ゾーイ・カザン(Zoe Kazan)は、米ロサンゼルス出身の女優、脚本家、劇作家。『ルビー・スパークス』の主演・脚本や『ビッグ・シック』で知られる。イェール大学で演劇を学び、ブロードウェイでも活躍。ポール・ダノと共同脚本の『ワイルドライフ』や、舞台『Doubt』に出演。エミー賞ノミネート経験あり。
プロフィール
- ゾーイ・カザン(Zoe Kazan)
- 本名:ゾーイ・スウィコード・カザン(Zoe Swicord Kazan)
- 生年月日:1983年9月9日(42歳)
- 出生地:米国カリフォルニア州ロサンゼルス
- 職業:脚本家、女優
- ジャンル:映画
- 著名な家族:エリア・カザン(祖父)、モリー・カザン(祖母)、ニコラス・カザン(父)、ロビン・スウィコード(母)、マヤ・カザン(妹)
- SNSサイト:Instagram・X
生い立ち・教育
ゾーイ・スウィコード・カザン(Zoe Swicord Kazan)は、1983年9月9日、米国カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれました。両親は著名な脚本家ニコラス・カザンとロビン・スウィコードで、父方の祖父母は映画・舞台監督のエリア・カザンと劇作家モリー・カザン(旧姓サッチャー)。エリアはイスタンブール出身のアナタリオ・ギリシャ系移民で、モリーはメイフラワー号の子孫という、芸術と歴史に彩られた家系です。家族の旧姓はカザンツォグロー(Kazantzoglou)で、ギリシャ系に由来します。ゾーイには妹のマヤ・カザン(女優・監督)がいます。
幼少期はロサンゼルスで育ち、6歳で舞台『The Prime of Miss Jean Brodie』に出演し、演技への情熱を早くから示しました。教育はロサンゼルスの名門私立校、ワイルドウッド・スクール、ウィンドワード・スクール、マールボロ・スクールで受け、優秀な成績を収めました。その後、イェール大学に進学し、2005年に演劇の学士号(BA in Theater)を取得。イェールでは秘密結社「Manuscript Society」のメンバーとして活動し、演劇への造詣を深めました。大学在学中、脚本執筆にも取り組み、後の劇作家としてのキャリアの礎を築きました。彼女は自身の出自や家系の影響を認めつつ、独自の道を切り開く姿勢を貫いています。
経歴
ゾーイ・カザンのキャリアは、2003年の映画『Swordswallowers and Thin Men』でのサマンサ役で始まりました。2006年、シンシア・ニクソン主演のオフ・ブロードウェイ『The Prime of Miss Jean Brodie』でサンディ役を演じ、プロの舞台女優としての第一歩を踏み出します。2007年には『The Savages』でローラ・リニーやフィリップ・シーモア・ホフマンと共演し、テレビドラマ『Medium』にゲスト出演。同年、オフ・ブロードウェイの『100 Saints You Should Know』や『Things We Want』に出演し、舞台での評価を高めました。
2008年、ブロードウェイデビュー作『Come Back, Little Sheba』でウィリアム・インジの戯曲を演じ、ニューヨーク・タイムズのベン・ブラントリーから「一流の演技」と絶賛されました。同年、アントン・チェーホフの『The Seagull』のマーシャ役でクリスティン・スコット・トーマスらと共演し、映画では『Revolutionary Road』でレオナルド・ディカプリオやケイト・ウィンスレットと共演。2009年にはナンシー・マイヤーズ監督の『It’s Complicated』でメリル・ストリープの娘役を演じ、インディーズ映画『The Exploding Girl』や『I Hate Valentine’s Day』で主演を務めました。
2010年には、ケリー・ライヒャルト監督の西部劇『Meek’s Cutoff』でミリー・ゲイトリ―役を演じ、ミシェル・ウィリアムズやポール・ダノと共演。同年、HBOの『Bored to Death』でジェイソン・シュワルツマンの恋人ニーナ役で4エピソードに出演し、トニー・クシュナーの『Angels in America』の舞台でハーパー・ピット役を演じました。2012年、彼女が脚本を書き、主演した『Ruby Sparks』は、恋愛コメディとして高い評価を受け、ポール・ダノとのケミストリーが話題に。2014年にはHBOミニシリーズ『Olive Kitteridge』でデニス・チボドー役を演じ、エミー賞にノミネートされました。
2017年の『The Big Sick』ではエミリー・V・ゴードン(実在の人物)を演じ、クメイル・ナンジアニと共演し、批評家から絶賛。2018年にはコーエン兄弟の『The Ballad of Buster Scruggs』の「The Gal Who Got Rattled」で主演、2022年には『She Said』でジャーナリストのジョディ・カンター役を演じ、#MeToo運動を描きました。脚本家としては、2018年にポール・ダノと共同で『Wildlife』を執筆し、リチャード・フォードの小説を映画化。劇作家としては、『Absalom』(2009年)、『We Live Here』(2011年)、『Trudy and Max in Love』(2014年)、『After the Blast』(2017年)を発表し、2024年には『Doubt: A Parable』でブロードウェイに復帰。彼女の多才なキャリアは、演技、脚本、舞台での成功で際立っています。
