『デビアスなメイドたち』（2013-2016年）は、ビバリーヒルズを舞台に、ラテン系メイドたちがセレブのスキャンダルを暴くサスペンス・コメディ。マーク・チェリー製作、エヴァ・ロンゴリアがプロデューサー。4シーズン49話で、愛憎劇と殺人ミステリーが交錯。
基本情報
- 邦題：デビアスなメイドたち
- 原題：Devious Maids
- ジャンル：コメディ
- 原作：Ellas son…la Alegría del Hogar
- 原案：Marc Cherry
- 製作国：米国
- シーズン数：4
- 話数：49
- 各話の長さ：43分
女優の活躍
『デビアスなメイドたち』は、ラテン系女優たちが主役を務め、その演技力と魅力でドラマを牽引しました。主要キャストには以下の女優たちが含まれます。
アナ・オルティス（マリソル・スアレス役）
アナ・オルティスは、本作の中心人物であるマリソルを演じ、知的で目的意識の強い女性像を見事に体現しました。彼女は大学教授でありながら、息子の冤罪を晴らすためメイドとして潜入する役柄で、感情の機微を巧みに表現。特に、複雑な過去と強い正義感を持つキャラクターを、落ち着いた演技で説得力あるものにしました。オルティスは本作以前に『Ugly Betty』で知られていましたが、本作でさらに幅広い演技力を披露し、ラテン系女優としての地位を確立しました。
ダニア・ラミレス（ロージー・ファルタ役）
ダニア・ラミレスは、メキシコ出身のメイド、ロージーを演じ、優しさと強い母性を表現しました。息子をアメリカに呼び寄せるために奮闘する姿は、視聴者の共感を呼びました。ラミレスは『Heroes』などでの経験を活かし、感情豊かな演技でロージーの純粋さとたくましさをバランスよく演じ分けました。
ロゼリン・サンチェス（カルメン・ルナ役）
ロゼリン・サンチェスは、歌手を目指す野心的なメイド、カルメンを演じました。彼女のセクシーで大胆なキャラクターはドラマに華を添え、コミカルなシーンでも存在感を発揮。サンチェスはプエルトリコ出身で、歌手やダンサーとしてのキャリアも活かし、カルメンの情熱的な一面を魅力的に表現しました。
ジュディ・レイズ（ゾイラ・ディアス役）
ジュディ・レイズは、ベテランメイドのゾイラを演じ、家族愛と複雑な人間関係を巧みに描きました。レイズは『Scrubs』での経験を活かし、ユーモアとシリアスな演技を融合させ、ゾイラの母親としての葛藤や強さを印象的に演じました。
これらの女優たちは、ラテン系女性の多様な魅力を体現し、ステレオタイプを打破するような生き生きとしたキャラクターを演じました。また、エヴァ・ロンゴリアがプロデューサーとして参加し、ラテン系コミュニティの視点を取り入れたことも、彼女たちの活躍を後押ししました。
女優の衣装・化粧・髪型
『デビアスなメイドたち』の衣装、化粧、髪型は、キャラクターの個性や社会的地位を反映し、視覚的にドラマを彩りました。
衣装
メイドたちは、ビバリーヒルズの豪邸で働くため、伝統的なメイド服（黒と白のユニフォーム）が基本ですが、各キャラクターの個性が反映されています。例えば、カルメン（ロゼリン・サンチェス）は、歌手を目指す野心家として、ユニフォームを少しタイトに着こなし、アクセサリーやネイルで個性を加えることがありました。マリソル（アナ・オルティス）は、知的で控えめなスタイルを保ちつつ、シンプルながら上品なメイド服で大学教授の背景をほのめかします。一方、セレブたちの衣装は豪華で、デザイナーブランドのドレスや高級ジュエリーが登場し、メイドたちとの階級差を強調。シーズンを通して、カルメンの歌手としてのシーンでは、派手なステージ衣装やセクシーなドレスが登場し、視聴者を魅了しました。
化粧
メイドたちの化粧は、働く女性としての現実感を保ちつつ、ビバリーヒルズの華やかな世界に適応するようデザインされました。ロージー（ダニア・ラミレス）はナチュラルメイクで、優しく親しみやすい印象を強調。カルメンは、赤やピンクの鮮やかなリップやスモーキーなアイメイクで、スター性をアピール。ゾイラ（ジュディ・レイズ）は、年齢を重ねた落ち着きを反映し、控えめだが洗練されたメイクで母親役を際立たせました。セレブたちは、ゴージャスなメイクアップで、トレンドを取り入れた華やかなルックを披露しました。
髪型
