『ワンダーウーマン』(1975〜1979年)は、DCコミックスのヒロインを基にしたアメリカのTVドラマ。リンダ・カーター主演で、3シーズン放送。1940年代と1970年代を舞台に、ダイアナ・プリンスがワンダーウーマンとして悪と戦う姿を描く。フェミニズムとアクションが融合した名作。以下、女優の活躍、衣装・化粧・髪型、あらすじ、解説、キャスト、スタッフをまとめています。
基本情報
- 邦題:ワンダーウーマン
- 原題:Wonder Woman
- 原案:ウィリアム・モールトン・マーストン(チャールズ・モールトン)原作
- 企画:ダグラス・S・クレーマー、Stanley Ralph Ross
- 主演女優:リンダ・カーター
- 製作国:米国
- シーズン数:3
- 話数:59
- 各話の長さ:60分
女優の活躍
本作の主演はリンダ・カーター(ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン役)。彼女の魅力と演技力が本作の成功の鍵となり、ワンダーウーマンの象徴として今なお愛されています。カーターは元ミスUSAで、その美貌と堂々とした存在感がアマゾンの戦士姫にふさわしいと高く評価されました。彼女はアクションシーンでの力強さと、ダイアナ・プリンスとしての知的で控えめな魅力を両立させ、キャラクターに深みを与えました。特に、彼女が提案した「回転変身シーン」は、コミックやアニメに逆輸入されるほどの影響力を持ち、視聴者に強い印象を残しました。カーターは多くのスタントを自らこなし、特にヘリコプターから吊り下げられるシーンではその勇気を示しました。共演のライル・ワゴナー(スティーブ・トレバー役)との息の合った演技も、物語のロマンスと冒険を盛り上げました。カーターの演技は、1970年代の女性像を刷新し、フェミニズムの象徴として多くの視聴者に影響を与え、2004年のTVランド賞「最優秀スーパーヒーロー」を受賞するなど、長く称賛されています。
女優の衣装・化粧・髪型
リンダ・カーターのワンダーウーマンの衣装は、コミックの象徴的なデザインを忠実に再現。星条旗をモチーフにした赤、青、金のコスチュームは、胸元のゴールドの鷲、赤いブーツ、青い星柄のショーツで構成され、力強さと女性らしさを両立させました。魔法のベルト、弾丸を防ぐブレスレット、真実を暴く投げ縄、ティアラといったアイテムは、キャラクターの神話的要素を強調。衣装は戦闘での動きやすさを考慮しつつ、視覚的なインパクトを重視しました。カーターの化粧は、自然な美しさを引き立てる控えめなスタイルで、赤いリップと軽いアイメイクが特徴。健康的で力強いイメージを保ちつつ、過度な装飾を避けました。髪型は、黒髪をゆるやかなウェーブで長く伸ばし、ティアラが映えるように整えられ、アマゾンの戦士としての威厳を表現。ダイアナ・プリンスとしては、メガネとシンプルな服で地味な秘書を演じ、変身の対比を際立たせました。この衣装とメイクは、1970年代の視聴者に強い印象を与え、ワンダーウーマンのアイコン性を確立しました。
あらすじ
1940年代、第二次世界大戦中のパラダイス島。アメリカ空軍のパイロット、スティーブ・トレバー(ライル・ワゴナー)がパラダイス島に不時着し、アマゾンの王女ダイアナ(リンダ・カーター)に救われます。この島は、バミューター海域内の地図にない島。アマゾンたちは、外の世界の戦争を知り、代表者を送ることを決定。ダイアナは禁を破り大会に参加、勝利してワンダーウーマンの衣装を授かり、スティーブをアメリカへ送り返します。彼女は秘書ダイアナ・プリンスとして彼のそばで働き、ワンダーウーマンとしてナチスや犯罪者と戦います。
第2・3シーズンでは舞台が1970年代に移り、ダイアナはIADC(情報機関)のエージェントとして、スティーブ・トレバー・ジュニア(同じくワゴナー)と協力。テロリストや科学者、超自然的な敵と戦いながら、正義と真実を守ります。回転変身や投げ縄を使ったアクションが特徴で、フェミニズムの精神を背景に、ダイアナの成長と使命が描かれます。
解説