私生活
ゾーイ・カザンは2007年から俳優ポール・ダノと交際を開始し、現在もパートナーとして生活を共にしています。2人はニューヨークのブルックリンに住み、2018年8月に娘アルマ・ベイ、2022年10月に息子を出産しました。結婚については、一部情報源で「2007年から結婚」と記載されていますが、公式な結婚記録は確認されておらず、長期的なパートナーシップを維持しているとされています。2人は『Ruby Sparks』や『Wildlife』で共同作業を行い、プロフェッショナルでも深い信頼関係を築いています。
ゾーイは社会正義やジェンダー平等の擁護者として知られ、インタビューでフェミニズムや多様性について発言。プライバシーを重視し、インスタグラムなどのソーシャルメディアでは控えめですが、ファンとの交流では率直で温かい人柄が伝わります。趣味は読書と執筆で、家族との時間を大切にしています。妹マヤとの関係も近く、芸術家一家としての絆を維持。彼女の推定純資産は約300万ドルで、演技と脚本の成功によるものです。
出演作品
ゾーイ・カザンの主な出演作品は以下の通りです。
- Swordswallowers and Thin Men(2003年)…サマンサ役で映画デビュー。インディーズ映画でキャリアをスタート。
- The Savages(2007年)…ローラ・リニー、フィリップ・シーモア・ホフマンと共演した家族ドラマ。
- Fracture(2007年)…アンソニー・ホプキンスとライアン・ゴズリングの法廷スリラーで小さな役。
- In the Valley of Elah(2007年)…トミー・リー・ジョーンズ主演の戦争ドラマに出演。
- Revolutionary Road(2008年)…モーリーン・グルーブ役で、レオナルド・ディカプリオと共演。
- August(2008年)…ジョシュ・ハートネットと共演したドラマでギャルの従業員役。
- Me and Orson Welles(2008年)…グレタ・アドラ―役で、ザック・エフロンと共演。
- It’s Complicated(2009年)…メリル・ストリープの娘役で、ナンシー・マイヤーズのロマコメに出演。
- The Exploding Girl(2009年)…主演で、インディーズ映画の繊細な役柄を演じた。
- I Hate Valentine’s Day(2009年)…ロマンティックコメディで主演。
- Happy. Thank You. More. Please.(2010年)…メアリー・キャサリン役で、ジョシュ・ラドナーと共演。
- Meek’s Cutoff(2010年)…ミリー・ゲイトリ―役で、西部劇でポール・ダノと共演。
- Bored to Death(2010年、TVシリーズ)…ニーナ役で、HBOのコメディに4エピソード出演。
- Ruby Sparks(2012年)…主演・脚本を務め、ポール・ダノと共演したロマンティックコメディ。
- The Pretty One(2013年)…双子の一人を演じたインディーズコメディ。
- What If(2013年)…ダニエル・ラドクリフと共演したロマンティックコメディ。
- Olive Kitteridge(2014年、TVミニシリーズ)…デニス・チボドー役でエミー賞ノミネート。
- The Big Sick(2017年)…エミリー・V・ゴードン役で、クメイル・ナンジアニと共演。
- The Ballad of Buster Scruggs(2018年)…コーエン兄弟の「The Gal Who Got Rattled」で主演。
- The Deuce(2017~2019年、TVシリーズ)…アビー・パーカー役でジェームズ・フランコと共演。
- The Plot Against America(2020年、TVシリーズ)…HBOの歴史改変ドラマに出演。
- Clickbait(2021年、TVシリーズ)…Netflixのスリラーシリーズに出演。
- She Said(2022年)…ジョディ・カンター役で、#MeToo運動を描いた。
舞台では『Come Back, Little Sheba』(2008年)、『The Seagull』(2008年)、『A Behanding in Spokane』(2010年)、『Angels in America』(2010年)、『Doubt: A Parable』(2024年)などに出演。脚本作品として『Ruby Sparks』(2012年)、『Wildlife』(2018年、共同脚本)を執筆。
まとめ
ゾーイ・カザンは、ロサンゼルス出身の女優、脚本家、劇作家で、イェール大学で演劇を学び、家族の芸術的遺産を受け継ぎつつ独自のキャリアを築きました。『Ruby Sparks』での主演・脚本や『The Big Sick』、『Olive Kitteridge』での演技で高評価を受け、エミー賞ノミネートも獲得。ポール・ダノとのパートナーシップ、2人の子供との生活、社会正義への取り組みも彼女の魅力を際立たせます。舞台、映画、脚本での多才な活躍で、今後の作品にも期待が寄せられます。




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