髪型もキャラクターの個性を表現する重要な要素でした。マリソルは、シンプルなアップスタイルやポニーテールで、知的な印象を強調。ロージーは、柔らかなウェーブやロングヘアで温かみのある雰囲気を演出。カルメンは、ボリュームのあるカールやエレガントなアップスタイルで、スター性をアピールしました。ゾイラは、クラシックなショートヘアやまとめ髪で、ベテランらしい落ち着きを表現。シーズン後半では、イベントやパーティーシーンで、メイドたちも華やかなヘアスタイルを披露し、セレブたちと対等に渡り合う姿が描かれました。
これらのビジュアル要素は、キャラクターの社会的背景や夢、野心を反映し、ドラマのテーマである階級やアイデンティティを視覚的に表現しました。
あらすじ
『デビアスなメイドたち』は、ビバリーヒルズの豪邸で働くラテン系メイドたちの視点から、セレブたちのスキャンダラスな生活を描くサスペンス・コメディです。物語は、パウエル家のメイド、フローラが殺害され、ウェイターの若者が容疑者として逮捕される事件から始まります。新たにスタッポード家で働き始めたマリソル（アナ・オルティス）は、実は大学教授で、息子の冤罪を晴らすためメイドとして潜入。彼女は他のメイドたち——ロージー（ダニア・ラミレス）、カルメン（ロゼリン・サンチェス）、ゾイラ（ジュディ・レイズ）、ヴァレンティナ（エディ・ガネム）——と協力し、事件の真相を追います。
シーズン1では、マリソルがフローラ殺害の真犯人を探りながら、セレブたちの秘密を暴きます。ロージーは息子をアメリカに呼び寄せるため、ウェストモア家の問題に巻き込まれ、カルメンは歌手としての成功を目指し、ゾイラは娘ヴァレンティナの恋愛を心配します。シーズン2では、新たな殺人事件や不倫、裏切りが絡み合い、メイドたちの絆が試されます。シーズン3では、ロージーの結婚式での銃撃事件やゾイラの妊娠が物語を加速。シーズン4では、パウエル家の屋敷爆発から半年後の展開が描かれ、新たな殺人事件がメイドたちの運命を揺さぶります。
解説
『デビアスなメイドたち』は、『デスパレートな妻たち』のクリエイター、マーク・チェリーが手掛けた作品で、階級差やラテン系コミュニティの視点を取り入れた点が特徴です。メキシコのドラマ『Ellas son… la alegría del hogar』を原案とし、セレブとメイドの対比を通じて、富、権力、欲望の裏側を描きます。ラテン系メイドを主人公に据えたことで、従来のアメリカドラマでは脇役になりがちなラティーナたちの声を前面に押し出し、彼女たちの夢や葛藤をリアルに表現しました。
ドラマは、サスペンスとコメディのバランスが絶妙で、殺人ミステリーや不倫、裏切りといった重いテーマを、軽快なユーモアと人間ドラマで包み込みます。メイドたちがセレブの秘密を暴く「家政婦は見た」的な視点は、視聴者にスリルと楽しさを提供。特に、ラテン系女性の強さと連帯感を描いた点は、文化的多様性を強調し、批評家からも好評を得ました。ただし、シーズン4での視聴率低迷により打ち切りが決定。約300万人から100万人未満に視聴者が減少したものの、カルチャル・インパクトは大きく、ラテン系女優の活躍の場を広げました。
キャスト
- マリソル・スアレス：アナ・オルティス（大学教授、メイドとして潜入）
- ロージー・ファルタ：ダニア・ラミレス（メキシコ出身、息子を呼び寄せるメイド）
- カルメン・ルナ：ロゼリン・サンチェス（歌手を目指す野心的なメイド）
- ゾイラ・ディアス：ジュディ・レイズ（ベテランメイド、ヴァレンティナの母）
- ヴァレンティナ・ディアス：エディ・ガネム（ゾイラの娘、シーズン3でゲスト降格）
- エヴァ・ロンゴリア：プロデューサー、ゲスト出演もあり
スタッフ
- 製作総指揮：マーク・チェリー、エヴァ・ロンゴリア、サブリナ・ウィンドほか
- 原案：マーク・チェリー（メキシコドラマ『Ellas son… la alegría del hogar』に基づく）
- 監督：デビッド・ウォーレンほか
- 製作：ABC Studios、Lifetimeで放送
- ショーランナー：シーズン3以降、リック・シュワーツランダー、ブライアン・タネン
本作は、ラテン系女性の視点とセレブ社会の裏側を描いたユニークなドラマとして、視聴者に強い印象を残しました。
レビュー 作品の感想や女優への思い