『チャイナタウン』の名脚本家、ロバート・タウン。音楽にデイヴィッド・サンボーンとリー・リトナーが参加し、劇中をムーディーに盛り上げる。
女優の活躍
本作の中心的な女優はミシェル・ファイファーであり、彼女の演技が物語の核を成しています。ファイファーはジョジョ・フラミンゴという謎めいた女性を演じ、麻薬王の愛人として登場します。彼女の活躍は、主人公たちの間で揺れ動く恋愛の軸を担い、男たちを魅了しつつも、自身の過去の秘密を抱えながら物語を推進させる重要な役割を果たします。ファイファーの演技は、妖艶さと脆さを兼ね備え、観客を引き込む魅力に満ちています。特に、感情の機微を表現するシーンでは、彼女の存在感が際立ち、映画のロマンティックな要素を高めています。
また、脇役として登場する女優たちも物語の深みを加えていますが、ファイファーの活躍が全体のハイライトです。
女優の衣装・化粧・髪型
ミシェル・ファイファーの衣装は、1980年代のハリウッドの洗練されたスタイルを反映しており、赤いドレスやエレガントなイブニングガウンが印象的です。これらの衣装は、彼女のキャラクターの妖艶さを強調し、夜のクラブシーンで効果的に用いられています。化粧は、赤いリップとスモーキーなアイメイクが特徴で、セクシーでミステリアスな雰囲気を醸し出します。髪型は、ウェーブのかかったロングヘアが主流で、時にはアップスタイルにすることで、洗練された大人の女性像を表現しています。
これらの要素は、ファイファーの美しさを最大限に引き立て、視覚的に魅力的なシーンを数多く生み出しています。
あらすじ
物語は、ロサンゼルスの裏社会を舞台に展開します。主人公のデイル・マッキー(メル・ギブソン)は、元麻薬捜査官で、現在は麻薬取引の容疑者として追われています。彼の幼馴染であるニック・カニカ(カート・ラッセル)は、敏腕の麻薬捜査官として活躍中です。二人は過去の友情を背景に、再び出会いますが、麻薬王のコード・スチュアート(ラウル・ジュリア)の影が忍び寄ります。
そこに現れるのがジョジョ・フラミンゴ(ミシェル・ファイファー)。彼女は高級レストランのオーナーで、コードの愛人でもあります。デイルはジョジョに惹かれ、恋に落ちますが、ニックもまた彼女に興味を持ち、三角関係が形成されます。デイルの兄ハリー(ロイ・ドーセット)は、麻薬取引の秘密を知る人物として絡み、物語に緊張感を加えます。
デイルは過去のトラウマから逃れようとしますが、コードの脅威にさらされ、ニックは職務と友情の狭間で苦悩します。ジョジョの正体が明らかになるにつれ、裏切りと信頼のドラマが加速。最終的に、友情と愛の間で選択を迫られるクライマックスへ向かいます。このあらすじは、恋愛と犯罪の融合がもたらすスリルを描き出しています。
解説
『テキーラ・サンライズ』は、1980年代のアメリカ映画の典型的な要素を凝縮した作品です。監督のロバート・タウンセンドは、脚本家としても知られ、本作では友情と裏切りのテーマを巧みに織り交ぜています。タイトルは、テキーラのサンライズカクテルに由来し、物語の明るい始まりと暗い結末を象徴します。ハリウッドの華やかな表舞台と、麻薬の闇の裏側を対比させることで、社会の二面性を描き出しています。
キャラクターの心理描写が深く、特にデイルの内面的葛藤が観客の共感を呼ぶ点が秀逸です。ミシェル・ファイファーの役柄はファム・ファタルの典型ですが、単なる美女ではなく、過去の傷を抱えた女性として描かれることで、深みを与えています。音楽も重要で、オリジナルサウンドトラックがロマンティックなシーンを盛り上げます。
批評家からは、キャストの演技が高く評価されつつ、プロットの複雑さが指摘されることもありました。しかし、娯楽性が高く、アクションとロマンスのバランスが魅力です。この映画は、監督のデビュー作として、タウンセンドの才能を示す一作であり、現代の犯罪ドラマの先駆けとも言えます。全体として、視覚的な美しさと感情のドラマが融合したエンターテイメントです。
キャスト
- メル・ギブソン(デイル・マッキー役)
- ミシェル・ファイファー(ジョジョ・フラミンゴ役)
- カート・ラッセル(ニック・カニカ役)
- ラウル・ジュリア(コード・スチュアート役)
- ロイ・ドーセット(ハリー・マッキー役)
- エリ・ウォラック(プラド警部役)
- アーサー・ヒル(グレイディ警視役)
- エドウィン・ナウマン(ベッカー役)
スタッフ
- 監督:ロバート・タウンセンド
- 脚本:ロバート・タウンセンド
- 製作:ポール・ベリッシ
- 撮影:コンラッド・L・ホール
- 美術:イディス・ヘッド
- 衣装デザイン:キム・ハートマン
- 音楽:ピート・テイト
- 編集:ロバート・K・ワイズ
- プロデューサー:リチャード・ドーマン
- 製作会社:ワーナー・ブラザース
レビュー 作品の感想や女優への思い