『インクレディブル・スパイ』（原題：The Spy Who Never Dies）は、2022年に製作されたオーストラリアのスパイアクションコメディ映画です。ロシアの潜水艦から盗まれた核ミサイルを巡る危機を、CIAの伝説的スパイが仲間と共に解決する物語。007シリーズを彷彿とさせるパロディ要素と恋愛コメディが融合した軽快な作品です。
基本情報
- 邦題：インクレディブル・スパイ
- 原題：The Spy Who Never Dies
- 公開年：2022年
- 製作国：オーストラリア
- 上映時間：94分
- ジャンル：アクション、コメディ、スリラー
見どころ
『ミッション：インポッシブル』のスタッフが手掛けたスパイアクション。ロシア、イタリア、アメリカを駆けめぐる壮大なストーリーと、ド迫力のアクションが展開する。
あらすじ
アメリカのCIA本部に緊急情報が届きます。ロシアの潜水艦から7基の核ミサイルが盗まれ、その照準が世界7都市に向けられたのです。この危機に対処するため、“不死身”と恐れられる伝説のスパイ、ブラッド（ポール・オブライエン）が派遣されます。しかし、ミサイルは予定より早く発射され、ブラッドはタフな女性エージェントのジェニファー（テレッサ・リアン）、サイバー・インテリジェンスの専門家ジェームズ（カサンドラ・マグラス）、イタリア諜報組織のナターシャ（ジョージア・ウォルターズ）らとチームを組み、世界を股にかけた追跡戦を繰り広げます。やがて、黒幕である謎の女スパイ、トライデントの存在が浮上しますが、彼らの前には想像を絶する困難が待ち受けています。一方、ブラッドは任務の合間に偶然出会った女獣医に一目惚れし、恋愛と任務の両立に奮闘。果たして彼らは第三次世界大戦を阻止できるのか？ コメディとアクションが織り交ぜられた展開が観客を引き込みます。
解説
『インクレディブル・スパイ』は、ジェームズ・ボンドシリーズを始めとするスパイ映画のパロディとして制作された作品で、監督・脚本・製作をコーリー・パーゾンが担当しました。原題「The Spy Who Never Dies」は『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』（1997年）を、邦題はディズニー映画『Mr.インクレディブル』（2004年）を意識した遊び心のある命名です。映画は、007シリーズの要素—例えば、魅力的なスパイ、派手なガジェット、国際的な陰謀—をユーモラスに模倣しつつ、恋愛コメディの要素を強調することで独自の魅力を出しています。
しかし、批評家の間では賛否両論です。Filmarksのレビューでは平均スコア2.7点（5点満点）と評価が低めで、「コメディ要素が中途半端」「ストーリーが分かりにくい」といった声が目立ちます。一方で、「軽快で気軽に楽しめる」「B級映画の魅力がある」と肯定的な意見もあります。この作品は、シリアスなスパイ映画を期待する視聴者には物足りないかもしれませんが、B級映画やパロディを愛好する観客には「ながら見」に適した娯楽作品として受け入れられています。アクションシーンは派手さよりもコミカルな演出が中心で、予算の制約を感じさせる部分もありますが、監督のスパイ映画への愛が伝わる作りになっています。
女優の活躍
本作では、テレッサ・リアン、ジョージア・ウォルターズ、カサンドラ・マグラスといった女優たちが重要な役割を果たしています。
レビューでは「出演者は全員美女」との声もあり、女優たちのビジュアルと演技がB級映画の華やかさを引き立てています。彼女たちの活躍は、男性主人公中心の物語に多様性と魅力を加え、アクションとコメディの両方でバランスよく貢献しています。
テレッサ・リアン（ジェニファー役）
ジェニファーはブラッドの相棒となるタフな女性エージェントで、アクションシーンでの活躍が目立ちます。彼女のクールで自信に満ちた演技は、物語に緊張感を与える一方、ブラッドとの軽妙な掛け合いでコメディ要素を強化。テレッサ・リアンはアクションとユーモアのバランスを巧みに演じ、観客に強い印象を残します。特に、敵との格闘シーンでは機敏な動きを見せ、女性スパイとしての魅力を発揮しています。
