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ババドック 暗闇の魔物

「見どころ」にPR表現を含みます。

『ババドック 暗闇の魔物』(2014年)は、オーストラリアの心理ホラー映画。ジェニファー・ケント監督の長編デビュー作で、夫を亡くしたシングルマザーと息子が不気味な絵本「ババドック」をきっかけに恐怖に直面。トラウマと心の闇を描く。主演はエッシー・デイヴィス

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プロフィール

  • 邦題:ババドック 暗闇の魔物
  • 原題:The Babadook
  • 公開年:2014年
  • 製作国:オーストラリア
  • 上映時間:93分
  • ジャンル:ホラー
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女優の活躍

『ババドック 暗闇の魔物』の主演を務めるエッシー・デイヴィス(Essie Davis)は、主人公アメリア・ヴァンェック役で圧倒的な演技を見せ、国内外で高い評価を受けました。彼女の演技は、シッチェス国際映画祭で最優秀女優賞を含む7つの映画祭で女優賞を受賞し、本作の成功の大きな要因となっています。アメリアは、夫を失った悲しみと子育ての重圧に苛まれるシングルマザーという複雑な役柄で、デイヴィスは感情の起伏を繊細かつ力強く表現しました。特に、恐怖と絶望が交錯するシーンでは、叫び声や表情を通じてアメリアの精神的な崩壊と再生をリアルに体現。彼女の鬼気迫る演技は、観客に深い感情移入を促し、ホラー映画の枠を超えた人間ドラマとしての深みを加えました。また、子役ノア・ワイズマンとの親子関係の描写では、苛立ちや愛情といった相反する感情を自然に表現し、物語のリアリティを高めています。デイヴィスの演技は、批評家から「母親の苦悩とトラウマを見事に視覚化した」と称賛され、本作を心理ホラーの傑作に押し上げました。

女優の衣装・化粧・髪型

エッシー・デイヴィスの衣装、化粧、髪型は、アメリアの心理状態と生活環境を反映する重要な要素としてデザインされています。衣装は、シングルマザーとしての現実的な生活感を強調するものが多いです。アメリアは主に地味な色合いのカジュアルな服を着用しており、介護施設で働く彼女の日常を象徴しています。たとえば、くすんだ色のセーターやゆったりしたパンツは、疲弊した生活と経済的困窮を表現。物語が進むにつれ、彼女の衣装はさらに乱雑になり、精神的な不安定さを視覚的に示します。特に、ババドックに取り憑かれるシーンでは、乱れた寝間着や薄汚れた服が彼女の内面の混乱を強調します。

化粧はほとんど施されておらず、すっぴんに近い状態で撮影されています。これは、アメリアが自分自身のケアを後回しにしていることを示し、彼女の疲れ果てた表情や青白い肌が物語の重苦しい雰囲気を増幅。レビューでは「美人だが生活の疲れで老けて見える」と評され、化粧の少なさが彼女の孤独感を際立たせています。

髪型も同様に、シンプルで手入れが行き届いていないボブカットが採用されています。髪はしばしば乱れ、物語後半ではさらにボサボサになり、彼女の精神の崩壊を象徴。こうした外見の変化は、観客にアメリアの内面的な葛藤を直感的に伝える効果的な演出となっています。

全体的に、衣装・化粧・髪型は派手さよりもリアリティを追求し、キャラクターの心理を深く掘り下げる役割を果たしています。

あらすじ

『ババドック 暗闇の魔物』は、夫を交通事故で亡くしたシングルマザーのアメリア(エッシー・デイヴィス)が、息子のサミュエル(ノア・ワイズマン)と二人で暮らす物語です。アメリアは、夫の死がサミュエルの誕生日と重なるという皮肉な運命に苦しみながら、問題行動の多いサミュエルの子育てに追われています。サミュエルは学校で暴力的な行動を繰り返し、周囲から孤立。アメリア自身も介護施設での仕事と育児のストレスで疲弊しています。

ある夜、サミュエルが本棚から見つけた「ミスター・ババドック」という不気味な絵本を読み聞かせてほしいとせがみます。赤い表紙のその絵本は、黒いハットとコートをまとった怪人「ババドック」が家に侵入し、恐怖をもたらすという内容で、途中で物語が終わっています。サミュエルはババドックが実在すると信じ、異常な怯えを見せます。アメリアは絵本を破り捨てますが、捨てたはずの絵本が修復されて戻ってくるという怪奇現象が起こります。

