『ポーカー・フェイス』（2023年）は、ライアン・ジョンソン制作のアメリカのコメディ・ミステリー・ドラマ。嘘を見抜く能力を持つチャーリー・ケールが、全米を旅しながら殺人事件を解決。一話完結の倒叙形式で、ナターシャ・リオンの魅力が光ります。U-NEXTで独占配信中（2025年7月2日現在、シーズン1のみ）。
基本情報
- 邦題：ポーカー・フェイス
- 原題：Poker Face
- 公開日：2023年
- 製作国：米国
- 再生時間：47分
- ジャンル：ミステリー、クライム
女優の活躍
『ポーカー・フェイス』の主演はナターシャ・リオンで、彼女は主人公チャーリー・ケールを演じています。リオンは本作で第75回プライムタイム・エミー賞コメディ部門の優秀主演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を受けました。彼女の演じるチャーリーは、嘘を見抜く特殊な能力を持ちながらも、どこか人間味あふれるユーモラスなキャラクターで、観客を引き込む魅力を持っています。リオンの演技は、鋭い観察力と軽妙なユーモアを兼ね備えたチャーリーの個性を完璧に表現し、批評家からも「彼女のキャリア最高の役」と称賛されました。また、リオンは本作の製作総指揮、脚本、監督も務め、自身のプロダクション「Animal Pictures」を通じてクリエイティブ面でも大きく貢献しています。彼女の多才な活躍は、作品のユニークなトーンと視聴者への訴求力を高めています。
ゲスト女優も豪華で、各エピソードに登場する多彩なキャラクターが物語を盛り上げます。例えば、エレン・バーキンがキャスリーン役で、ホン・チャウやミーガン・スリらが個性的な役柄で出演し、それぞれのエピソードに深みを与えています。特にホン・チャウは、独特の存在感でチャーリーと絡むシーンが印象的です。これらの女優陣は、ライアン・ジョンソンの緻密な演出の下、短い出番でも強いインパクトを残しています。
女優の衣装・化粧・髪型
チャーリー・ケールを演じるナターシャ・リオンの衣装は、彼女のキャラクターの気取らない性格を反映しています。カジュアルなデニムジャケット、Tシャツ、ブーツといったラフなスタイルが中心で、全米を放浪する「逃亡者」としての生活感を強調しています。衣装は1970年代のアメリカン・ロードムービーを思わせるレトロな雰囲気を持ち、彼女の愛車である1969年式プリムス・バラクーダとも調和しています。化粧はほぼナチュラルで、チャーリーの飾らない性格を表現。時折、帽子やサングラスをアクセントに使用し、状況に応じて変装的な要素も取り入れています。髪型は、リオンのトレードマークである赤みがかったボブカットで、動きやすさと個性を両立。エピソードごとに異なる環境に適応するチャーリーの姿は、衣装や髪型を通じて視覚的にも変化がつけられ、視聴者に新鮮さを提供しています。
ゲスト女優の衣装も各エピソードの舞台設定に合わせて工夫されています。例えば、カジノのシーンでは華やかなドレスやスーツが登場し、地方の田舎町ではカジュアルで実用的な服装が用いられます。これにより、チャーリーの旅先ごとの「アメリカの断片」が視覚的に表現されています。
あらすじ
『ポーカー・フェイス』は、嘘を見抜く特殊な能力を持つチャーリー・ケール（ナターシャ・リオン）が主人公のミステリー・ドラマです。舞台はアメリカのネバダ州にあるフロスト・カジノ。チャーリーはカクテルウェイトレスとして働く平凡な女性ですが、かつてポーカーでこの能力を活かし一攫千金を狙った過去があります。しかし、カジノオーナーのスターリング・フロスト・Sr.（ロン・パールマン）にその能力を見抜かれ、ブラックリスト入りして以来、地味な生活を送っていました。
物語は、チャーリーの親友ナタリーがカジノで働く夫と共に自宅で射殺される事件から始まります。警察はこれを無理心中と結論付けますが、チャーリーの嘘を見抜く能力により、事件の裏にカジノオーナーの息子スターリング・フロスト・Jr.（エイドリアン・ブロディ）の関与があることが判明。真相をメディアに暴露したことで、チャーリーはカジノオーナーの追手から命を狙われ、愛車プリムス・バラクーダで全米を逃亡する生活を余儀なくされます。彼女は旅先で出会う様々な人々や事件に巻き込まれ、持ち前の能力と観察力で殺人事件を解決していきます。各エピソードは一話完結の倒叙形式（犯人が最初に明かされ、チャーリーがどのように真相にたどり着くかを描く）で、ユーモアと緊張感が織り交ぜられた展開が特徴。
