上海を舞台にした映画

上海を舞台にした映画を以下に紹介します。各作品について概要や特徴をまとめます。上海の都市景観や文化、歴史的背景がどのように描かれているかに焦点を当て、簡潔に説明します。

『ザ・ライト -エクソシストの真実-』のミカエル・ハフストロームが監督し、1941年の上海を舞台に描くアメリカ・中国合作のサスペンス大作。太平洋戦争勃発（ぼっぱつ）前の日本軍占領下の上海で、あるアメリカ諜報（ちょうほう）部員の死の裏に隠され...

上海グランド（原題：上海灘十三太保、1984年）
ラスト、コーション（原題：色，戒、2007年）
ミッション：インポッシブル3（2006年）
コード46（2003年）
花様年華（原題：花樣年華、2000年）
スージー・ウォンの世界（1960年）
太陽の帝国（1987年）
補足

上海グランド（原題：上海灘十三太保、1984年）

1930年代の上海を舞台にした香港映画で、ギャングの世界と抗日運動が交錯するアクション作品。監督は張徹。主演のディビッド・チャンが演じる若者は、裏社会で生きる中で愛と義理に葛藤する。上海の租界や賑やかな街並みが、戦前の混沌とした雰囲気を強調する背景として登場。

上海のネオン輝く夜景や雑多な市場が、物語の緊張感を高める。ギャング同士の抗争シーンは、スタイリッシュな銃撃戦で描かれ、香港映画特有の過剰なドラマ性が魅力。抗日テーマが強く、当時の上海が中国と西洋の文化が衝突する場として表現される。租界の洋風建築や伝統的な路地が、時代背景を色濃く反映。

ラスト、コーション（原題：色，戒、2007年）

アン・リー監督のスパイ映画で、第二次世界大戦中の上海と香港が舞台。タン・ウェイ演じる女子大生が、日本と協力する高官（トニー・レオン）を暗殺するため潜入する。上海の戦時下の緊張感と、禁断の愛が描かれる。上海の街は、戦時の暗い雰囲気と華やかな社交場が対比的に映し出される。カフェや劇場、租界の高級住宅街が登場し、1940年代の都市の洗練さと不安定さが共存。細やかな美術や衣装が、上海の国際性を強調。情熱的なラブシーンと政治的駆け引きが絡み合い、心理的な深みが際立つ。上海の霧深い街角が、登場人物の心の揺れを象徴。

ラスト、コーション

『ラスト、コーション』は、アイリーン・チャンの1979年の小説を原作に、アン・リーが監督したエロティックな時代スパイ・ロマンミステリー映画。1938年の香港と、日本軍に占領され王景偉が率いる傀儡政権に統治されていた1942年の上海を舞台にしています。

ミッション：インポッシブル3（2006年）

トム・クルーズ主演のアクション映画で、上海が重要な舞台の一つ。イーサン・ハント（クルーズ）が、秘密兵器を巡るミッションで上海の高層ビル群を駆け巡る。現代の上海のスカイラインが、アクションの舞台として強調される。

上海の浦東地区にそびえるジンマオタワーや近代的なビル群が、未来的な都市像として登場。川沿いの外灘や伝統的な路地も映り、伝統と近代化の融合が印象的。アクション場面では、高層ビルからのダイブや市街地での追跡劇がスリリング。上海はグローバルなスパイ活動の舞台として、国際的でダイナミックなイメージで描かれる。夜のライトアップされた街が、緊張感を増幅。

コード46（2003年）

マイケル・ウィンターボトム監督のSF映画。未来の上海を舞台に、ティム・ロビンスとサマンサ・モートン演じる男女の禁断の愛が描かれる。遺伝子操作が支配するディストピア社会で、身分制度や監視がテーマ。

上海の浦東地区の高層ビルやネオン輝く街並みが、未来的なディストピアとして再構築。外灘や伝統的な要素も織り交ぜられ、グローバル化と監視社会の象徴として機能。夜の上海の光と影が、孤独な恋物語を彩る。言語や文化の混淆が、登場人物の疎外感を強調。上海の国際性と無機質な美しさが、SFの冷たい世界観にマッチ。

花様年華（原題：花樣年華、2000年）

ウォン・カーウァイ監督の名作。1960年代の香港が主舞台だが、上海出身の移民コミュニティが描かれ、上海の文化が色濃く反映。トニー・レオンとマギー・チャンが、隣人として惹かれ合うも道ならぬ恋に苦しむ。

上海の伝統的な旗袍や音楽が、ノスタルジックな雰囲気を作り出す。狭いアパートや雨の路地は香港だが、上海の移民文化を彷彿とさせる。抑制された感情表現と、色彩豊かな映像美が特徴。上海の洗練された美意識が、登場人物の内面的な葛藤と調和。間接的に上海の過去の華やかさを思わせる作品で、文化的影響が深い。

花様年華

1962年の香港。新聞社の編集者であるチャウ氏と、商社で秘書として働くチャン夫人は、同じアパートに同じ日に引っ越してきました。いつから始まったのか、互いの配偶者が不倫関係にあることに気づいた2人は、秘密の時間を共有するようになっていきます…。

スージー・ウォンの世界（1960年）

ハリウッド映画で、ウィリアム・ホールデンとナンシー・クワン主演。香港が主舞台だが、上海出身の娼婦スージーの背景が物語に影響。画家と娼婦のロマンスが、異文化の出会いとして描かれる。

上海の移民文化が、スージーの気品と悲劇性を通じて表現。香港の街並みに上海のエッセンスが混じる。バーや港のシーンは、1950年代の東洋と西洋の交差点を象徴。スージーの旗袍や振る舞いに、上海の洗練された美が投影される。異国情緒とメロドラマが、上海の国際的イメージを間接的に強化。色彩豊かなセットが印象的。