その後、母子は奇妙な出来事に悩まされます。サミュエルはババドックの存在に怯え、アメリアも不気味な影や音を感知し始めます。彼女の精神は次第に不安定になり、ババドックが彼女の体を乗っ取るかのように攻撃的な行動に出ます。アメリアはサミュエルに暴言を吐き、命を脅かす行動にまで及びます。しかし、サミュエルは母親を救おうと勇敢に立ち向かい、ホームアローン的な知恵でババドックを退けます。最終的に、アメリアはババドックと対峙し、自身のトラウマや負の感情を受け入れることで、怪物は地下室に封じ込められます。

数日後、サミュエルの誕生日を初めて祝う準備をするアメリア。ババドックは消滅せず、地下室で「飼い慣らされた」形で存在し続けますが、母子は新たな絆を築き、日常を取り戻します。物語は、恐怖を受け入れつつ生きることで乗り越える姿を描きます。

解説

『ババドック 暗闇の魔物』は、単なるホラー映画ではなく、喪失、トラウマ、育児の重圧といった心理的テーマを深く掘り下げた作品です。監督ジェニファー・ケントは、自身の短編映画『Monster』(2005年)を基に本作を制作。ババドックという怪物は、アメリアの抑圧された悲しみや怒り、罪悪感の具現化であり、心理ホラーの要素が強く、伝統的な「幽霊」や「怪物」ではなく、内面的な恐怖を描いています。レビューでは「ババドックは心の隙間に侵入する魔物」と評され、観客に感情のコントロールやトラウマとの向き合い方を考えさせます。

舞台は主にアメリアの家で、閉塞感のある暗い空間が彼女の精神状態を反映。映像や音響も控えめながら効果的で、電灯の明滅や不気味なノック音が恐怖を増幅します。ババドックのデザインは、サイレント映画やドイツ表現主義の影響を受け、黒いシルエットと不気味な動きで具体性を避け、観客の想像力を刺激します。

本作は女性監督ならではの視点が際立ち、シングルマザーの苦悩や「良い母親であるべき」という社会的な圧力を描いています。一方で、一部のレビューでは「シングルマザー全員が苦しんでいるかのような描き方が鼻につく」との批判も。 また、LGBTQコミュニティでの意外な人気も注目され、Tumblrなどで「ババドックはゲイアイコン」と話題になり、監督もこれを肯定的に受け止めています。

キャスト

  • アメリア・ヴァンェック:エッシー・デイヴィス(Essie Davis) – シングルマザー。夫の死と子育てのストレスに苦しむ。
  • サミュエル・ヴァンェック:ノア・ワイズマン(Noah Wiseman) – アメリアの息子。問題行動が多いが、母親を守る強い意志を持つ。
  • クレア:ヘイリー・マケルヒニー(Hayley McElhinney) – アメリアの妹。サミュエルの行動に距離を置く。
  • ロビー:ダニエル・ヘンシュオール(Daniel Henshall) – アメリアの同僚。彼女を気遣う。
  • ミセス・ローチ:バーバラ・ウェスト(Barbara West) – 隣人。優しく母子を見守る。
  • ウォーレン:ベンジャミン・ウィンスピア(Benjamin Winspear) – 脇役として登場。

スタッフ

  • 監督・脚本:ジェニファー・ケント(Jennifer Kent) – ラース・フォン・トリアー監督の『ドッグヴィル』で助監督を務めた経験を持つ。本作が長編デビュー。
  • 製作:クリスティーナ・セイトン、クリスティン・モリエール
  • 製作総指揮:ジェフ・ハリソン、ジャン・チャップマン、ジョナサン・ペイジ、マイケル・ティアー
  • 撮影:ラデク・ラドチュク
  • 編集:サイモン・ニョ
  • 音楽:ジェド・カーゼル
  • 美術:アレックス・ホームズ

補足

『ババドック 暗闇の魔物』は250万ドルの低予算ながら、クラウドファンディング(Kickstarterで約3万ドル)で資金を調達し、アートワークに注力。オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞を受賞し、国際的にも高い評価を受けました。 撮影はアデレードで行われ、ケント監督の演劇学校時代の友人であるデイヴィスを主演に起用。子役のワイズマンは、撮影中その過激な内容から保護され、恐怖要素に直接触れないよう配慮されました。

レビュー 作品の感想や女優への思い

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