バンテージ・ポイント

2008年の米国映画『バンテージ・ポイント』は、スペインでの米大統領狙撃事件を8人の視点から描くサスペンス・アクション。90分で展開する斬新な構成と緊迫感が見どころ。

邦題：バンテージ・ポイント
原題：Vantage Point
公開年：2008年
製作国：アメリカ
上映時間：90分
ジャンル：アクション
配給：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あらすじ
解説
女優の活躍
女優の衣装・化粧・髪型
キャスト
スタッフ

あらすじ

スペインのサラマンカで開催されたテロ撲滅の国際サミット。米大統領ヘンリー・アシュトンが演説中に何者かに狙撃され、続けて広場で爆弾が爆発する。シークレット・サービスのトーマス・バーンズは、事件の真相を追うため、現場に居合わせた観光客のビデオやテレビ中継の映像などから手がかりを探す。物語は、ニュースプロデューサー、観光客、現地警官、大統領本人など、8人の異なる視点から同じ23分間を繰り返し描き、徐々に事件の全貌と裏に潜む陰謀を明らかにしていく。各視点はクリフハンガー形式で終わり、次の視点へと移ることで緊張感を維持。視点が切り替わるごとに新たな事実が判明し、観客は驚愕の結末へと導かれる。

解説

『バンテージ・ポイント』は、複数の視点から同一の出来事を描くという斬新なストーリー展開が特徴のサスペンス・アクション映画です。黒澤明監督の『羅生門』に着想を得たといわれるこの手法は、各キャラクターの視点を通じて少しずつ真相が明らかになる構成で、観客を引き込む巧妙な脚本が魅力です。ただし、『羅生門』が複数の視点を通じて「真実」の曖昧さを探求するのに対し、本作は各視点がパズルのピースのように組み合わさり、明確な真相を浮かび上がらせる点で異なります。この手法は、物語のスピード感と緊張感を高め、90分というコンパクトな上映時間内に無駄のない展開を実現しています。

映画は、テロや暗殺といった重いテーマを扱いつつ、アクションシーンやカーチェイスも豊富に盛り込まれており、娯楽性が高い作品です。特に、視点が切り替わるたびに新たな伏線が回収され、観客の予想を裏切る展開が連続する点が評価されています。一方で、テロリストの動機や背景の説明が不足しているとの批評もあり、物語の深みを求める観客にはやや物足りない部分もあるかもしれません。それでも、90分という短い時間で複数の視点を効果的に組み合わせ、緊張感を維持し続ける監督ピート・トラヴィスの手腕は高く評価されています。

女優の活躍

Vantage Point (2008) - Presidential Assassination Scene (1/10) | Movieclips

Vantage Point - Presidential Assassination: President Ashton (William Hurt) is apparently assassinated.BUY THE MOVIE:

本作には、シガーニー・ウィーバー、ゾーイ・サルダナ、アイェレット・ゾラーといった実力派女優が出演していますが、物語の中心は主に男性キャラクターに焦点が当てられており、女優の活躍は限定的です。以下に、主要な女優の役割と活躍を紹介します。

シガーニー・ウィーバー（レックス・ブルックス役）

『エイリアン』シリーズで知られるシガーニー・ウィーバーは、ニュース番組のプロデューサー、レックス・ブルックスを演じます。彼女は中継車から大統領の演説を放送する役割を担い、事件の初期の視点を提供します。ウィーバーの落ち着いた演技は、混乱の中で冷静に状況を分析するプロデューサーのプロフェッショナリズムを表現しています。しかし、彼女の出番は物語の序盤に集中しており、後半では登場が少なく、全体のストーリーへの影響は限定的です。

ゾーイ・サルダナ（アンジー・ジョーンズ役）

『アバター』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で知られるゾーイ・サルダナは、ニュースキャスターのアンジーを演じます。彼女の役割は短く、主に事件の報道を通じて観客に情報を提供する役割です。サルダナの存在感は強いものの、物語の中心には関与せず、脇役としての登場に留まります。

アイェレット・ゾラー（ヴェロニカ役）

イスラエル出身の女優アイェレット・ゾラーは、テロリストの一員であるヴェロニカを演じます。彼女のキャラクターは物語の後半で重要な役割を果たし、冷酷かつ計算高い一面を見せます。ゾラーの演技は、感情を抑えたクールなテロリスト像を効果的に表現し、物語に緊張感を加えています。彼女の出番は限られていますが、ストーリーの鍵を握る場面での活躍が印象的です。

全体として、女優の活躍は物語の中心ではなく、サポート的な役割に留まっています。特にシガーニー・ウィーバーのファンは、彼女の出番の少なさに物足りなさを感じるかもしれませんが、それぞれの女優が限られた時間の中で確かな存在感を示しています。

女優の衣装・化粧・髪型

本作の女優の衣装、化粧、髪型は、キャラクターの役割やシーンの状況に応じて現実的かつ機能的にデザインされています。以下に、主要女優の特徴を紹介します。

女優たちの衣装やメイクは、物語のリアリティを高めるために控えめで現実的です。特に、サスペンス・アクションの緊迫感を損なわないよう、華美な装飾は避けられています。

シガーニー・ウィーバー（レックス・ブルックス）

レックスはニュースプロデューサーとして、中継車内で働くプロフェッショナルな女性として描かれます。衣装は、ダークトーンのスーツやブラウスを基調としたビジネスカジュアルで、信頼感と落ち着きを強調。化粧はナチュラルで、プロデューサーとしての実務的な雰囲気を反映し、派手さはありません。髪型は、ショートカットのシンプルなスタイルで、動きやすくプロフェッショナルな印象を与えます。彼女の外見は、混乱の中でも冷静さを保つキャラクター性を補強しています。

ゾーイ・サルダナ（アンジー・ジョーンズ）

アンジーはニュースキャスターとして、洗練された外見が求められる役割です。衣装は、明るい色のスーツやドレッシーなブラウスで、テレビ映えする華やかさを持ちつつ、現場の緊迫感に合う実用性を兼ね備えています。化粧は、テレビ出演にふさわしいしっかりとしたメイクアップで、アイラインやリップが強調されています。髪型は、整ったアップスタイルで、プロフェッショナルかつ清潔感のある印象です。

アイェレット・ゾラー（ヴェロニカ）

ヴェロニカの衣装は、テロリストとしての役割を反映し、動きやすさを重視したダークカラーのカジュアルな服装です。ジャケットやパンツは実用性が高く、戦闘シーンに適しています。化粧は最小限で、ナチュラルかつ厳しい表情を強調。髪型は、シンプルなポニーテールで、アクションシーンでの機能性を優先しています。彼女の外見は、冷酷で目的意識の強いキャラクターを表現しています。