韓国映画『リボルバー』(原題:리볼버)は、オ・スンウク脚本・監督、チョン・ドヨン、チ・チャンウク、イム・ジヨン主演の2024年のアクション犯罪映画。あらすじは、恋人の裏金問題(汚職スキャンダル)に巻き込まれ、背後の巨大勢力を突き止め、立ち向かうというもの。2024年8月7日に劇場公開されました(日本公開はTOHOシネマズ系列で2025年2月28日から)。
基本情報
- 邦題:リボルバー
- 原題:리볼버
- 英題:Revolver
- 公開年:2024年
- 製作国:韓国
- 上映時間:115分
- ジャンル:クライム
- 配給:ツイン
- 公式サイト:映画『リボルバー』オフィシャルサイト
予告編はこちら。
製作会社
- サンアイ・ピクチャーズ
販売代理店 / ISA
- プラスエム・エンタテインメント
配給会社
- バク・フィルムズ
- ゴールデン・ヴィレッジ・ピクチャーズ
- プラオン・ピクチャーズ
- プラスエム・エンタテインメント
- ウェルゴーUSAエンターテインメント
見どころ
登場人物は全員悪人のスリリングなストーリーに引き込まれる。『キル・ボクスン』のチョン・ドヨンが徹底的に感情を抑制し、崖っぷちの静かな迫力をたたえた演技で新境地を開いた。
あらすじ
ハ・スヨン(チョン・ドヨン)は、正義感の強い刑事として活躍していたが、ある事件をきっかけに無実の罪で2年間の服役を強いられる。出所後、彼女は自分を陥れた裏切り者への復讐を決意。調査を進める中で、謎の女性ユン・ソナ(イム・ジヨン)と対峙し、事件の背後に巨大な陰謀が隠されていることを知る。スヨンは、裏切りと欲望が交錯する危険な世界に身を投じ、自身の正義を貫くため戦う。復讐の果てに彼女がたどり着く真実とは何か。アクションとサスペンスが交錯する緊迫の物語が展開する。

ファム・ファタル
やつれ切ったチョン・ドヨンのご尊顔。映画はチョン・ドヨンの出所風景から始まります。全身黒でタイトスカート。ストッキングは穿いていなさそうで黒のタイトとピンヒールが目立ちました。その後、生活立て直しのためブティックで緑色の服を購入。濃いメイクをして、つかの間のセルフ・ファッションショーを新居で楽しみます。
女優の活躍
『リボルバー』では、チョン・ドヨンとイム・ジヨンが主演を務め、両者の迫真の演技が作品の核心を担っています。チョン・ドヨンは元刑事ハ・スヨン役を演じ、無実の罪で2年間服役した女性の復讐心と葛藤を見事に表現。彼女の持ち味である深い感情表現と、アクションシーンでの力強い動きが光ります。特に、復讐の過程で揺れ動くスヨンの心理を、表情や仕草で繊細に演じ分け、観客を引き込みます。
一方、イム・ジヨンはスヨンを裏切った謎めいた女性ユン・ソナ役で、冷酷さと脆さを併せ持つ複雑なキャラクターを熱演。彼女の妖艶かつ狡猾な演技は、物語の緊張感を高め、チョン・ドヨンとの対峙シーンでは圧倒的な存在感を発揮します。両女優のぶつかり合いは、映画の最大の見どころであり、韓国映画界を代表する実力派の競演として高い評価を受けています。
女優の衣装・化粧・髪型
チョン・ドヨン演じるハ・スヨンの衣装は、彼女の境遇を反映した実用的かつ無骨なスタイルが特徴です。服役後のシーンでは、ダークトーンのジャケットやカーゴパンツ、ブーツを着用し、復讐に燃えるタフな女性像を強調。化粧はほぼナチュラルで、疲弊感や決意を表現するため、薄いベースメイクに目の下のクマや荒れた肌をあえて見せる演出が施されています。髪型は、ショートカットのウィッグを使用し、動きやすさと無駄のない雰囲気を演出。物語が進むにつれ、髪が乱れる様子で彼女の精神状態の変化を表現しています。
対照的に、イム・ジヨン演じるユン・ソナの衣装は、洗練された都会的なスタイルが中心。タイトなドレスやハイヒール、トレンチコートなど、高級感のあるファッションでソナのアクティブな魅力を引き立てます。化粧は、シャープなアイラインと赤いリップで妖艶さを強調し、特に夜のシーンでは光沢感のあるメイクで視線を奪います。髪型はロングヘアをゆるく巻いたスタイルや、アップスタイルでシーンに応じた変化を加え、ソナの計算高さと優雅さを表現。両者の対比的なビジュアルは、キャラクターの性格や立場を象徴しています。
感想
オ・スンウク監督による韓国映画『リボルバー』は、2人の主演女優、ハ・スヨン役の毅然としたチョン・ドヨンと、チョン・ユンソン役の魅力的なイム・ジヨンの素晴らしい演技が記憶に残ります。
