『スキャンダル』は、18世紀末の李王朝時代を舞台に、フランスの古典小説『危険な関係』を翻案した恋愛ドラマ。政府高官の妻チョ夫人が、従兄弟のプレイボーイ・チョ・ウォンと危険な賭けを交わし、貞淑な未亡人を誘惑の標的にします。華麗な衣装と美術に彩られた貴族社会の愛憎を、ペ・ヨンジュンが映画初主演で冷徹な色男を演じて描きます。
基本情報
- 邦題:スキャンダル
- 原題:스캔들-조선남녀상열지사
- 英題:THE SCANDAL
- 公開年:2003年
- 製作国・地域:韓国
- 上映時間:124分
- ジャンル:ドラマ
女優の活躍
イ・ミスクはチョ夫人役で、表向きは貞淑な貴婦人でありながら、内心では夫への復讐心を抱く複雑な女性を演じています。子宝に恵まれず側室を迎え入れようとする夫への不満を、従兄弟のチョ・ウォンを利用した危険なゲームで晴らそうとする姿を、冷静で計算高い表情と台詞回しで表現しています。彼女の存在感が、物語全体の緊張感を支えています。
チョン・ドヨンは、9年間貞節を守り続け、烈女門まで下賜された未亡人ヒヨン役を務めます。強い信念を持って生きる女性が、チョ・ウォンの巧みな誘惑に少しずつ心を開いていく過程を、繊細で内面的な演技で描いています。初の時代劇挑戦ながら、貞淑さと情熱の両面を自然に演じ分け、感情の変化を丁寧に表現しています。
二人の女優は対照的な役柄を通じて、貴族社会における女性の抑圧と欲望を立体的に描き出しています。イ・ミスクの狡猾さとチョン・ドヨンの純粋さが交錯する場面は、物語の核となる人間ドラマを深めています。
女優の衣装・化粧・髪型
イ・ミスクのチョ夫人は、紫色の華やかな韓服を纏い、権力と洗練を象徴する装いです。衣装は重厚な生地に精緻な刺繍が施され、貴婦人としての格調を高めています。化粧は落ち着いた色調で、知的で冷徹な印象を強調するアイメイクとリップが特徴です。髪型は大きくまとめた伝統的なスタイルで、威厳と美しさを兼ね備えています。
チョン・ドヨンのヒヨンは、より控えめな色合いの韓服を着用し、貞淑な未亡人らしい清らかさを表現しています。白い帯や淡い色の衣装が、彼女の純粋さと内面的な強さを視覚的に示しています。化粧はナチュラルで、感情の揺れが表情に表れやすい仕上がりです。髪型はシンプルにまとめられ、時代劇らしい品のある雰囲気を醸しています。
全体として、女優たちの衣装と髪型は李王朝末期の貴族社会を忠実に再現しており、色鮮やかな美術と相まって、物語の背徳的な雰囲気を視覚的に支えています。化粧は役柄の性格を際立たせるよう、計算された仕上がりとなっています。
あらすじ
18世紀末の朝鮮。政府高官ユ長官の妻チョ夫人は、子宝に恵まれず、夫が若い側室ソオクを迎え入れようとしていることに不満を抱いています。従兄弟であり初恋の相手でもあるプレイボーイのチョ・ウォンに、ソオクを婚礼前に妊娠させるよう依頼します。しかし、チョ・ウォンは簡単すぎると断り、代わりに9年間貞節を守り続けている未亡人ヒヨンを落とすことを提案します。
チョ夫人は、成功すれば自身を褒美として与えると賭けを受けます。チョ・ウォンは手紙や寄付、助けの演出など様々な手段でヒヨンに近づき、徐々に彼女の心を動かしていきます。ヒヨンはチョ・ウォンの手に落ちますが、彼はすぐに別れを告げます。ショックを受けたヒヨンの様子を聞いたチョ・ウォンは、ゲームの標的だったはずの彼女を本気で愛し始めていることに気づきます。
一方、チョ夫人もチョ・ウォンへの複雑な感情を抱え、二人の危険なゲームは当事者たちを傷つける結果へと向かっていきます。貴族社会の慣習と欲望が交錯する中で、愛憎の結末が描かれます。
解説
本作はピエール・ショデルロ・ド・ラクロの『危険な関係』を、李王朝時代の朝鮮に舞台を移して翻案したものです。監督イ・ジェヨンは、スティーブン・フリアーズ版の映画を見て着想を得たとされ、原作の心理的な駆け引きを、儒教社会の抑圧の中で描いています。ペ・ヨンジュンの映画初主演作として注目を集め、韓国では300万人を超える観客を動員しました。
華麗な衣装と美術が特徴で、貴族の邸宅や風景が丁寧に再現されています。物語は単なる恋愛劇ではなく、社会の規範に縛られた人々の欲望と復讐を描いた人間ドラマとして評価されています。チョン・ドヨンとイ・ミスクの対照的な演技が、女性の立場から見た時代の閉塞感を浮き彫りにしています。
2018年にはデジタルリマスター版が日本で再公開され、時代を超えて支持されています。Jホラーや現代劇とは異なる、韓国時代劇の官能性と美学を融合させた作品として位置づけられます。
キャスト
スタッフ
- 監督:イ・ジェヨン
- 脚本:イ・ジェヨン、キム・デウ、キム・ヒョンジョン
- 原作:ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ『危険な関係』
- 撮影:キム・ビョンイル
- 美術:チョン・グホ
- 音楽:イ・ビョンウ
- 製作:オ・ジョンワン



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