「ウルヴァリン:SAMURAI」(原題:The Wolverine)は2013年公開の米英合作のスーパーヒーロー映画。X-MENシリーズのスピンオフで、日本を舞台にウルヴァリンの新たな戦いと葛藤を描写。監督はジェームズ・マンゴールド、主演はヒュー・ジャックマン。日本人女優のTAO(岡本多緒)と福島リラが重要な役を演じ、物語の鍵を握る活躍をみせる。
基本情報
- 邦題:ウルヴァリン: SAMURAI
- 原題:The Wolverine
- 公開年:2013年
- 製作国:米国
- 上映時間:125分
- ジャンル:アクション、SF
- 配給:20世紀フォックス映画
あらすじ
1945年、長崎で原爆が投下される中、ウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は青年将校・矢志田市朗を救う。数十年後、カナダで隠遁生活を送るローガンは、矢志田からの招待で日本へ向かう。病床の矢志田は、ローガンの不老不死の能力を自身に移す提案をするが、死去。矢志田の葬儀で孫娘・マリコ(TAO)がヤクザに襲われ、ローガンは彼女を救う。だが、謎の力で治癒能力を失ったローガンは、初めて死の恐怖を感じながら、マリコを救うためヤクザや忍者、強敵シルバーサムライと戦う。東京から長崎への逃避行で、ローガンとマリコは愛を深めるが、さらなる試練が待ち受ける。
解説
本作は、マーベル・コミックの「ウルヴァリン」を原作とし、1982年のクリス・クレアモントとフランク・ミラーによるリミテッドシリーズに着想を得ています。X-MENシリーズの6作目であり、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」の続編として位置づけられます。日本文化を大胆に取り入れ、新宿、秋葉原、増上寺、広島県福山市などでのロケが特徴です。武士道やヤクザといった日本の要素を背景に、ローガンの内面的葛藤とアクションが融合。治癒能力を失うという設定は、ウルヴァリンの脆弱性を浮き彫りにし、彼の人間性を深く掘り下げます。監督ジェームズ・マンゴールドは、日本文化への敬意とハリウッドらしいアクションのバランスを追求。批評家からは賛否両論あるものの、日本描写のエキゾチックな魅力やアクションシーンの迫力が評価されています。特に新幹線上での戦闘シーンや真田広之の刀さばきは見どころです。
女優の活躍
本作では、日本人女優のTAO(岡本多緒)と福島リラが重要な役を演じ、物語の鍵を握る活躍を見せます。TAOは矢志田マリコ役として、ローガンの心を動かすヒロインを演じます。マリコは矢志田産業の後継者としてヤクザに狙われるが、芯の強い女性として描かれ、ローガンとの逃避行で愛を育む。TAOの繊細な演技は、マリコの恐怖や決意を自然に表現し、特に長崎での静かなシーンで感情の深さが際立ちます。
福島リラはユキオ役で、矢志田の部下であり予知能力を持つミュータントを演じます。彼女はローガンを日本に導き、戦闘でサポートする頼もしい存在。福島のアクションシーンでのキレのある動きと、ユキオの忠誠心やユーモアを表現する演技が光ります。両者とも日本を代表するキャストとして、国際的な舞台で存在感を発揮しました。
また、ファムケ・ヤンセンがジーン・グレイ役で夢の中に登場し、ローガンの心理的葛藤を強調する重要な役割を果たします。
女優の衣装・化粧・髪型
TAO演じるマリコの衣装は、日本文化を反映したものが多く、和服やモダンなドレスが登場します。葬儀シーンでは黒い和服を着用し、厳粛な雰囲気の中で気品を漂わせます。和服は伝統的な日本の美を強調し、TAOのしなやかな佇まいと調和。逃避行中はカジュアルな服装に変わり、動きやすさと現代的な日本の女性像を表現。化粧はナチュラルで、恐怖や悲しみを強調する際は控えめなアイメイクが感情を引き立てます。髪型は、和服時にはシンプルなアップスタイルで上品さを、カジュアルシーンでは自然なダウンスタイルで親しみやすさを演出。
福島リラ演じるユキオは、赤い髪が特徴的で、個性的なキャラクターデザインが際立ちます。衣装は戦闘に適したタイトなジャケットやパンツで、アクションシーンでの機敏さを強調。赤い髪はショートカットで、戦士としての強さと現代的な日本のサブカルチャーを感じさせます。化粧はシャープなアイラインと控えめなリップで、ユキオのクールな性格を表現。戦闘シーンでの汗や傷のメイクもリアルで、彼女のタフさを引き立てます。
ファムケ・ヤンセン演じるジーン・グレイは夢の中の存在として登場し、エーテリアルな雰囲気を持つ衣装が特徴。白や淡い色のドレスは、彼女の幽霊的な存在感を強調。化粧は柔らかなトーンで、夢幻的な美しさを演出。髪はゆるやかなウェーブで、過去の記憶としてのジーンの優雅さを表現します。
キャスト
- ヒュー・ジャックマン:ローガン(ウルヴァリン) – 不老不死のミュータント
- TAO(岡本多緒):マリコ・ヤシダ – 矢志田の孫娘
- 福島リラ:ユキオ – 予知能力を持つ矢志田の部下
- 真田広之:シンゲン・ヤシダ – 矢志田の息子
- スヴェトラーナ・コドチェンコワ:ヴァイパー(Dr.グリーン) – ローガンの能力を奪う敵
- ハル・ヤマノウチ:ヤシダ(矢志田市朗) – 矢志田産業の総裁
- ウィル・ユン・リー:ケンイチロウ・ハラダ – 弓の名手
- ブライアン・ティー:ノブロー・モリ – 法務大臣
- 山村憲之介:若い頃のヤシダ
- ファムケ・ヤンセン:ジーン・グレイ – ローガンの夢に現れる亡魂
- イアン・マッケラン:マグニートー(カメオ出演)
- パトリック・スチュワート:プロフェッサーX(カメオ出演)
スタッフ
- 監督:ジェームズ・マンゴールド
- 脚本:マーク・ボンバック、スコット・フランク、クリストファー・マッカリー(ノンクレジット)
- 製作:ローレン・シュラー・ドナー、ハッチ・パーカー
- 製作総指揮:スタン・リー、ジョゼフ・M・カラッチオーロ
- 撮影:アミール・モクリ
- 編集:マイケル・マカスカー
- 音楽:マルコ・ベルトラミ
- 美術:フランソワ・オデュイ
- 衣装:イシス・ムセンデン
- 配給:20世紀フォックス
レビュー 作品の感想や女優への思い