物語はゆっくり展開し、前半の大部分は、理想的な新居に引っ越そうとしていた警察官スヨンを取り巻く裏切りと復讐の複雑な網の目を解きほぐすことに費やされます。しかし、彼女はパートナーにまつわる予期せぬ汚職スキャンダルに巻き込まれ、最終的には多額の賄賂を受け取って罪をかぶってしまいます。この点がこの映画の弱点と言えるかもしれません。サスペンスに満ちたスリラーへ移行するにつれ、映画は大きく改善され、衝撃的なドラマチック・フィナーレでクライマックスを迎えます。
惜しむらくは、結末が明快さに欠けることですが、前向きに考えれば、韓国らしい メリハリを効かせた終わり方とも言えます。とにかく、それでも終始私の注意を引きつけてくれました。
解説

『リボルバー』は、韓国映画らしい濃密な人間ドラマとスタイリッシュなアクションを融合させた作品。監督オ・スンファンは、緻密な脚本とダイナミックな映像で、復讐劇に新たな息吹を吹き込みます。本作は、単なるアクション映画に留まらず、裏切りや正義、女性の強さをテーマに深みのある物語を展開。特に、チョン・ドヨンとイム・ジヨンの対決は、心理戦と肉体的な戦闘の両方で観客を引き込み、韓国映画の女性キャラクターの多面性を示しています。撮影はソウルの夜景や工業地帯を背景に、暗い色調で緊張感を演出。音楽も、緊迫したシーンを盛り上げる重厚なスコアと、感情的な場面を際立たせるメロディが効果的に使用されています。韓国映画のアクションサスペンスの伝統を受け継ぎつつ、女性主人公の視点から描かれる本作は、現代社会における正義と復讐の葛藤を問いかけます。
受賞
チョン・ドヨンは『リボルバー』で主演を務めました。この作品で、元警官スヨン役を演じ、約束を破られたことによる復讐劇を熱演。チ・チャンウクやイム・ジヨンとの共演が話題となり、彼女の迫真の演技が高く評価されました。また、公開に際して日本の観客に向けたメッセージやメイキング映像も公開され、注目を集めました。
2025年5月5日に開催された第61回百想芸術大賞の映画部門で、チョン・ドヨンさんは『リボルバー』での演技が認められ、最優秀演技賞(女)を受賞。この受賞は、彼女の演技力の高さを改めて証明するものであり、授賞式では淡いイエローのドレスで登場し、気品ある姿が話題となりました。
メイン・キャスト
- ハ・スヨン役:チョン・ドヨン。韓国を代表する演技派女優。『シークレット・サンシャイン』や『ハウスメイド』での受賞歴を持ち、本作では復讐に燃える元刑事を熱演。
- ユン・ソナ役:イム・ジヨン。『人間中毒』や『ザ・グローリー』で注目を集め、アクティブな女性像を見事に演じる。
- キム・ジョンウ役:キム・ナムギル(助演)。スヨンを支える元同僚刑事役。落ち着いた演技で物語に深みを加える。
- パク・ミンジェ役:チ・チャンウク(助演)。ソナの協力者で、裏社会の男を演じる。アクションシーンで存在感を発揮。
一覧
- チョン・ドヨン:ハ・スヨン役
- チ・チャンウク:アンディ役
- イム・ジヨン:チョン・ユンソン役
- キム・ジュンハン:シン・ドンホ役
- キム・ジョンス:チーフ・ディレクター役
- チョン・ヘジン:グレース役
- チョン・マンシク:チョ・ジェフン役
- オ・ウイシク:ホン・インギ役
- ユン・ギョンホ:ヤン弁護士役
- ヤン・ヒョンミン:パク・ギョンリョン役
- キム・ヘウン:シャーマン役
- キム・ジュンベ:僧侶役
- ユ・ソンジュ:クォン課長
- イ・ジョンジェ:イム・ソクヨン役
- チョン・ジェヨン:ミン・ギヒョン役
- パク・ミンジョン:ボディーガード役
スタッフ
- 監督:オ・スンファン。新進気鋭の監督で、緻密なストーリーテリングとアクション演出に定評がある。本作が長編3作目。
- 脚本:キム・ユジン。心理サスペンスに強い脚本家。キャラクターの内面を丁寧に描く。
- 撮影監督:イ・ヒョンジュン。ソウルの夜景を活かした暗いトーンの映像美を構築。
- 音楽:チョ・ヨンウク。韓国映画界の名匠。緊張感と感情を高めるスコアを提供。
- 製作:スタジオ・サンタクロース・エンターテインメント。韓国映画のヒット作を多数手掛ける製作会社。
まとめ
本作は、2024年8月7日に韓国で公開され、日本では2025年初頭に公開予定。チョン・ドヨンとイム・ジヨンの競演は、国内外で高い注目を集め、アクションとサスペンスのバランスが評価されています。復讐劇としての普遍性と、韓国映画特有の感情の濃さが融合した本作は、観客に強い印象を残すでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い