『探偵ミス・フィッシャー 華麗なる事件簿』は、1920年代のオーストラリア・メルボルンを舞台に、男爵令嬢フライニー・フィッシャーが鋭い洞察力と大胆な行動力で難事件を解決するミステリー・ドラマ。華やかなファッションとウィットに富んだ展開が魅力。
基本情報
- 邦題:探偵ミス・フィッシャー 華麗なる事件簿
- 旧邦題:ミス・フィッシャーの殺人ミステリー
- 原題:Miss Fisher’s Murder Mysteries
- 原作:令嬢探偵ミス・フィッシャー
- 公式サイト:Youtube
女優の活躍
『探偵ミス・フィッシャー 華麗なる事件簿』(原題:Miss Fisher’s Murder Mysteries)の主演を務めるのは、オーストラリア出身の女優エッシー・デイヴィス(Essie Davis)です。彼女が演じるフライニー・フィッシャーは、知的で魅力的、かつ自由奔放な女性探偵として、物語の中心に君臨します。エッシー・デイヴィスは、フライニーの複雑なキャラクターを見事に体現し、観客を引き込む演技力で高い評価を受けています。彼女はフライニーの自信に満ちた態度、鋭いユーモア、そして繊細な感情を巧みに表現。特に、男性中心の1920年代社会で自立した女性像を演じることで、現代の視聴者にも共感を呼び起こします。デイヴィスは本作以前に『マトリックス リローデッド』(2003年)や『真珠の耳飾りの少女』(2003年)などに出演しており、国際的に知られた女優ですが、本作で一躍スターとしての地位を確立しました。彼女の演技は、ミステリーの緊張感と軽快なコメディ要素をバランスよく融合させ、ドラマの成功に大きく貢献しています。また、彼女の自然体でありながらも存在感のある演技は、共演者との掛け合いでも際立ち、物語に深みを加えています。
女優の衣装・化粧・髪型
フライニー・フィッシャーの衣装は、本作の大きな見どころの一つです。1920年代のアール・デコ全盛期を反映したゴージャスでエレガントなファッションは、視覚的な魅力に溢れています。衣装デザイナーのマリオン・ボイス(Marion Boyce)は、フライニーのワードローブに豪華なシルクやビーズ刺繍のドレス、鮮やかな色のコート、羽飾りのヘッドピースなどを取り入れ、フラッパースタイルを現代的に再解釈しました。これらの衣装は、フライニーの裕福で自由な精神を象徴し、彼女のキャラクターを一層際立たせます。特に、深紅やエメラルドグリーンといった大胆な色使いや、流れるようなシルエットが特徴的で、各エピソードで異なる衣装が登場するため、ファッション愛好家にとっても楽しめる要素となっています。マリオン・ボイスのデザインは、オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞のコスチュームデザイン賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
化粧は、1920年代のフラッパーガールらしい濃いめのアイメイクと鮮やかなリップカラーが特徴。フライニーのメイクは、彼女の自信と魅力を強調し、シーンに応じて洗練された雰囲気を演出します。髪型は、ブルネットのボブカットで、ウェーブやピンでアレンジされ、時代感を反映しつつも現代的でおしゃれな印象を与えます。このボブスタイルは、フライニーの活動的な性格ともマッチし、探偵としての動きやすさと女性らしさを両立させています。共演者のドロシー(ドット)やマック医師の衣装も、それぞれメイドらしい控えめなスタイルやマニッシュな装いで、時代背景を反映しつつ個性を表現しています。
あらすじ
物語は、第一次世界大戦後の1920年代、オーストラリアのメルボルンを舞台に展開します。主人公のフライニー・フィッシャー(エッシー・デイヴィス)は、英国の男爵令嬢でありながら、伝統的な上流階級の生活に飽き足らず、探偵として活躍することを決意します。幼少期に最愛の妹ジェニーを誘拐され、悲劇を経験したフライニーは、その犯人マードック・フォイルの出獄を阻止するため帰国。メルボルンの社交界に身を置きながら、持ち前の鋭い洞察力と大胆な行動力で、殺人事件や誘拐、詐欺などさまざまな事件に挑みます。