解説
『ポーカー・フェイス』は、ライアン・ジョンソン監督が手掛ける初のドラマシリーズで、彼のミステリー愛が存分に発揮された作品。ジョンソンは『ナイブズ・アウト』シリーズや『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』で知られ、本作では『刑事コロンボ』に着想を得た「ハウキャッチェム（howcatchem）」形式を採用。犯行の全貌を最初に提示し、探偵役がどのように犯人を追い詰めるかに焦点を当てるスタイルが新鮮です。この形式は、視聴者に犯人の視点とチャーリーの推理の両方を楽しませ、単なる謎解きを超えたキャラクター主導の物語を提供します。
本作の魅力は、チャーリーのユニークなキャラクターと全米各地の多様な舞台設定にあります。ジョンソンは『マグナムP.I.』や『クアンタム・リープ』といったクラシックなアメリカドラマの影響を受け、各エピソードで異なる地域や職業の人々を描き、まるで「アメリカの小さな断片を覗く」ような体験を視聴者に提供します。また、コメディとミステリーの絶妙なバランスが作品の軽快さを支え、深刻なテーマを扱いつつもユーモアを失わない点が高く評価されています。Rotten Tomatoesで98%の支持率を獲得し、Peacock史上最高の視聴者数を記録したことも、その人気を裏付けています。
シーズン1
『ポーカー・フェイス』シーズン1（2023年）は、ライアン・ジョンソン制作のコメディミステリードラマで、10話構成です。嘘を見抜く能力を持つチャーリー・ケール（ナターシャ・リオン）が、カジノでの事件をきっかけに全米を逃亡しながら、各地で殺人事件を解決します。倒叙形式の一話完結で、各エピソードは異なる舞台とゲストスター（エイドリアン・ブロディ、ホン・チャウ等）が登場。チャーリーのユーモラスなキャラクターと、1970年代風のレトロな雰囲気、緻密な脚本が魅力です。Rotten Tomatoesで98%の支持率を獲得し、Peacockで高視聴率を記録。U-NEXTで独占配信中（2025年7月2日現在）。
シーズン2
『ポーカー・フェイス』シーズン2は、2025年2月6日にPeacockで配信開始予定で、10話構成。チャーリー・ケール（ナターシャ・リオン）が引き続き全米を旅し、新たな殺人ミステリーに挑みます。シーズン1の成功を受け、ライアン・ジョンソンが再び製作総指揮を務め、倒叙形式のユニークなストーリーテリングを継続。キャリー・クーン、セリーナ・ウィリアムズ、ジョン・バーンサルら豪華ゲストが出演し、新たな舞台設定で多様な事件が描かれます。チャーリーのカジュアルなスタイルと鋭い観察力が物語を牽引。シーズン1のユーモアと緊張感のバランスを継承しつつ、さらなる進化が期待されています。日本ではU-NEXTでの配信が予定されています。
キャスト
- ナターシャ・リオン（チャーリー・ケール）：嘘を見抜く能力を持つ主人公。ユーモラスで人間味あふれるキャラクターを演じ、製作総指揮も務める（日本語吹替：小林ゆう）。
- エイドリアン・ブロディ（スターリング・フロスト・Jr.）：カジノのマネージャーで、物語の鍵を握る人物。
- ロン・パールマン（スターリング・フロスト・Sr.）：カジノオーナーで、チャーリーの運命を左右する存在。
- エレン・バーキン（キャスリーン）：強烈な個性を持つゲストキャラクター。
- クレア・デュバル（エミリー・ケイル）：チャーリーの別居中の姉。
ホン・チャウ、ミーガン・スリ、ベンジャミン・ブラット、ノア・セガン、ローワン・ブランチャードらが各エピソードで多彩な役柄を演じる豪華ゲスト陣。
スタッフ
- 原案・製作総指揮・脚本・監督：ライアン・ジョンソン（『ナイブズ・アウト』『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』）
- 製作総指揮：ラム・バーグマン、ネーナ・ロドリグ、ナターシャ・リオン、イアン・B・マクドナルド
- ショーランナー・製作総指揮：ノラ・ザッカーマン、リラ・ザッカーマン
- 音楽：ネイサン・ジョンソン、ジャドソン・クレーン
- 製作：T-Street、MRC、Animal Pictures
- 配給：Paramount Global Content Distribution
日本版スタッフ
- 翻訳：根本友紀、荒木小織
- 演出：吉田啓介
- 製作進行：久留美由香里、佐藤ありさ
- 製作：ACクリエイト
レビュー 作品の感想や女優への思い