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モントリオール国際映画祭

「見どころ」にPR表現を含みます。

モントリオール国際映画祭(Montreal World Film Festival、フランス語:Festival des films du monde de Montréal、略称:MWFF)に関する詳細をまとめています。マジャ・ゾパが2018年に最優秀女優賞を受賞したこの映画祭について、歴史、特徴、構造、受賞カテゴリー、開催状況などを中心に説明します。

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概要

モントリオール国際映画祭(MWFF)は、1977年から2019年までカナダのケベック州モントリオールで開催されていた国際的な映画祭です。国際映画製作者連盟(FIAPF)によって北米で唯一の競争部門を持つ映画祭として認定されていました。創設者であり長期間運営を主導したのはセルジュ・ロシック(Serge Losique)で、毎年8月下旬に開催され、世界中の多様な映画を紹介することに重点を置いていました。

他の主要な北米の映画祭、例えばトロント国際映画祭(TIFF)がカナダや北米の映画に重点を置くのに対し、MWFFは国際的な作品に広く門戸を開き、特にヨーロッパ、アジア、南米などからの映画を積極的に上映しました。2008年には約38万5,000人の観客が訪れ、その84%が地元モントリオールの映画ファンだったと記録されています。

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歴史と背景

MWFFは、1960年から1967年まで開催されていた旧「モントリオール国際映画祭」の後継として1977年に設立されました。旧映画祭はピエール・ジュノー(Pierre Juneau)が主導し、主に非競争形式で知られ、1967年には『ボニーとクライド』のワールドプレミアを開催するなど国際的な評価を得ていました。しかし、カナダ映画の競争部門を巡る論争などから終了し、その後ロシックが新たな映画祭としてMWFFを立ち上げました。

ロシックは、モントリオールがトロントよりも国際的な映画祭の開催地としてふさわしいと考え、1976年のトロント映画祭(当時:Festival of Festivals)の開始に対抗する形でMWFFを創設。1978年にFIAPFの認定を受け、競争形式の映画祭として地位を確立しました。しかし、ロシックの運営スタイルやTIFFとのライバル意識から、1980年代以降、論争や批判も多く伴いました。

特徴と構造

MWFFは以下の特徴を持つ映画祭でした。

競争部門

FIAPF認定の競争映画祭として、ワールドコンペティション(長編映画と短編映画)、イノベーション賞、ジュリー賞、ブロンズゼニス賞などを設けていました。短編映画は15分以内、中編は36~59分、長編は60分以上と規定されていました。

国際的な多様性

世界60カ国以上から集められた映画を上映し、特に非ハリウッド系のインディペンデント映画や新進気鋭の監督の作品に焦点を当てました。

学生映画部門

学生映画のサブフェスティバルを開催し、新人クリエイターの育成にも力を入れていました。

観客動員

地元の映画ファンを中心に、毎年数十万人が参加。2008年には約38万5,000人の来場者を記録しました。

受賞カテゴリー

MWFFの主要な受賞カテゴリーには以下が含まれます。

  • グランプリ(Grand Prix des Amériques)…最優秀長編映画に贈られる最高賞。
  • 最優秀女優賞・最優秀男優賞…ワールドコンペティションの長編映画に出演した俳優に贈られる。マジャ・ゾパは2018年に『Stranniki terpienija(Strangers of Patience)』で最優秀女優賞を受賞。
  • 最優秀短編映画賞…短編映画部門の最高賞で、アカデミー賞の対象となる資格も持つ。
  • イノベーション賞…革新的な映像表現やテーマを扱った作品に贈られる。
  • ジュリー賞・ブロンズゼニス賞…特定の功績や地域の作品(例:カナダ映画)に贈られる。

審査員は、国際的に活躍する映画監督、俳優、プロデューサーなどから選ばれ、受賞作品は厳正な審査を経て決定されました。

マジャ・ゾパの受賞

マジャ・ゾパは、2018年のMWFFで、ウラジミール・アレニコフ監督の『美しすぎる裸婦』での演技により最優秀女優賞を受賞しました。この受賞は、彼女がワルシャワ演劇アカデミーの学生であった時期の快挙であり、国際的なキャリアの第一歩となりました。映画は感情的な深みと複雑な心理描写を要求する作品で、ゾパの演技力が高く評価されました。

論争と終焉

MWFFは、ロシックの運営スタイルを巡る論争がたびたび話題に上りました。1985年以降、彼の「独裁的」な運営や個人的な好みに偏ったプログラミングが批判され、1990年代にはTIFFの国際的地位の上昇や、モントリオール内の別の映画祭(Festival du nouveau cinéma)の台頭により影響力が低下。2004年には政府系資金提供機関(SODEC、Telefilm Canada)との対立から資金を失い、2005年に競合する「New Montreal FilmFest(FIFM)」が設立される事態に至りました。しかし、FIFMは成功せず、MWFFは存続しましたが、2019年を最後に開催が終了。ロシックの財政問題やプログラミングの質の低下が主な原因とされています。

現在の状況

MWFFは2019年で終了し、現在は「モントリオール国際映画祭(Montreal International Film Festival)」として別の非営利団体が運営する新たな映画祭が開催されています(2025年は8月22~24日予定)。この新しい映画祭は、若手クリエイターの支援やグローバルな課題を扱う映画の紹介に焦点を当て、オンライン上映や業界パネル、Q&Aセッションなどを特徴としています。ただし、MWFFとは異なり、FIAPF認定の競争映画祭ではなく、若手やインディペンデント映画に特化したイベントです。

他の関連イベントとの違い

モントリオールでは、MWFF以外にも複数の映画祭が存在します。

  • モントリオール独立映画祭(MIFF)…インディペンデント映画に特化し、Cinema du Parcで年2回のスクリーニングを開催。カンヌやアカデミー賞受賞者も参加する。
  • Festival du nouveau cinéma(FNC)…1971年創設のオルタナティブな映画祭で、新しい表現や技術を重視。2025年は10月8~19日開催予定。
  • Fantasia国際映画祭…ジャンル映画(ファンタジー、ホラー、アニメ)に特化。2025年は7月17~8月3日開催。
  • モントリオール国際ブラック映画祭(MIBFF)…黒人コミュニティの映画を特集。2024年に20周年を迎えた。

これらの映画祭は、MWFFとは目的や対象が異なり、マジャ・ゾパの受賞歴はMWFFに限定されています。

まとめ

モントリオール国際映画祭(MWFF、1977~2019)は、北米唯一のFIAPF認定競争映画祭として、世界中の多様な映画を紹介し、マジャ・ゾパが2018年に最優秀女優賞を受賞した舞台でもあります。国際的な作品や新人クリエイターに焦点を当てた一方、運営や資金面での課題から2019年に終了。現在は新たな「モントリオール国際映画祭」が若手支援を目的に開催されていますが、MWFFの歴史的意義は大きく、ゾパのキャリアにとっても重要な一歩となりました。

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