ジョージア・ウォルターズ（ナターシャ役）
ナターシャはイタリア諜報組織のメンバーとして登場し、ミステリアスな雰囲気で物語に深みを加えます。ジョージア・ウォルターズの演技は、ナターシャの冷静かつ計算高い性格を表現し、チームの作戦立案で重要な役割を担います。彼女の登場シーンは比較的少ないものの、要所でストーリーを引き締める存在感があります。
カサンドラ・マグラス（ジェームズ役）
サイバー・インテリジェンスの専門家ジェームズを演じるカサンドラ・マグラスは、頭脳派のキャラクターとしてチームをサポート。ハッカー役としての彼女の演技は、技術的な説明シーンで説得力を持たせ、物語のリアリティを支えます。コメディ要素の強いシーンでも自然体で演じ、観客に親しみやすさを与えています。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の女優たちの衣装、化粧、髪型は、スパイ映画の華やかさとコメディらしい軽快さを反映しています。
テレッサ・リアン（ジェニファー）
衣装
ジェニファーの衣装は、タイトなブラックの戦闘スーツやスタイリッシュなレザージャケットが中心。スパイらしい機能性と女性らしさを兼ね備えたデザインで、アクションシーンでの動きやすさを重視しています。カジュアルなシーンでは、シンプルなシャツとジーンズで親しみやすい印象も。
化粧
ナチュラルメイクを基調とし、アクションシーンでは汗や汚れを活かしたリアルな表情が特徴。アクセントとして赤いリップが使われ、強い女性像を強調。
髪型
ショートカットのボブスタイルで、動きやすさとクールな印象を両立。戦闘シーンでは髪を束ね、プロフェッショナルな雰囲気を演出。
ジョージア・ウォルターズ（ナターシャ）
衣装
ナターシャはエレガントなドレスやスーツを着用し、イタリアの諜報員らしい洗練されたスタイルが特徴。ディナーシーンでは深紅のドレスでミステリアスな魅力を放ちます。
化粧
スモーキーなアイメイクと控えめなリップで、知的な美しさを強調。シーンに応じてメイクの濃淡が変わり、彼女の多面的なキャラクターを表現。
髪型
ロングヘアをゆるく巻いたスタイルで、優雅さと実用性を両立。潜入任務ではアップスタイルで、プロフェッショナルな印象を与えます。
カサンドラ・マグラス（ジェームズ）
衣装
ハッカーらしいカジュアルなスタイルで、フーディーやTシャツにジーンズが中心。ガジェットを扱うシーンでは、機能的なベストを着用し、技術者らしさを強調。
化粧
メガネをアクセントにしたナチュラルメイクで、知的な雰囲気を演出。アクションシーンでは軽い汗メイクで臨場感をプラス。
髪型
ポニーテールやメッシーバンで、忙しく働くハッカーの実用性を表現。カジュアルながらも個性的なヘアアクセサリーが彼女のキャラクターを際立たせます。
これらの衣装やメイクは、スパイ映画の定番である「魅力的なスパイ」のイメージを踏襲しつつ、コメディらしい軽やかさを取り入れています。特に、女性キャラクターの多様なスタイルが、視覚的な楽しさを加えています。
キャスト
- ポール・オブライエン：ブラッド（主人公、CIAの伝説的スパイ）
- テレッサ・リアン：ジェニファー（タフな女性エージェント）
- ジョージア・ウォルターズ：ナターシャ（イタリア諜報組織のメンバー）
- カサンドラ・マグラス：ジェームズ（サイバー・インテリジェンスの専門家）
- クリスティ・ワーズワース：スーザン（CIAの上司）
スタッフ
- 監督・脚本：コーリー・パーゾン
- 製作：ミッチェル・パーマ
- VFX：サウラブ・トリパシ
- アクション監督：レイ・アンソニー
総括
『インクレディブル・スパイ』は、007シリーズへのオマージュを込めたオーストラリア製のスパイアクションコメディです。テレッサ・リアンやジョージア・ウォルターズら女優陣の活躍が、物語に華やかさと多様性を加え、衣装やメイクもスパイ映画の魅力を引き立てます。ストーリーはやや分かりにくいとの批判もありますが、軽快なB級映画として気軽に楽しめる作品です。スパイ映画ファンやコメディを求める視聴者にオススメです。
レビュー 作品の感想や女優への思い