『ワンダーウーマン』は、ウィリアム・モールトン・マーストンによるDCコミックスのヒロインを基にした、実写TV番組。フェミニズムの象徴として創造されたワンダーウーマンは、力強さと優しさ、知性を兼ね備え、男性中心のスーパーヒーロー文化に新たな風を吹き込みました。本作は、1970年代の女性解放運動の高まりと共鳴し、女性が自立して悪を倒す姿を描くことで、視聴者に勇気を与えました。特に、リンダ・カーターの真摯な演技は、コミックの誇張された要素を現実に落とし込み、子どもから大人まで幅広い層に訴求。回転変身シーンは、視覚的にも革新的で、後のコミックやアニメに影響を与えました。 第1シーズンは第二次世界大戦を背景に、ナチスとの戦いを描き、コミックの黄金時代を再現。
第2・3シーズンでは現代(1970年代)に移行し、ディスコ調のテーマ曲やスケートボードなど、時代に合わせた要素を取り入れ、若者向けにアレンジされました。 視覚効果やスタントは当時の技術の限界内で工夫され、カーターのアクションはジェニー・エッパーらのスタントチームによって支えられました。 フェミニズムとエンターテインメントのバランスが本作の魅力であり、現代のワンダーウーマン像にも影響を与えた名作です。
シーズン解説
ここでは『ワンダーウーマン』の各シーズン(パイロット版を含む全3シーズン)について解説します。各シーズンの特徴、舞台設定、ストーリーの展開、文化的背景、視聴者への影響などをまとめています。
パイロット版(1975年:『The New Original Wonder Woman』)
パイロット版は、1975年11月に放送され、シリーズの基調を確立しました。舞台は第二次世界大戦中の1942年で、DCコミックスの黄金時代に忠実な設定が特徴です。物語は、アマゾンのパラダイス島にアメリカ空軍パイロットのスティーブ・トレバー(ライル・ワゴナー)が不時着する場面から始まります。アマゾンの王女ダイアナ(リンダ・カーター)は、彼を救い、外の世界の戦争を知って正義のために戦う決意をします。彼女は大会で勝利し、ワンダーウーマンの衣装と装備を授かり、スティーブをアメリカに送り返します。ワシントンD.C.で、ダイアナは秘書ダイアナ・プリンスとして軍に潜入し、ワンダーウーマンとしてナチスのスパイや陰謀と戦います。監督レナード・ホーンの演出は、コミックのカラフルな世界観を再現しつつ、戦時中の緊迫感を強調。リンダ・カーターの回転変身シーンや投げ縄を使ったアクションは、視覚的に革新的で、視聴者を魅了しました。パイロット版は、フェミニズムの精神を反映し、女性が主役のスーパーヒーロー作品として新鮮な印象を与え、シリーズ化への道を開きました。当時の視聴率は高く、ABCネットワークが第1シーズンの製作を決定するきっかけとなりました。
第1シーズン(1976-1977年)
第1シーズン(全13話)は、1940年代の第二次世界大戦を背景に、ワンダーウーマンの冒険を描きます。ダイアナ・プリンスは、スティーブ・トレバー少佐の秘書として働きながら、ワンダーウーマンとしてナチスの陰謀、科学者の悪巧み、戦争犯罪者と戦います。エッタ・キャンディ(ベアトリス・コーレン)やジェネラル・ブランケンシップ(リチャード・イーストハム)といった脇役が、コミックの雰囲気を補強。物語は、コミックの誇張されたヴィランやガジェット(透明飛行機など)を活かしつつ、戦争の現実を背景に据え、愛国心と正義感を強調しました。リンダ・カーターの力強い演技と、彼女が提案した回転変身シーンは、視聴者に強い印象を与え、シリーズのシグネチャーとなりました。アクションシーンでは、弾丸をブレスレットで跳ね返す場面や投げ縄を使った尋問が人気を博し、子供から大人まで幅広い層に支持されました。フェミニズムのメッセージは、女性が男性と対等に戦う姿を通じてさりげなく織り込まれ、1970年代の女性解放運動と共鳴。このシーズンは、ABCで好評を博し、シリーズの人気を確立しましたが、ネットワークの意向で次シーズンから現代へ舞台を移すことになりました。
第2・3シーズン(1977-1979年)
