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秋菊の物語

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『秋菊の物語』は1992年に中国、香港で製作されたヒューマンドラマ。張芸謀監督のリアリズム作で、コン・リーが主演。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。現代中国の官僚主義をユーモラスに描きます。

中国北西部の農村に暮らす妊婦の秋菊は、夫が村長に股間を蹴られて負傷した事件で謝罪を求めます。行政機関を次々と回り、訴えをエスカレートさせます。

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基本情報

  • 邦題:秋菊の物語
  • 原題:秋菊打官司
  • 英題:The Story of Qiu Ju
  • 公開年:1992年
  • 製作国・地域:中国、香港
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:ドラマ
1992年『秋菊の物語』公式予告編1 ソニー・ピクチャーズ クラシックス
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女優の活躍

映画『秋菊の物語』の主演女優であるコン・リーは、秋菊という妊婦の役を演じています。彼女の演技は、頑固で執念深い農村女性のキャラクターを体現しており、批評家から高い評価を受けました。ヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞(ヴォルピ杯)を受賞し、中国国内でも金鶏賞最優秀女優賞を獲得しました。これにより、コン・リーの国際的な知名度がさらに高まりました。

コン・リーは、張芸謀監督とのコラボレーションで知られる女優で、本作ではこれまでの華やかな役柄とは異なり、素朴で現実的な女性を演じています。彼女の自然体な演技は、観客に強い印象を与え、映画のリアリズムを支えています。特に、妊娠中の体を活かした動きや表情が、秋菊の内面的な強さを表現しています。この役を通じて、コン・リーは女優としての幅を広げ、以後のキャリアに影響を与えました。

彼女の活躍は、単なる演技にとどまらず、映画のテーマである正義の追求を象徴しています。コン・リーはインタビューで、この役が自身の価値観を変えたと語っています。批評では、彼女の微妙な感情の変化が、物語のユーモアとドラマを融合させていると評価されています。この活躍により、コン・リーはアジアを代表する女優として確立しました。

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女優の衣装・化粧・髪型

コン・リー演じる秋菊の衣装は、中国北西部の農村女性を反映した質素で実用的なものです。主に綿素材のゆったりしたシャツやズボン、妊娠中の体型に合わせた緩いドレス風の服を着用しています。色調は地味なグレーやベージュが多く、農作業に適した耐久性のあるデザインです。これにより、華美さを排除したリアリズムが強調されます。

化粧については、ほとんど施されていません。素顔に近いナチュラルメイクで、肌の自然な質感を活かしています。頰や唇に軽く色を差す程度で、汗や埃で汚れたような現実的な表情を演出します。このアプローチは、コン・リーのこれまでの妖艶なイメージを一新し、役柄の純朴さを引き立てています。

髪型は、シンプルなポニーテールやお団子が中心です。黒髪を後ろで束ね、農村生活の忙しさを表す乱れ具合が特徴です。妊娠中のシーンでは、髪を緩くまとめて動きやすさを優先しています。この髪型は、秋菊の日常性を象徴し、映画のドキュメンタリー風スタイルに寄与します。

全体として、衣装・化粧・髪型は役の現実味を高め、コン・リーの演技を支えています。

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あらすじ

中国北西部の農村に暮らす秋菊は、妊娠中の身重の体で夫の慶來とともに暮らしています。ある日、村長の王善堂と慶來が口論になり、王善堂が慶來の股間を蹴って負傷させてしまいます。秋菊はこの行為に激怒し、王善堂に謝罪を求めますが、彼は頑として応じません。そこで秋菊は、地元の巡査に訴え出します。

巡査は王善堂に200元(人民元)の罰金を課しますが、謝罪は得られません。不満を抱く秋菊は、義姉の妹子とともに郡の公安局へ向かいます。そこで罰金が250元に増額されますが、やはり謝罪はありません。さらに上級の県公安局へ訴え、そこで弁護士を雇い、裁判を起こします。裁判所は元の判決を支持しますが、秋菊は納得せず、市の裁判所へ上告します。

上告の過程で、官吏らが村を訪れ、慶來のX線検査を行います。そこで肋骨の骨折が発覚します。冬になり、秋菊は出産の時を迎えます。王善堂が助けを呼び、秋菊は無事男児を出産します。赤ん坊の満月祝いの席で、王善堂が現れず心配した秋菊は、巡査から王善堂が逮捕されたことを知ります。骨折が重傷と判断され、15日間の拘留です。秋菊は慌てて釈放を求めますが、時すでに遅く、彼女は複雑な思いを抱きます。

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解説

映画『秋菊の物語』は、張芸謀監督の代表作の一つで、従来の鮮やかな色彩使いとは異なり、ドキュメンタリー風のリアリズムを採用しています。原作は陳源斌の小説『萬家訴訟』で、中国の官僚主義と農村生活の現実を描きます。ユーモラスなタッチで人間ドラマを展開し、観客に笑いと感動を提供します。撮影は隠しカメラを使用し、街頭シーンで一般人の自然な反応を捉えています。これにより、1990年代の中国社会の日常が鮮やかに映し出されます。

テーマは正義の追求と面子の問題です。秋菊の執念は、単なる謝罪要求を超え、社会の不条理を象徴します。王善堂の逮捕という皮肉な結末は、官僚システムの硬直性を風刺しています。ロジャー・イーバートをはじめとする批評家は、この点を高く評価し、映画のドキュメンタリー的アプローチを称賛しています。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞は、その芸術性を証明します。

キャスティングでは、コン・リー以外に素人俳優を多く起用し、リアリティを高めています。音楽は趙季平が担当し、伝統的な中国民謡を基調に物語を支えています。本作は、中国映画の国際化を象徴する作品で、アカデミー賞外国語映画賞の中国代表に選ばれました。Rotten Tomatoesでは87%の支持率を獲得し、普遍的なテーマが世界的に共感を呼んでいます。

さらに、社会背景として、鄧小平時代の中国改革開放期を反映しています。農村から都市への移動シーンは、経済格差や法制度の未熟さを示します。監督の張芸謀は、この作品でコメディ要素を加えつつ、深刻な社会問題を軽やかに描いています。以後の中国映画に影響を与え、女性の強さを描く先駆けとなりました。全体として、娯楽性と批評性を兼ね備えた傑作です。

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キャスト

  • 秋菊(チュウチュィ):コン・リー
  • 村長・王善堂(ワン・シャンタン):雷恪生(レイ・コーション)
  • 巡査・李(リー):戈治均(コオ・チーチュン)
  • 夫・萬慶來(ワン・チンライ):劉佩琦(リウ・ペイチー)
  • 義姉・妹子(メイツー):楊柳(ヤン・リウ)
  • 区公安局長:楊学進(ヤン・シュエジン)
  • 弁護士:朱斌(チュウ・ビン)

スタッフ

  • 監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
  • 脚本:劉恒(リュウ・ホン)
  • 原作:陳源斌(チェン・ユアンピン)『萬家訴訟』
  • 製作:馮一亭(フォン・イーティン)、馮國馬(フォン・クオマー)
  • 撮影:池小寧(チー・シャオニン)、呂紅一(リュウ・ホンイー)、于小群(ユー・シャオチュン)
  • 編集:杜元(ドゥー・ユアン)
  • 音楽:趙季平(チャオ・チーピン)
  • 美術:曹久平(ツァオ・チウピン)
  • 衣装:佟華苗(トン・フアミャオ)

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