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アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将

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『アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将』(1971年)は、ゴールデン・ハーベスト初の武侠映画。ノラ・ミャオアンジェラ・マオら8人の若者が、親を殺した悪将軍シャオを倒すため団結。サモ・ハンの振付による剣戟と鞭の戦いが特徴。監督はロー・ウェイ。

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基本情報

  • 邦題:アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将
  • 原題:天龍八將
  • 公開年:1971年
  • 製作国:香港
  • 上映時間:94分
  • ジャンル:アクション
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女優の活躍

ノラ・ミャオ(苗可秀)は、本作『アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将』で映画デビューを果たし、主要な女性キャラクターの一人、グイを演じました。この作品は、彼女がゴールデン・ハーベスト社と契約を結んだ直後の作品であり、後のブルース・リー映画でのヒロイン役で知られる前の重要な一歩となりました。グイは、亡魂となった将軍の娘で、復讐心に燃える勇敢な女性剣士として描かれ、物語の中心的な役割を担います。ミャオの演技は、初主演作ながら落ち着いた魅力と強い意志を表現し、観客に鮮烈な印象を与えました。特に、彼女が使うハサミ型の武器は、映画のユニークな要素として注目され、鞭を操る敵との戦いでその機敏さを発揮しました。批評家からは、彼女のクールでカリスマ的な存在感が評価され、「アジアのナタリー・ポートマンに似ている」との声も上がりました。

ミャオは、アクション場面においてサモ・ハンの振付のもと、剣戟や身体の動きを自然にこなし、武術経験が少ないながらもその運動神経で観客を魅了しました。彼女の役はアンサンブル・キャストの一員であり、単独の主役ではないものの、物語の鍵を握る潜入シーンや仲間との連携を通じて、ストーリーの展開に大きく貢献しています。グイがシャオの屋敷に潜入し、仲間を救う場面では、ミャオの繊細な表情と緊張感のある演技が光り、感情的な深みを加えました。このデビュー作での活躍は、彼女が後に『ビッグ・ボス』(1971年)や『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)でブルース・リーと共演する基盤を築き、香港映画界での地位を確立するきっかけとなりました。

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あらすじ

『アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将』は、古代中国を舞台に、冷酷な将軍シャオ(ハン・インチェ)が引き起こす民衆の苦しみを背景に展開する武侠アクション映画です。シャオは帝国都市を支配し、その通過時には住民が道を空けなければなりません。物語は、シャオの暴政に反抗する8人の若者を中心に進みます。彼らは、シャオによって殺されたそれぞれの父である将軍の子どもたちで、復讐を誓っています。

物語は、レイ(パトリック・ツェー)がシャオ暗殺を試みるが失敗し、負傷する場面から始まります。そこへ、ヘ(ジェームズ・ティエン)、ジャオ(ポール・チャン)、フェン(チン・タン)が果敢に助けに入り、料理人のジュー(リー・クワン)の助けでレイは逃亡します。しかし、ヘ、ジャオ、フェンは捕らえられてしまいます。レイは逃亡中にグイ(ノラ・ミャオ)と知り合い、彼女が同じ復讐の志を持つことを知ります。グイは、仲間のハイ(アンジェラ・マオ)とジャン(リディア・シュム)がシャオに操られていると疑い、シャオの屋敷に潜入します。彼女はハイとジャンに接触しますが、自身も捕らえられてしまいます。

一方、シャオの執事ワン(パイ・イン)がハイとジャンを殺すようシャオに進言する会話をジャンが耳にし、仲間を救う決意をします。最終的に、8人の若者は団結し、シャオの鞭を操る精鋭部隊と対決。壮絶な戦いの末、シャオとその軍勢を倒し、復讐を果たします。物語は、団結と正義のテーマを強調し、アクションとドラマが融合した展開で観客を引き込みます。

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解説

『アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将』は、ゴールデン・ハーベスト社が1970年に設立されてから最初に公開された映画であり、ショウ・ブラザーズ社が支配していた武侠映画市場に挑戦する意欲作でした。監督のロー・ウェイ(盧偉)は、ショウ・ブラザーズから移籍した経験豊富な人物で、ゴールデン・ハーベストの創設者レイモンド・チョウ(鄒文懷)とレナード・ホー(何冠昌)の下で新たなビジョンを実現しました。本作は、台湾での撮影が多く、ユニオン・フィルムズのセットやキャストが使用されたため、ショウ・ブラザーズの洗練されたプロダクションに比べるとやや粗削りな印象があります。それでも、ゴールデン・ハーベストの新鮮なエネルギー、特にサモ・ハンによるアクション振付が、映画に独特の魅力を与えています。

