ハウスメイド

この記事のうち「見どころ」には若干の誇張表現があります。

上流階級の邸宅で起きた、従順だったメイドの復讐とその周囲の騒動を描いたサスペンス。キム・ギヨン監督『下女』(1960年)のリメイク。

『ハウスメイド』は2010年に公開された韓国のイム・サンス監督によるエロティック・サイコスリラー映画。出演者は、チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ユン・ユジョン、ソ・ウなど。あらすじは、チョン・ドヨン演じるウニが、上流家庭の家政婦として働きながら、破壊的な三角関係に巻き込まれていくというもの。2010年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。

グエン
グエン

ハウスメイドは家政婦と訳されることも多いです。古くは女中や下女など。

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ハウスメイド

  • 邦題:ハウスメイド
  • 原題:하녀/下女
  • 英題:The Housemaid
  • 公開年:2010年
  • 上映時間:107分
  • 製作国:韓国
  • ジャンル:サスペンス、ドラマ、ホラー
  • 配給:ギャガ

予告編はこちら。

あらすじ

上流階級の邸宅でハウスメイドとして働くウニは、ある日、主人のフンに求められ関係をもってしまいます。

やがてフンとの妊娠が発覚し、邸宅を出てひとりで産もうと決意しますが、彼女の妊娠をきっかけに、穏やかだった邸宅内は一転して欲望と波乱に満ちていき…。

見どころ

  • キム・ギヨン監督の名作「ハウスメイド」(1960年)を、イム・サンス監督がリメイク。
  • 階級社会で生きる人たちの非人間性、徐々に人格が壊れていく人たちなどを、迫真の演技で描写。

ファム・ファタル

4人の美熟女が登場。メイク頑張ったときの重厚なセクシーさは、どなたも満点。ハウスメイドのイ・ウンイを演じたチョン・ドヨンと、フン夫人を演じたウ・ソが若年美人。

チョン・ドヨン(イ・ウンイ役)

なむ
なむ

最初のベッドシーンで匂いの大切さを私に教えてくれました。

ユン・ユジョン(ビョンシク役)

韓国を代表するオカンといえばユン・ユジョン。彼女はベテラン家政婦ビョンシクとして、新米イ・ウンイを応援しています。

ウ・ソ(ヘラ役)

成金らしい意地悪な感じを小悪魔風に演じていて前半は楽しめました。

母が登場してからは押され気味の演技。これも含めたら、ウ・ソの演技力は高いといえるかも。

パク・チヨン(ヘラの母親ミヒ役)

なむ
なむ

頬ずりしたい…。

あくどいヘラ母ミヒの顔面と表情がセクシーだと思ったら、「犯罪の女王」に出演したパク・チヨンでした。どうやら、わたしはこのタイプに惹かれるらしい。

本作でパク・チヨン演じるヘラ母は、妊娠・出産を盾に結婚を迫るデキ婚戦略を娘ヘラに教えてきたことが分かり、なかなかの悪女ぶりを発揮しています。

フンがピアノを弾く場面では、黒ストッキングに包まれた脚を組んで、ソファに座っているのですが、暗い照明とあいまって、とってもファム・ファタルな雰囲気を醸し出していました。

感想

上流階級といっても、大きい家に住んでいる程度の上流が舞台。家族が成金すぎて、上下関係に固執しすぎる様子を定番風に映しています。

そこに、ピュア色な女子がエロ色を覚えはじめて、グレーゾーンとブラックゾーンを揺れ動くヘラやブラック一色の邪悪さを徹底するヘラ母たちに、女性ならではの戦争に巻き込まれ、女性の露骨さをたっぷりと味わえます。

とくに、パク・チヨンが演じるヘラ母はどぎつい悪女ぶりに、暗い衣装や恋メークが重なって、わたしはすっぽりと吸い込まれました。

解説

中年バツイチのウニは、上流家庭の家政婦として雇われます。着任して間もなく、この家の主人であるフンが、自分の社会的立場を利用してウニのシーツに潜り込んできます。フンの訪問は頻繁になり、年老いた家政婦のビョンシクはヘラの母ミヒに不倫を報告。