彼女は行く先々で事件に巻き込まれ、無実の罪を着せられたメイドのドロシー(アシュリー・カミングス)を救ったり、最初は彼女を疎ましく思っていた警部補ジャック・ロビンソン(ネイサン・ペイジ)や巡査ヒュー・コリンズ(ヒューゴ・ジョンストン=バート)と信頼関係を築いたりしながら、周囲の人々を魅了していきます。各エピソードは1話完結型で、ミステリーの謎解きを中心に、フライニーの恋愛や友情、社会正義への情熱が描かれます。シリーズは全3シーズンで構成され、2020年には映画版も公開されるなど、国際的に人気を博しました。
解説
『探偵ミス・フィッシャー 華麗なる事件簿』は、ケリー・グリーンウッドのベストセラー小説『令嬢探偵ミス・フィッシャー』を原作としたミステリー・ドラマ。原作者グリーンウッドは、1920年代のオーストラリアの文化や社会を徹底的に調査し、作品に歴史的リアリティを与えました。ドラマは、戦争で多くの男性を失った時代に女性が自立する機会が増えた背景を反映し、フライニーのような強い女性像を描き出します。プロデューサーのデボラ・コックスとフィオナ・イーガーは、従来の探偵ものとは異なる遊び心とスタイルを追求し、視覚的な美しさと緻密なストーリー構成で独自の世界観を構築しました。
本作は、ミステリーとしての謎解きの面白さに加え、1920年代のメルボルンの街並みや文化を忠実に再現した点が特徴です。豪奢な屋敷や当時の路地、蒸気機関車など、撮影ロケーションにもこだわりが感じられます。また、フライニーの進歩的な考え方や社会正義への姿勢は、現代の視聴者にも響くテーマであり、女性のエンパワーメントを象徴する作品として評価されています。コメディとドラマのバランス、ウィットに富んだ会話、ジャズ音楽やフラッパースタイルのファッションも、作品の軽快な雰囲気を高めています。100以上の国と地域で放送され、スピンオフや映画化もされた本作は、国際的な人気を誇るミステリードラマの傑作です。
キャスト
- フライニー・フィッシャー…エッシー・デイヴィス(Essie Davis)。知的で大胆な女性探偵。男爵令嬢でありながら、自由な精神で事件を解決。
- ジャック・ロビンソン警部補…ネイサン・ペイジ(Nathan Page)。最初はフライニーを疎ましく思うが、次第に信頼と好意を抱く警部補。
- ドロシー・“ドット”・ウィリアムズ…アシュリー・カミングス(Ashleigh Cummings)。フライニーのメイドであり、忠実な助手。純朴で成長する姿が描かれる。
- ヒュー・コリンズ巡査…ヒューゴ・ジョンストン=バート(Hugo Johnstone-Burt)。ジャックの部下で、ドットとロマンスを育む若手巡査。
- マック医師…タミー・マッキントッシュ(Tammy Macintosh)。フライニーの親友で、進歩的な女性医師。マニッシュなスタイルが特徴。
スタッフ
- 原作…ケリー・グリーンウッド(Kerry Greenwood)。オーストラリアのベストセラー作家。『令嬢探偵ミス・フィッシャー』シリーズは23巻を数える。
- エグゼクティブ・プロデューサー…フィオナ・イーガー(Fiona Eagger)、デブ・コックス(Deb Cox)、クリストファー・ギスト(Christopher Gist)、キャロル・スクラン(Carole Sklan)。女性プロデューサー中心のチームが、原作の魅力をドラマ化。
- 衣装デザイン…マリオン・ボイス(Marion Boyce)。1920年代のファッションを再現し、アカデミー賞を受賞。
- 製作…Every Cloud Productions & All3Media International。オーストラリアで2012年に放送開始、国際的に展開。
総括
『探偵ミス・フィッシャー 華麗なる事件簿』は、エレガントで大胆な女性探偵フライニー・フィッシャーが、1920年代のメルボルンで活躍する魅力的なミステリードラマです。エッシー・デイヴィスの卓越した演技、豪華な衣装と時代背景、緻密なストーリー構成が織りなす世界観は、ミステリー愛好家だけでなく、ファッションや歴史に関心のある視聴者にも強くおすすめできる作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い