本作のアクションは、剣戟と鞭を多用した戦闘が特徴で、サモ・ハンとハン・インチェの振付によるダイナミックな動きが見どころです。特に、シャオの9人の部下が操る鞭による「鉄の攻撃陣形」は、視覚的に印象的で、8人の主人公たちがこれを打ち破るクライマックスの戦いは、チャン・チェ(張徹)監督の血みどろの戦闘シーンに匹敵する激しさです。 ただし、当時のゴールデン・ハーベストは俳優の安全を重視し、武術家よりも演技者を優先したため、アクションは剣や鞭といった比較的安全な武器に頼りがちでした。ノラ・ミャオのハサミ型武器はユニークですが、批評家からは「現実的でない」との声もあり、武術のリアリティを求める現代の観客にはやや古風に映るかもしれません。

物語は、武侠映画の定番である復讐劇を基盤にしつつ、8人の若者の団結と成長を描くことで、単なるアクション映画を超えた魅力を持っています。キャラクターそれぞれに背景が与えられ、特にノラ・ミャオのグイやアンジェラ・マオのハイは、女性キャラクターとしての強さと知性を強調しています。プロダクションの予算制約から、セットや衣装はショウ・ブラザーズに比べ簡素ですが、キャストの熱演とストーリーのテンポの良さがそれを補い、当時の観客に好評を博しました。 本作は、ゴールデン・ハーベストが同年に公開したブルース・リーの『ビッグ・ボス』で飛躍する前の、スタジオの試金石としての役割を果たしました。

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キャスト

  • ノラ・ミャオ(グイ役):復讐に燃える将軍の娘で、ハサミ型武器を使う剣士。潜入任務で物語を牽引。
  • アンジェラ・マオ(ハイ役):武術に優れた女性剣士で、シャオの支配に立ち向かう。
  • パトリック・ツェー( レイ役):シャオ暗殺を試みる若者で、物語の火付け役。
  • ジェームズ・ティエン( ヘ役):勇敢な剣士で、仲間を救うため戦う。
  • ポール・チャン(ジャオ役):トーナメントで捕らえられるが、後に反撃。
  • チン・タン(フェン役):ヘやジャオと共闘する若者。
  • リー・クワン(ジュー役):料理人として潜入し、レイの逃亡を助ける。
  • リディア・シュム(ジャン役):シャオの屋敷でスパイとして活動。
  • ハン・インチェ(将軍シャオ役):冷酷な悪役で、鞭の部隊を率いる。
  • パイ・イン( ワン役):シャオの執事で、陰謀の中心人物。
  • サモ・ハン:戦士役でカメオ出演、武術指導も担当。
  • ブルース・リャン:端役で出演。

以下は戦士や護衛役として端役出演。ラム・チンイン、リー・カーティン、チャム・シウホン、ビリー・チャン、トン・カムトン、ツァン・チョーラム、ラム・ハクミン、ヨン・サイグァン、チー・フーチャン、ロバート・タイ、ウィルソン・トン。

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スタッフ

  • 監督:ロー・ウェイ(盧偉)…ショウ・ブラザーズから移籍し、ゴールデン・ハーベストの初期作品を牽引。
  • 製作:レイモンド・チョウ(鄒文懷)、レナード・ホー(何冠昌)…ゴールデン・ハーベストの創設者。
  • 武術指導:サモ・ハン(洪金寶)、ハン・インチェ(韓英傑)…鞭と剣戟のアクションを設計。
  • 脚本:ニー・クアン(倪匡)…武侠映画のストーリー構築に定評のある脚本家。
  • 製作会社:ゴールデン・ハーベスト…香港映画の新興勢力として本作を製作。

まとめ

『アンジェラ・マオ 8人のドラゴン/天龍八将』は、ゴールデン・ハーベストの記念すべき初作品であり、ノラ・ミャオの映画デビュー作として彼女の魅力を存分に発揮した武侠映画です。グイ役のミャオは、ハサミ型武器を手に冷酷な剣士を演じ、潜入シーンやアクションで物語を牽引しました。サモ・ハンの振付による鞭と剣戟の戦いは、当時の観客に新鮮な興奮を与え、復讐と団結のテーマがドラマ性を高めています。アンジェラ・マオやジェームズ・ティエンら若手キャストの熱演と、ロー・ウェイの演出が、ショウ・ブラザーズへの挑戦を象徴。ゴールデン・ハーベストの歴史的出発点として、香港映画史に残る一作です。

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