第2・3シーズン(全22話+全24話)は、舞台を1970年代に移し、タイトルも『The New Adventures of Wonder Woman』と改められ、CBSネットワークで放送されました。ダイアナはパラダイス島から現代アメリカに戻り、IADC(架空の情報機関)のエージェントとして、スティーブ・トレバー・ジュニア(引き続きライル・ワゴナー)と協力。テロリスト、狂気の科学者、超自然的な敵、外星人など、多様な敵と戦います。現代設定により、ディスコ音楽やファッション、スケートボードといった当時のポップカルチャーが取り入れられ、若者向けにアレンジされました。テーマ曲もチャールズ・フォックスによるディスコ調の新バージョンに変更され、時代の空気を反映。リンダ・カーターの衣装は基本的に変わらないものの、ダイアナ・プリンスの普段着は1970年代のスーツやメガネで現代的に更新されました。物語は、冷戦時代の不安やテクノロジーの進化を反映し、SF要素やスパイアクションが増加。フェミニズムのテーマは引き続き強調され、ダイアナの自立心や知性が際立ちます。
第2シーズンでは、妹ドゥルシラ(デブラ・ウィンガー)の登場など、コミックの要素も一部残されました。
第3シーズンでは、さらに冒険的なストーリーが展開され、ワンダーウーマンの神話的魅力が現代社会でどう機能するかが探求されました。視聴率は安定していたものの、製作費の高騰と視聴者層の変化により、1979年に終了。カーターの演技は最後まで高く評価され、シリーズはカルト的な人気を博しました。
まとめ
『ワンダーウーマン』の各シーズンは、時代背景と視聴者のニーズに応じて進化しました。パイロット版はコミックの黄金時代を再現し、第1シーズンは戦時中の愛国心とフェミニズムを融合。第2・3シーズンは現代に舞台を移し、ポップカルチャーとアクションを強調しました。リンダ・カーターの演技と回転変身は全シーズンで一貫した魅力となり、ワンダーウーマンを文化的なアイコンとして確立。シリーズは、女性が力強く活躍する姿を描き、現代のスーパーヒーロー作品に大きな影響を与えました。
キャスト
- ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン:リンダ・カーター。アマゾンの王女で、正義のために戦うスーパーヒーロー。秘書として潜入し、変身して活躍。
- スティーブ・トレバー/スティーブ・トレバー・ジュニア:ライル・ワゴナー。第1シーズンでは空軍少佐、第2・3シーズンではIADCエージェント。ダイアナのパートナー。
- エッタ・キャンディ:ベアトリス・コーレン。スティーブの秘書で、ユーチャーな性格。ダイアナの同僚としてサポート。
- ドゥルシラ(ワンダーガール):デブラ・ウィンガー。ダイアナの妹で、若きアマゾン戦士。数エピソードに登場。
- ジェネラル・ブランケンシップ:リチャード・イーストハム。第1シーズンでスティーブの上司。軍の指揮官として登場。
スタッフ
- 原作:ウィリアム・モールトン・マーストン。ワンダーウーマンの創造者。フェミニズムを反映したキャラクターを考案。
- 製作総指揮:ダグラス・S・クレイマー。シリーズ全体の制作を統括し、コミックの忠実さと娯楽性を両立。
- 監督:レナード・ホーン(パイロット版)他。パイロット版『The New Original Wonder Woman』を監督。視覚的基調を確立。
- 脚本:スタンリー・ラルフ・ロス他。アクションとユーモアを織り交ぜ、幅広い視聴者に訴求。
- 音楽:チャールズ・フォックス。印象的なテーマ曲を制作。第3シーズンではディスコ調にアレンジ。
- スタント:ジェニー・エッパー
カーターのスタントダブルとして、アクションシーンを支えた。 - 衣装デザイン:ドン・フェルド。ワンダーウーマンの象徴的なコスチュームを再現し、時代に合わせたアレンジを加えた。
まとめ
『ワンダーウーマン』(1975〜1979年)は、リンダ・カーターの魅力とフェミニズムの精神が融合した、時代を越えて愛されるTV番組。彼女の衣装、化粧、髪型は、コミックのアイコン性を忠実に再現し、視覚的インパクトを与えました。アクションとメッセージ性のバランスが取れた本作は、現代のスーパーヒーロー作品にも影響を与え、ワンダーウーマンのレガシーを確立しました。
レビュー 作品の感想や女優への思い