やがてウニは奇跡的に妊娠し、子供を産みたいと言い出します。そのことが家族にばれ、ウニは子供を産んで家を出たいと訴えますが、ミヒによって中絶を強要されます。ミヒの企みは、フンが自分の子供を堕ろしたことで裏目に。堕胎を強要されたウニの精神状態は悪化し、彼女は自分の手で解決しようと決意します。

トリビア

ボディハーネス

チョン・ドヨン演じるウニが吊り下がりながらシャンデリアを掃除している最中に、彼女が着用するボディハーネスが見えます。

ナサニエル・ウェスト『ミス・ロンリーハーツ』

1時間9分頃、ウニがベッドに座っているとき、背景には英語の文字がかすかに見える大きなアートがあります。その言葉はナサニエル・ウェスト『ミス・ロンリーハーツ』からの引用で、鬱、孤独、飲酒、不倫、身体的虐待など、この映画のテーマと重なるものが多い。

チョン・ドヨンの火傷跡

この映画には、チョン・ドヨンの太ももの上に大きな傷跡(火傷)がみえる場面が2つあります。ハングル・セルロイドのウェブサイトでそのことについて尋ねられたイム・サンス監督は、次のように答えました。

「撮影が始まる前に、彼女は私にその傷跡について話してくれました。でも撮影が進むにつれて、その傷跡が映画の中のアイデアととてもマッチしていると感じたので、とくに焦点を当てた場面をいくつか用意したのは事実。CGで消すこともできましたが、チョン・ドヨンと相談して、この傷は映画にとてもマッチしているので残すべきだということで意見が一致しました」。

台詞

  • ヘラの母:お金持ちの夫がいれば、浮気はつきものよ。
  • ウニ・リー:あなたは私のことを人間だとも思っていないでしょうけど、この赤ちゃんはあなたのものです。

特集

  • 「映画にて」カンヌ国際映画祭2010(TV Episode 2010)…韓国映画特集で紹介。
  • 「エバート・プレゼンツ アット・ザ・ムービーズ』 もうひとりの女/コールド・ウェザー/ルーダー・ザン・ア・ボム/ハウスメイド/サンクタム(TV放映:2011年)…批評家たちが映画を批評するクリップを放映。
  • 蜜の味 テイスト・オブ・マネー(2012年)…家族が視聴室でこの映画を視聴。

続編

  • 蜜の味 テイスト・オブ・マネー(2012)

キャスト

配役 出演者
イ・ウンイ チョン・ドヨン
ゴー・フン イ・ジョンジェ
ビョンシク ユン・ユジョン
ヘラ ウ・ソ
ヘラの母 パク・チヨン
ナミ アン・ソヒョン
ウニの友人 ファン・ジョンミン
産婦人科医 ムン・ソリ
医師 キム・ジナ
漢方医 チェ・テバク
秘書課長 チョン・シンファン
運転手 ノ・サンミン
警備員 チャン・スンギュ
セキュリティ2 チョ・ヨンジェ
ヨガインストラクター イム・ヒョンギョン
老女房 イ・クムユン
若い家政婦1 キム・ジソン
若い家政婦2 ハン・ソンイ
デス・リープ・ガール パク・ジュソン
看護師1 ユン・スンヒ
看護師2 ソ・ハヨン
CT医師 キム・ジェヒョン
麻酔医 ウ・ヘソン
スクラブナース キム・ウノク

スタッフ

初期の脚本稿はキム・スヒョンが執筆しましたが、イム・サンス監督が脚本を大幅に修正。キムは完全にイム自身の作品とみなしたため、プロジェクトから離れることを決意し、公に不満を表明。

  • 監督…イム・サンス
  • 脚本…イム・サンス
技術 担当
衣装デザイン イ・ジンア
衣装デザイン監督 チェ・セヨン
衣装デザイン助手 キム・ボソル
ヘアスタイル / メイク チョン・シニョン
メイクアップ イ・ウンジュ
ヘアスタイル / メイク イ・ヘギョン

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